眼力Blog

反日国の動向をウォッチしています。
自滅する韓国を看取るブログです。
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安倍首相訪中 欧米の中国制裁

2018年10月24日 | 政治

香田洋二元自衛艦隊司令官が読売新聞へ寄稿した記事です。

>一帯一路で急接近、日本人が知るべき中国の思惑

2018年10月22日 元海上自衛隊自衛艦隊司令官 香田洋二

 中国の巨大経済圏構想「一帯一路」における多数の途上国のインフラ整備計画のいくつかが挫折し、一部の参加国は中国に疑念を持ち始めるとともに、対中債務に起因する自国社会・経済の崩壊が現実のものとなってきた。・・以下省略

詳しくはリンクをクリックして読んで貰うとして、首相の訪中に一言触れてみたい。


 中国が多方面で行き詰まりを見せ始めている。
鳴り物入りで始めた「一帯一路」も、各方面で頓挫が目立ちだし、先行きが危ぶまれだした。
特に夏頃から、米国の中国への締付は異常と思えるほど先鋭化して来ている。
取り様によっては、北朝鮮制裁以上かも知れない。

 米国が制裁を始めれば、ヨーロッパ先進国も中国への前のめりな行動は慎むようにならざるを得ない。
親中で有名なメルケルドイツ首相さえもが、中国へ危機感を表明するほどだ。
米国との関係改善が難しくなる中、中国は対日本への微笑外交を始めた。
このように中国は、西欧諸国から制裁されたりすると、打開策として決まって日本を利用しようと近づいてくる。

 天安門事件で、欧米諸国が一斉に中国制裁し中国が立ち行かなくなると、打開策は日本への接近だった。
このときにも日本の首相の訪中を要請し、天皇陛下の訪中を求め、日本政府がそれに応じたことから、天皇陛下が訪中したことで欧米の制裁解除へとつながって行った。

 実際は、中国の反日は、中国共産党誕生以来一貫した党是である。
その中国共産党が、日本へ接近するときには、目的があってのことで、これまでの日中関係を振り返ればそれがわかる。

 中国は反日していても、日本の中間財や工作機械など、なくてはならない精密精品を必要としており、どれだけだけ反日しても日本だけは切る訳にはいかない事情がある。

 安倍政権誕生以降も、中国共産党は一貫して安倍首相を批判し続けてきた。
国際舞台で両国首脳が顔合わせしても、中国皇帝様の表情は能面のごとくであった。
握手一つにしても、ぎこちない突っ慳貪(つっけんどん)なもので、子供かよと思わず笑ってしまうほどだった。

 それがいまアメリカに袖にされ、世界から孤立しだすと、途端に日本へ揉み手しながら接近してくる。
ああ、またかよと思うのが普通だが、日本の財界は違う。
どんなに中国に嫌味なことされても、中国市場欲しさに、これまでも中国市場進出に躍起になってやってきた。
日本をおびき寄せるにはこれを使わない手はない、微笑外交が効果あると思うから中国は安倍首相を中国へ招待した。
安倍首相もこれを受け入れ明日にも訪中する。
これは日本にとって賢明な選択と言えるだろうか。

 噂では一帯一路に日本の参加も求められていると言われる。
これまで日本はAIIBへの出資も一帯一路への参加にも否定的な対応をしてきた。
それを破って果たして一帯一路に日本は参加を決断するのであろうか。
これは日本にとっては踏み絵にもなりかねない決断になろう。

 くどいようだが米国の中国制裁は本気モードだ。
これまでの欧米の対中政策方針は180度方向転換したと見るべきだろう。
日本が中国へ融和姿勢を見せたとしても、欧米諸国が日本へ遅れを取らじと中国との関係改善に戻ってくることはない。
欧米諸国にとっては中国は邪悪な敵と言う認識で一致してしまった。
時代は逆戻りしない。

 米国ははっきり中国共産党が潰れるまでやり遂げると宣言している。
日本が対中改善で先走っても、誰もついてくる国はないだろう。
それどころか、欧米の抜けた隙きに、中国を助け漁夫の利を得ようとする狡猾な日本とみなされ、欧米諸国から非難を浴びることにもなりかねない。

 安倍首相は訪中するからには、中国を利するようなことをすべきではないし、それとは逆に、中国の人権問題や知財権の保護の徹底など、中国が嫌がる問題を提起することだ。
生半可な合意は欧米諸国の反感を買う事を肝に命じて、首脳会談に望んで欲しいものだ。
財界を慮って、中国側に配慮するような合意をすれば、日本は欧米諸国から中国と一蓮托生とみなされ、国家の命運を左右しかねない。