気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ゆるキャンから始めたNゲージ その8  鉄道コレクションの大井川鐡道21000系ほか

2023年07月16日 | ゆるキャン△

 ゆるキャン車輌が手元にあったのが契機となって、鉄道模型のNゲージを始めてみたのだが、これが意外に楽しく、しばらくは熱中しそうな感触があった。嫁さんも一緒にノリノリ状態であった。当然ながら小さな周回のレールだけでは物足りなくなってきて、レイアウトを拡張してみることにした。

 嫁さんと相談して、Nゲージのレイアウトに使えるスペースの最大値を、縦80センチ、横205センチと算出してあったので、その範囲内で新たなレイアウトを考えてみることにした。京間の畳一畳分のサイズである縦95.5センチ、横191センチを縦を少し縮めて横を少し長くした範囲であるので、畳一畳分のサイズで作られる一般的なレイアウトと比べてやや横長になる感じであった。

 

 そのイメージで、嫁さんの「出来たら、複線化してみたいですよね」という意見も入れて上図のように基本案を作成した。使えるスペースの最大値である縦80センチ、横205センチギリギリの縦77.4センチ、横203.4センチのサイズにまとまった。複線化が可能なように2種類のカーブレールを使い、駅スペースの待避線も複線化可能とし、さらに内部に車両基地か機関区を設けられるように駅の近くにポイントを置いて分岐線を延ばす、という内容にまとまった。そのレイアウト案に必要なレールのサイズを計算し、上図にレールのサイズも記した。

 

 そして、嫁さんの希望である「全線複線化」と私の希望である「車両基地または機関区」を全て実現した場合の最終レイアウトの概念図も、上図の左上に描き添えた。

 嫁さんが「全線複線化」を希望したのは、一本ずつを担当してそれぞれに好きな車輌を走らせたいから、というのが理由であった。もともと鉄道模型には大いに関心があるようなので、今後も私と一緒に楽しんでくれるようであるが、時には私よりも熱心にトミックスやカトーのカタログを読んでいて、だんだんとハマってゆくのじゃないかと思わせられた。

 私が「車両基地または機関区」を希望したのは、これまでのゆるキャン聖地巡礼で天竜浜名湖鉄道と大井川鐡道に行った時に、最も興味をもって見物し、かつ楽しんでいたのが両方の車両区であったからである。すなわち、前者の天竜二俣車両区、後者の新金谷車両区である。いずれも転車台を伴うので、出来たらレイアウトにも転車台を入れてみたいなあ、と思っている。

 

 そして、このレイアウトに必要なだけのレールを上図のように算出した。Sは直線レールで、280ミリが8本、140ミリが4本、カーブレールのCは半径317ミリ角度45度のが8本、半径541ミリ角度15度のが2本、が必要であった。ポイントのPLは2本が必要で、手動と電動の二種類があったが、安価な手動のほうにした。これは電動ユニットを追加すれば電動に換えられるので、いずれ全線を複線化する際にポイントも「電化」しましょう、との嫁さんの意見に従った。

 これらの計24本のレールを、新品で買うと9900円もするので、全て中古品で揃えることにして、翌6月16日の退勤後の夕方に買い出しに出かけた。川本氏に連絡をしたら「絶対に行く」と言われ、嫁さんも行くと言うので、その退勤時刻に合わせて四条河原町で待ち合わせた。

 

 そして川本氏の案内で、上図の「ホビーランドぽち京都店」に行った。全国に13店舗を展開する鉄道模型専門ショップ「ホビーランドぽち」の京都支店にあたり、新品とともに中古品も幅広く扱っていて、レールは1本50円から売っているという。河原町通り繁華街のなかに位置するが、私も嫁さんも何度も前を通っているのに気付かなかった。

 「ホビーランドぽち」の公式サイトはこちら

 

 川本氏は、まるで自分の家に案内するかのようなスタンスで入っていったが、嫁さんも私もこのお店に入るのは初めてだったので、嫁さんが「なんかドキドキしますねー」と小声でささやいた。
 すると川本氏が振り向いて「大丈夫ですよ奥さん、近鉄と阪急と京阪のような安心安全の運行ですから」と意味がよく分からない事を言うのであった。本人は励ましの言葉をカッコよく放った積りでいるらしかった。

