ステップ6にて砲塔を組み立てます。「プラウダ戦記」の作中車は、模型サークルにてソ連戦車に詳しい先輩に見解を伺ったところ、「前に傾斜がある、史実では存在しなかった形状の砲塔なので、ガルパンのオリジナルだろう」と言われた通り、砲塔がガルパン独自の形状を示します。
それで、今回の製作においても、この砲塔をガルパン仕様に改造することになります。その工作の手順を順に紹介します。
まず、砲塔を構成する四つのパーツ、1A、2A、3A、8Aを用意しました。1Aと2Aは貼り合わせました。3Aは天板、8Aは砲防盾にあたります。
改めて作中車の砲塔の形状を確認しましょう。御覧のように天板のハッチ前からの部分が傾斜しています。史実のBT-5では見られなかった形らしいのですが、ここではこの形状に合わせます。
キットのパーツをそのまま組み立てると、砲防盾の8Aは上のほうに取り付きますが、作中車の砲防盾は約3ミリほど下にずれています。これに合わせて、8Aの内側のはめこみ突起の下部を上図の赤線部分のみ削って、約3ミリほど下にずらして取り付けられるようにしました。
改造後の8Aの取り付け状況です。元の位置より3ミリほど下に下げて組み付けました。作中車の姿にほぼ近くなりました。
続いて天板の3Aにも改造を加えます。キットのパーツは御覧のようにフラットですが、作中車においては乗降用ハッチの前から下に傾斜します。
そこで、傾斜部分を上図のように切り離しました。ラインチゼルで線をケガいておいて、その線をアートナイフで慎重になぞって何度も切りこむことにより、綺麗に切り離せました。
天板のフラットな部分はそのまま取り付けました。
横からみた状況です。ここから次の改造に移ります。
砲防盾の本来の取り付け位置である開口部の左右辺に合わせて、上から開口部の上部をカットして、そのまま下へスライドさせて砲防盾の8Aにくっつけます。
続いて、スライドさせた部分の左右の隅をA、天板のカット部の左右の端部をBとして、このAとBを結ぶ傾斜線をイメージします。この傾斜線に沿って斜めにカットすれば、天板前部の傾斜面が形成されます。
AとBを結ぶ傾斜線のラインに沿ってマスキングテープを貼りました。その上のはみ出し部分をカットします。
改造後の状態です。
先に切り離しておいた天板3Aの前部をはめ込みました。
これで砲塔天板前部の独特の傾斜面が仕上がりました。その後、傾斜面上のペリスコープやモールドをいったん切り離して水平に据え直す作業を行ないました。
作中車の砲塔の側面観です。これにほぼ合わせることが出来ました。パッと見ただけでは分かりにくい傾斜面ですね。
もし、私の作品を見てこの独自の傾斜面に気付かれた方が居られたら、間違いなくガルパンの全てを知り尽くした正真正銘のガルパンファンであろうと思います。 (続く)