少数派シリーズ/政治情勢
池上彰氏解説(前)◇政治資金規正法の政治献金・政治資金パーティーは抜け穴・裏金だらけ
■まず投稿者の文章|パーティーのキックバックが問題ではなく正しく記載しなかったこと
池上彰氏のTV情報番組の解説を、投稿者がピックアップしたもので2回に渡り投稿します。自民党の横暴さ、出鱈目に呆れます。岸田首相も他人事(ひとごと)のような対応で、国民を怒らせる。右翼団体・旧統一教会の「選挙支援」然り、今回の政治献金や政治献金パーティーなど大企業からの「政治献金支援」然り、2つの勢力によって政権を維持してきた。結局、大企業と右翼思想組織の言いなりで、国民のほうを見てこなかった“ツケ”が今起こっている。さて池上彰氏はこれらの不正を含めて、同問題を冷静に指摘している。どういう点が問題なのかを勉強しましょう。
■池上彰氏の解説1.大企業からの献金は自民党に恩を売る・下心がミエミエ
(1)政治献金や政治資金パーティーを行うことは、政治資金規正法で認められている。政治資金パーティーは、政党・派閥・政治家個人(〇〇議員を囲む会など)によって開かれている。パーティー券の相場は1枚2万円で、地元の後援者、企業、団体組織が各人や各社が何枚・何十枚も購入する。なぜそんな高いパーティー券を買うのか?政治家と親しくできる~政治家に顔を売って依頼ごとをするため。大企業は、政党に商売(事業)の働きかけをする。政党などに億円単位の献金を行い、後日、(投稿者補足/原発・公共工事など)・事業費用の予算を付けてもらう。言わば恩を売る、下心があるからだ。
(2)パーティー券の売り上げ-経費(ホテル宴会場費用+飲食代)=残りが、政治資金となる。大体、8~9割が儲けになる。食事は焼きそばやから揚げなど腹に溜まり、安価な食材をばかり。また参加人数分より遥かに少なく、遅れて行くと食いっぱぐれる。
投稿者感想/利益率は“ぼったくりバー”並みの高さで、歌舞伎町の飲食店なら警察に通報されるレベル(笑)。自民党は味を占めて段々とエスカレート、中には参加者にミネラルウォーター1本のみ、あるいは参加者ゼロ~パーティー券だけ販売してパーティーそのものを開催しない荒手も現れた。
■2.政治資金規正法の趣旨は規制法ではなく正しく報告する規「正」法
(1)政治資金規正法の趣旨は、金の規制をする法律ではなく、字の通り正しく報告する規正法だ。議員側が①誰から、いくら貰った?②何に使ったのか?③それらのお金の流れを報告書に記録。⇒それを選挙管理委員会に届ける⇒同委員会が一般公開する~ことを義務付けている。
(2)自民党の派閥ごとに、議員にパーティー券の枚数ノルマが課せられていた。例えば100枚がノルマの議員が200枚売ると、相場1枚2万円なので派閥に400万円を納金。ノルマを上回る分200万円が派閥から議員に返され、それをキックバックと言う。但し、キックバックそのものは法律に触れない。
(3)今回、大騒動になっているのは、献金やパーティーで大きく儲けたことではなく、キックバックを正しく報告せずにいたこと。報告していれば、法律上は問題なかった。戻ってきた分も政治資金なので、もらった議員が収入を記載していない未記載は違法。また議員個人が内緒で懐(ポケット)に入れれば、納税義務が発生する。無届けなので、「脱税」の疑いになる。
(4)東京地検特捜部は、疑いが残る政治家幹部の「5人衆」を起訴しなかった。但し「脱税した」との判断をすれば国税庁に連絡し、国税庁が独自に調査を始め、脱税の罪に問われる可能性がある。
(5)規正法は意外と古く、1948(S23)年に制定され、汚職や贈収賄事件が起こると度々改正されてきた。そもそも政治家自身が決めた法律なので、甘く“ザル法”に近い。まあ報告していれば「表の金」、報告していないから「裏の金」(裏金)。飲み食い・買収工作・規定以上の選挙費用に使うなど、表立って書けないものに使っていた疑いが濃い。
投稿者追記/既号の繰り返しになるが、「キックバック」(kickback)は、ネットなどではお客様に還元する意味で、普通に「割り戻し」の意味に使われている。しかし本来の意味は、「強い反動、はねかえり」の意味で、エンジンや機械工具などの始動時に逆転することを指している。それが比喩的に得意先への割戻金やリベートになり、昨今の政治献金の意味も持つようなった。言葉の初出は古く、1954(S29)年の国会答弁だったそうだ。最初から、曰く付きの用語らしい(笑)。新聞では「還流」と訳されるが、多くの辞書は「望ましくない反応の意として、不当な、あるいは反社会的な形の手数料や礼金など。袖の下や賄賂をいう。」と、ダーティなイメージで書かれている。<次回に続く>
次号/池上彰氏解説(後)◇自民党は30年前の汚職事件を反省せず今日に至ったのが裏金問題