 

 必要であったレールは、幸いなことに中古品も全て揃っていて、一括で買えた。確かに一番安いのが1本50円であり、直線の280ミリレールのみが1本100円、ポイントはもともと電動だったのをユニットを外して手動にしてあって1本500円となっていた。
 それら計24本のトータルでの購入額は2500円であった。新品で揃えた場合の計9900円の三割にも満たなかったので、「レールの中古ってこんな安いんですか!」と嫁さんが私よりも驚いていた。

 そうなると、今後の全線複線化および車輌基地追加にあたっても、必要なレールは全部ここのお店で買えばよいか、という結論になってくるのだが、川本氏が「ヤフオクとかのネットオークションやったら、もっと安く買える場合があるで」と教えてくれた。
 聞けば、鉄道模型を辞めて手放したりするケースがあって、そのレール類がジャンクとして大量に出品される事が少なくないそうである。各種の山ほどのレールが安く買えたりするらしい。嫁さんが「メルカリでもそんな感じなんですか」と聞くと、川本氏は「それはちょっと止めといたほうがええかな、破損品や劣化品も混じってる確率が高いので」と返していた。

 

 続いて、嫁さんが「私も何か車輌走らせたいので、車輌も買いたい」と希望していたので、車輌の新品や中古品も色々と見た。私が中古品の陳列を見始めて間もなく、川本氏が「おい、ええもんがあるで。これ買っときや」と上図の品を指さした。つられてパッケージを見て、「あっ、この電車は南海のズームカーやないか、大井川鐡道でも走ってるな」と気付いた。

 

 パッケージの裏面にも、南海電鉄21000系の2輌の車輌の図があった。川本氏は「重要なのは車番やで。よく見てくれ、モハの21003、21004とあるやろ」と言った。
「車番が重要なんかね?」
「これさ、大井川鐡道に譲渡されて今も運行してる1編成の車番なんやで」
「えっ、そうなんか・・・」

 確かに現在大井川鐡道で走っている旧南海21000系ズームカーの2編成は、南海時代の車番をそのまま受け継いでいる。上図の模型は、そのうちの1編成の車番が付けられている。つまり、この製品そのものが、南海電鉄の車輌であると同時に、大井川鐡道の車輌でもあるわけだった。

 

 つまり、ゆるキャン聖地巡礼で何度か乗った、このズームカーである。これは塩郷駅で吊橋渡りの後で撮影したものであるが、別の写真を見ると車番もバッチリ同じのモハの21003、21004であった。

 

 購入時に中身を見せて貰って確認した。店員さんが「綺麗な状態ですよ」と言っていた通り、傷も汚れも見当たらなかった。1輌1000円、2輌計で2000円で購入した。

 この製品は、川本氏の説明によれば、トミックスの系列であるトミーテックが2005年から販売している、Nゲージ規格のプラスチック成形のディスプレイモデル(展示用模型)の一種である。シリーズで「鉄道コレクション」と呼ばれ、既にラインナップは限定品や架空品も含めて500種を超えるそうである。鉄道模型Nゲージの規格においては圧倒的なシェアを占める人気商品群となっているそうである。

 そのため、昔の商品ほどプレミアが付いていて、定価よりも市場価格のほうが高くなっている傾向があるという。上図の南海21000系ズームカーは2006年9月に発売されたもので、当時の販売価格は460円(税抜)であった。初期の製品群に属するためか、中古品価格平均が1輌あたり2000円から3000円前後で推移しているという。今回の2輌ぶんの購入価格2000円は、かなりの安値であったことが理解出来た。

 

 プラスチック成形のディスプレイモデルなので、見た感じはプラモデルと大して変わらなかった。嫁さんが「プラモの組み立て塗装済み製品のようなものですねー」と的確な感想を述べていた。

