食品のカラクリシリーズ アメ横の叩き売り/食べ物視点
年の暮れはスリ・引ったくりとアメ横の海鮮叩き売りに注意
大幅値引に感激も元々が質の劣る低級品を買わされただけ
写真は紅ずわいがに
■価格が安くなったのは威勢の良いオニイサンの心意気ではない
毎年・年の暮れのアメ横、各地の生鮮品・乾物などの激安売りは風物詩です。年末のアメ横は、普段の5倍、50万人の人出でごった返します。鮮魚や数の子・蟹(かに)など、だみ声を響かせ威勢の良いオニイサンの叩き売りは圧巻です。
一声・二声~と段々値引きしていく様は、お客もエキサイトして、安くてお得な買い物だったと思ってしまいます。中には当初の価格の半分、あるいはそれ以下の価格で売られていきます。でも間違って欲しくないことは、威勢の良いオニイサンの心意気で出血大サービスの値引きではないのです。つまり叩きに叩いた価格でも十分利益が上がる、元々が質の劣る安物なのです。
回転寿司ネタと同じように、店によってはニセモノ数の子・偽装蟹(かに)、着色された古い鮪(まぐろ)などの“まがい物”の叩き売りも行われます。何もわざわざ年の暮れに、人ごみのアメ横に行く必要もないと思います。運が悪ければ、スリ・引ったくりに合うかも知れません。お近くの信頼する魚屋さんで買ったほうが、多少高くても比較にならないほど良い品です。
■事件の突撃リポーターは素人相手に台本通りの茶番リポート
スリ・引ったくりの言葉が出たので、ここからは余談として食の話から離れます。年末特有の犯罪は、年配者に限らず誰もが注意しなければいけません。
最近は下火になりましたが、事件が起こると有名リポーターが近所の家々を訪れ、突撃インタビューする番組が存在しました。現在でも事件が起これば、大なり小なり、同じ手法が取られています。“事件リポーター”は、さぞかし大変と思われるのでは?しかし実態は、リポーターはもはや有名人?なので、わざわざ効率が悪い一般の家をしらみつぶしに聞きに回りません。
事前に番組スタッフが近所を回り、おしゃべりな人や事件の核心を突く発言をした人をピックアップしておくのです。その中から“選ばれた人?”に予め質問内容を知らせて、(事実だとしても)緊迫したコメントを用意させておく仕掛けなのです。そうした段取りの後に、打ち合わせ通り有名リポーターが突然を装いその家に突っ込み、息を切らしたような演技をして迫力リポートを見せ掛けるのです。さて年末は、昔から言われるように火の用心・身の用心です。そしてニセモノ魚を買わない、「食の用心」です。
お節料理もXmasケーキも数か月前の秋から造り溜めしたもの