池上彰氏解説(前)◇政治資金規正法の政治献金・政治資金パーティーは抜け穴・裏金だらけ
■まず投稿者の文章|パーティーのキックバックが問題ではなく正しく記載しなかったこと
池上彰氏のTV情報番組の解説を、投稿者がピックアップしたもので2回に渡り投稿します。自民党の横暴さ、出鱈目に呆れます。岸田首相も他人事(ひとごと)のような対応で、国民を怒らせる。右翼団体・旧統一教会の「選挙支援」然り、今回の政治献金や政治献金パーティーなど大企業からの「政治献金支援」然り、2つの勢力によって政権を維持してきた。結局、大企業と右翼思想組織の言いなりで、国民のほうを見てこなかった“ツケ”が今起こっている。さて池上彰氏はこれらの不正を含めて、同問題を冷静に指摘している。どういう点が問題なのかを勉強しましょう。
■池上彰氏の解説1.大企業からの献金は自民党に恩を売る・下心がミエミエ
(1)政治献金や政治資金パーティーを行うことは、政治資金規正法で認められている。政治資金パーティーは、政党・派閥・政治家個人(〇〇議員を囲む会など)によって開かれている。パーティー券の相場は1枚2万円で、地元の後援者、企業、団体組織が各人や各社が何枚・何十枚も購入する。なぜそんな高いパーティー券を買うのか?政治家と親しくできる~政治家に顔を売って依頼ごとをするため。大企業は、政党に商売(事業)の働きかけをする。政党などに億円単位の献金を行い、後日、(投稿者補足/原発・公共工事など)・事業費用の予算を付けてもらう。言わば恩を売る、下心があるからだ。
(2)パーティー券の売り上げ-経費(ホテル宴会場費用+飲食代)=残りが、政治資金となる。大体、8~9割が儲けになる。食事は焼きそばやから揚げなど腹に溜まり、安価な食材をばかり。また参加人数分より遥かに少なく、遅れて行くと食いっぱぐれる。
投稿者感想/利益率は“ぼったくりバー”並みの高さで、歌舞伎町の飲食店なら警察に通報されるレベル(笑)。自民党は味を占めて段々とエスカレート、中には参加者にミネラルウォーター1本のみ、あるいは参加者ゼロ~パーティー券だけ販売してパーティーそのものを開催しない荒手も現れた。
■2.政治資金規正法の趣旨は規制法ではなく正しく報告する規「正」法
(1)政治資金規正法の趣旨は、金の規制をする法律ではなく、字の通り正しく報告する規正法だ。議員側が①誰から、いくら貰った?②何に使ったのか?③それらのお金の流れを報告書に記録。⇒それを選挙管理委員会に届ける⇒同委員会が一般公開する~ことを義務付けている。
(2)自民党の派閥ごとに、議員にパーティー券の枚数ノルマが課せられていた。例えば100枚がノルマの議員が200枚売ると、相場1枚2万円なので派閥に400万円を納金。ノルマを上回る分200万円が派閥から議員に返され、それをキックバックと言う。但し、キックバックそのものは法律に触れない。
(3)今回、大騒動になっているのは、献金やパーティーで大きく儲けたことではなく、キックバックを正しく報告せずにいたこと。報告していれば、法律上は問題なかった。戻ってきた分も政治資金なので、もらった議員が収入を記載していない未記載は違法。また議員個人が内緒で懐(ポケット)に入れれば、納税義務が発生する。無届けなので、「脱税」の疑いになる。
(4)東京地検特捜部は、疑いが残る政治家幹部の「5人衆」を起訴しなかった。但し「脱税した」との判断をすれば国税庁に連絡し、国税庁が独自に調査を始め、脱税の罪に問われる可能性がある。
(5)規正法は意外と古く、1948(S23)年に制定され、汚職や贈収賄事件が起こると度々改正されてきた。そもそも政治家自身が決めた法律なので、甘く“ザル法”に近い。まあ報告していれば「表の金」、報告していないから「裏の金」(裏金)。飲み食い・買収工作・規定以上の選挙費用に使うなど、表立って書けないものに使っていた疑いが濃い。
投稿者追記/既号の繰り返しになるが、「キックバック」(kickback)は、ネットなどではお客様に還元する意味で、普通に「割り戻し」の意味に使われている。しかし本来の意味は、「強い反動、はねかえり」の意味で、エンジンや機械工具などの始動時に逆転することを指している。それが比喩的に得意先への割戻金やリベートになり、昨今の政治献金の意味も持つようなった。言葉の初出は古く、1954(S29)年の国会答弁だったそうだ。最初から、曰く付きの用語らしい(笑)。新聞では「還流」と訳されるが、多くの辞書は「望ましくない反応の意として、不当な、あるいは反社会的な形の手数料や礼金など。袖の下や賄賂をいう。」と、ダーティなイメージで書かれている。<次回に続く>
次号/池上彰氏解説(後)◇自民党は30年前の汚職事件を反省せず今日に至ったのが裏金問題