魚を大事にしない日本人シリーズ R7-6
ROUND7 怖い!マグロのダイオキシンとメチル水銀
ノルウェー産のサーモンもダイオキシンが高いので女性は食べ過ぎに注意
■女性は将来出産する子供への影響も考えサーモンを少なくすべき
ダイオキシンの怖さ5/前号で説明したように、スペイン産の養殖クロマグロの刺身1切れを食べただけで、1日のダイオキシン類の摂取制限値に達してしまうほど汚染が酷いと申し上げました。これは論外ですが、図表の「魚介類のダイオキシン類蓄積実態調査結果」から、東インド洋産の養殖ミナミマグロ(インドマグロ)も、天然に比べて7倍もダイオキシン値が高いようです。刺身1切れ(20g換算)は、ダイオキシン値が28.8pgTEQなので、7切れでダイオキシン類の耐容1日摂取量200pgTEQをオーバーしてしまいます。
意外にも、ノルウェーの養殖サーモンもダイオキシン値が高いですね。北海道で獲れた天然鮭の12倍もあり、マグロに限らず養殖魚は間違いなく数値が高いのです。特に女性はサーモンが大好きで、売れ筋だけに様々な形態の店でメニュー化されています。チリ産のサーモンも出回っていますが、多くの店ではノルウェー産を使っているため、食べ過ぎれば摂取量の制限値をオーバーしてしまいます。女性はご自分の身体だけではなく、将来、出産する子供への影響も考慮し、サーモンの食べ過ぎに注意して下さい。
▽WHO(世界保健機関) ダイオキシン類を生涯摂取しても影響のない耐容1日摂取量 (前出)
4pgTEQ/kg(体重)/日 ※pg(ピコグラム)は、1gの1兆分の1
数値等は専門的なので、詳細は覚える必要はなく概要程度として把握して下さい。
▽魚介類のダイオキシン類蓄積実態調査結果 出典:水産庁(投稿者編集済) (前出)
魚介類1g当たりのpgTEQ
ダイオキシン類を生涯摂取しても影響のない耐容1日摂取量200pgTEQ(体重50kgの場合)
(体重60kgの成人なら、240pgTEQが制限値です)
■国内の天然魚でも大都市の沿岸で獲れた魚はダイオキシン値が高い
図表にはないものの、日本近海の天然魚でも、太平洋側の大都市周辺の沿岸(汚染順に、大阪湾・東京湾・霞ケ浦・琵琶湖・伊勢湾)で獲れたものは、ダイオキシン濃度が高いと認識して下さい。
ダイオキシン濃度が高い理由は、既に説明したように大都市及びその周辺には工場が多く、工場ゴミや家庭ゴミの焼却排煙、廃液などから沿岸にダイオキシン類が流出・拡散するためです。また湖沼なども水の循環が悪く、堆積したダイオキシン類の影響を受けます。海洋や湖沼の底部に棲む魚介類は、要注意です。
青魚は、一般的にダイオキシン類の汚染度は低い傾向です。しかし鯖や鯵など脂肪が多い魚(ダイオキシン類は油脂に蓄積しやすいため)、東京圏・大阪圏の近くで獲れる魚は、若干、ダイオキシン値が高くなっています。もちろん養殖マグロとは数値のケタが異なるも、気になる方はその他の原産地(海域)を選びましょう。