魚を大事にしない日本人シリーズ R7-11
ROUND7 怖い!マグロのダイオキシンとメチル水銀
魚介類汚染による食物連鎖の危険最上位者は赤ちゃんであることの重大性
■メチル水銀摂取量はWHO基準の1/2~2/3でも安心できない
メチル水銀の怖さ4/注1の説明はやや専門的ですが、WHO(世界保健機関)は「メチル水銀の耐容週間摂取量」の基準を設けています。耐容摂取量とは、生涯に渡って食べ続けていても健康に影響が出ない量です。日本人の平均摂取量はWHO基準の1/2~2/3程度なので、魚介類・肉類・野菜などをバランスよく摂れば影響がないと思われます。しかしダイオキシン類と同じくメチル水銀も、摂取量には個人差が大きく、マグロ・カジキなど大型魚やメチル水銀が多い魚を食べ過ぎ・偏食すれば、すぐに基準を上回ります。
耐容週間摂取量の基準は体重を基にしているため、体重が少ない小児が成人と同じスーパーの養殖マグロの刺身、回転寿司のマグロを食べれば、メチル水銀の摂取量制限を簡単にオーバーします。また小児の体重当たりのエネルギー摂取量(食べる量)は、成人の2倍以上だそうです。小児は体重の割に食べてしまうため、簡単に耐容週間摂取量の基準を超えてしまうのです。そうしたことから、小児はメチル水銀による脳へのダメージが大きいのです。親は小さな子供のために、真剣に食事内容を考えるべきです。
▽注1・WHO(世界保健機関) メチル水銀の耐容週間摂取量(制限値)
1.6μg(マイクログラム)/kg(体重)/週 ※マイクログラムは、1gの100万分の1
厚労省の基準は、やや甘く2.0μg/kg/週です。
▽注2・小児は“体重当たり”のエネルギー摂取量(食べる量)が成人の2倍です。
数値等は専門的なので、詳細は覚える必要はなく概要程度として把握して下さい。
■胎児の脳中の水銀濃度は母親の約2倍に達する危険(ラット試験)
さて食物連鎖[生体濃縮]の上位者は、人間です。間違いはなくても本当の最上位者は、生体濃縮の悪影響を直に受ける赤ちゃんです。ラットによる試験では、メチル水銀が胎児の神経症状や神経発達に重大な悪影響を及ぼします。胎児の脳中水銀濃度は、胎盤・臍帯(さいたい)を通過することによって母親の1.5~2倍になるのです。全血の水銀濃度も、胎児は母親の1.9倍にも達します。
胎児を始め新生児から幼児の頃は、脳が発達過程にある大事な時期です。前述のように胎児は脳への影響を受けやすいことから、妊娠女性を始め授乳中の母親・小さな子供は、美味しくてもマグロなどは食べ過ぎないことです。妊娠していない女性も将来のことを考え、摂り込まれた危険物質の多くが母体を介し赤ちゃんに移行することを知って下さい。だからこそ妊娠女性や妊娠している可能性がある女性に、厚労省がマグロなどの摂取制限を課したのです。
その理屈からいえば、日本も諸外国のように出産後の授乳期、乳幼児も適用すべきです。しかしながら若い女性ほど、偏食が多い兆候が見られます。ダイオキシン類が高いサーモンや、加工度が高い食品ばかり食べないで下さい。女性はメチル水銀・ダイオキシン類など、有害物質やアレルギー要因などを我が子に受け継がないように、独身の頃から確かな食生活や日常生活での防御・対策して欲しいものです。本当は、妊娠してからの対応では遅いのです。“マグロの真実”を知った皆様は、今からでもぜひ自己防衛して下さい。
食品のカラクリシリーズ(詳しい内容)
母乳や臍帯を介して我が子へと危険物質が移動し蓄積することを知る (前出)