偽装魚の実態シリーズ 他魚介類の偽装 真蛸(まだこ)
偽装蛸名 アフリカマダコ・イワダコ
国内産の真蛸ではなくアフリカ産のアフリカマダコ種やベトナム産イワダコ
回転寿司用の蛸は丸まらないように足を切ってから茹でる
■日本で流通する蛸の約7~8割はモロッコやモーリタニア産
回転寿司店の真蛸は、アフリカ産のアフリカマダコやベトナム産の冷凍イワダコが偽装されます。蛸というと日本の代表食材のように感じますが、今やほとんどが外国産です。
日本で流通する蛸の約7~8割は、西アフリカのモロッコもしくはモーリタニア産です。しかし最近は乱獲で量が少なくなったことから、現地政府による漁獲規制の強化、あるいは海外との買い付け競争激化で入手しづらく、価格も相当アップしています。
昔は、蛸を食べるのは日本人だけでした。しかし寿司を食べることが欧米や中国に広まったため、外国人が蛸の美味しさを知ってしまったのです。特に、中国に“買い負け”している状況なのです。
■足がまっすぐな蛸ならアルバイトでも簡単にネタ切りができる
普通、茹で蛸にすると、赤くコロコロとした感じで茹で上がります。丸まった脚を、刺身ネタに切るには技術が要ります。そこで回転寿司店では手間を省くために、水産加工業者が予め生の状態で蛸の脚を切断します。
そしてその脚だけを、5~10cm間隔のいくつもに区切られた鉄カゴに入れて茹でます。すると脚は、真っ直ぐのまま茹で上がるのです。これならアルバイトでも、簡単にネタ切りができます。あるいは加工業者がネタサイズに切って、冷凍パックで回転寿司店に納めます。
■本物・真蛸のミニ情報/世界中で明石の真蛸が逸品
本物の真蛸は、世界中にいる中でも関西の明石を中心にした瀬戸内海産が有名です。明石の蛸は“立って歩く”と言われるほど、身の締まりがよいからです。
一般的には、蛸壺やタコ箱と呼ばれる数十cm各の木箱を沈め、深度20mぐらいまでの岩場や砂地に棲む蛸を獲ります。
江戸前では久里浜・常磐・三浦半島が良く、生や番茶でさっと茹でたもの、その他にもじっくり軟らかく煮た「桜煮」も喜ばれます。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。