チーム「鬼」の九四式軽装甲車2輌に続く「リボンの武者」登場車輌の再現製作は、上図の苫小牧メイプル学園のMk.Ⅵ軽戦車にしました。この初登場シーンは「リボンの武者」第7巻32ページ3コマ目であり、隊長のトラウトと共に軽戦車のMk.Ⅵが描かれます。このシーンのMk.Ⅵは武装強化型のC型で、御覧のとおり15ミリのベサ重機関銃を主武装としています。
しかし、トラウト隊長以下が試合に使用した4輌は、いずれも12.7ミリおよび7.7ミリのヴィッカース重機関銃を装備したB型で、史実では北アフリカ戦線で使用されたタイプの車輌であるようです。
つまり、苫小牧メイプル学園チームはMk.Ⅵ軽戦車のB型とC型とを保有していることが分かります。いずれも1/35スケールのプラモデルが出ていますので、このチームの再現製作は容易に出来ます。
作中にて、苫小牧メイプル学園チームは強襲戦車競技イベント「大鍋」大会に参加し、1回戦第6試合にて知波単学園チームと対戦して敗れますが、地元の漁船の協力を得て初の舟艇機動作戦を展開したことが高く評価され、むしろ注目を浴びて拍手喝采を受けるに至っています。上図の隊長トラウト、アンバー、オレオの3人も、ギャラリーからの拍手に驚いています。
その苫小牧メイプル学園チームの健闘を讃えて、その搭乗車輌であるMk.Ⅵ軽戦車のB型を、香港のバルカンスケールモデルのキットにて製作します。Mk.Ⅵ軽戦車の1/35スケールキットは、このバルカンスケールモデルの製品が唯一で、上図のB型の他に北アフリカ仕様のB型、武装強化型のC型がリリースされています。
作中車は厳密には北アフリカ仕様のB型にあたりますので、そのキット(品番56011)が欲しかったのですが、既に希少となって入手困難になっているようで、中古ショップでよく見かけた上図のB型(品番56008)を購入して製作にあたることにしました。これを用いて、北アフリカ仕様の作中車に合わせてゆく改造も行なうことになります。
中身です。作業用マットを模した部品保護用の台紙がセットされています。
保護用台紙の裏面には、銅線というか細い棒のパーツも同封されていました。組み立てガイド図を見るまで何のパーツか分かりませんでした。サスペンションの支持アームの軸棒であるようです。
さらにスプリングのバネ部品の大小2種類、エッチングパーツもありますが、後者はほぼオプションであるので、好みで使えば良く、そして私の製作では殆ど使いませんでした。デカールも付いていますが、ガルパン仕様に仕上げるのでモデルカステン発のガルパンデカールセットのほうに差し替えました。
パーツ群は御覧のとおり細かくて数も多く、パーツの分割化がかなり進められているようでした。軽戦車だけに部品が小さいので、組み立てに手間取ることが予想されましたが、実際にその通りになりました。
組み立てガイドです。一見して目がチカチカする感じに襲われました。
御覧のように、ものすごく細かくてびっしりと書き込まれています。足回りの組み立ては特に細かくなっており、読み違いや番号間違いが出そうで怖いものがありました。注意して集中して、一つ一つ丁寧にパーツを選んで組んでいかないと、どこかでミスをおかしてしまうんじゃないか、と内心ビビりました。要は相当に難度が高いキットであるわけで、間違いなく初心者向けではないな、と悟りました。
ですが、Mk.Ⅵ軽戦車の1/35スケールキットは、このバルカンスケールモデルの製品が唯一で、他に選択肢が存在しません。深呼吸をして、腹をくくって真摯に取り組むことにしました。 (続く)