「川さん、これさ、展示品ということやが、Nゲージの線路には載るんかね」
「載るよ。走らせることも可能なように作ってあるんや。別売のモーター入りの動力ユニットというのがあってな、それを組み込んだら、電気で走れるようになる。ホッさんが買った線路でも問題無く走るで」
「そりゃええなあ、大井川鐡道の電車というのがまたええ。予想外のええ買物やったな」
「ホッさんは、大井川鐡道に関しちゃ近鉄の16000系も持っとるもんな・・・、どうせなら、ゆるキャンの聖地巡礼で見たり乗ったりした大井川鐡道の車輌をこうやって少しずつ揃えていったらええんやないか」
「えっ・・・、ゆるキャンの大井川鐡道の・・・・、ああ、なるほど、そういう楽しみ方もあるか・・・」

 その時は何となくそう答えたにとどまった。後でこれが重要なキーワードに成長することになろうとは、この時点では思いも及ばなかったのである。

 

 嫁さんは、川本氏に色々教えて貰いながら、中古品の車輌を3点選んで購入した。その一つ目は上図のカトーの「いなかの街の貨物列車」であった。

 嫁さんが「小さなレイアウトでも走れる、小さなカワイイ車輌があるといいなあ」と言っていたので、川本氏がすぐに「そんなら、こいういうの、どうですかね」と取り出して勧めた品であった。それを見て嫁さんは笑顔になり、「うんうん、こういうのでええんですよ」と即座に決めていた。定価は、カトーのカタログによれば4290円だが、購入価格は1500円であった。

 

 二つ目は上図のトミックスのDE10形ディーゼル機関車であった。茶色のカラーが好きな嫁さんらしいチョイスであった。定価は、カトーのカタログによれば4950円だが、動作不良品つまりは動かない品、とのことで購入価格は500円であった。

 動作不良ってヤバイんじゃないですか、と不安がる嫁さんに、川本氏は「大丈夫。近鉄と阪急と京阪のような安心安全のメンテナンスで直せるんですよ」と意味がよく分からないアドバイスを述べ、清掃および分解メンテナンスを施せば、大抵の動作不良品は直る旨を説明していた。

 このDE10形ディーゼル機関車に関しては、三日後に川本氏が拙宅に来て、実際に清掃および分解メンテナンスを実施して、その手順やコツ、車輪などの清掃すべき箇所を細かく丁寧に教えてくれた。
 その通りに嫁さんが無水エタノールで清掃を行って車輪軸部に詰まっていた塵芥を取り除くと、モーターもライトも元通りに作動して見事にレール上を走るまでに復したのであった。嫁さんも私も驚いてしまった。治せる可能性が高い不良品が500円で買えたのは、超お得じゃないか、と喜び合った。

 これをふまえて、川本氏は「ジャンク品や不良品で動かんのがあっても、大体は清掃してメンテナンスすれば元通りに走るんでな。ジャンクで動かない車輌を在庫処分感覚でべらぼうに安く売ってるのが多いんけど、そういうのが、ある意味狙い目でもあるの。新品なら何万もするような蒸気機関車とかがさあ、それこそ二束三文で売ってたりするけど、ダメもとで買って、洗ったり掃除したりすりゃ、たいていは走るんや。俺もこれまでにジャンクや不良品を30輌ぐらい買ってんけど、全部メンテナンスで治したで。いっぺん、ホッさんも試してみ?」と話した。

 なるほど、と頷いて、一度それも試みようと決めたのであったが、後日にそれが大きな成果を呼ぶことになるとは、予想だにしなかったのである。

 

 三つ目は、DE10形ディーゼル機関車だけじゃ寂しいから、という理由で上図右のカトーの「ワ12000」貨車2輌セットを選んでいた。定価は1760円であったが、中古品価格は500円であった。

 「ワ12000」の貨車は国鉄サイズの一般的な貨車より小振りに作られたもので、地方私鉄などで多数が使用されているという。ミニ貨車という感じであるが、川本氏によれば、大井川鐡道ではもっと小型のワフ0形という貨車が使われているそうである。
 それは、おそらく私もゆるキャン聖地巡礼の際に見ている筈である。千頭駅、川根両国駅、家山駅などに幾つかの種類の貨車が置かれているのを見かけたが、そのなかにワフ0形もあったのだろう。

 

 かくして、この日嫁さんが購入した車輌3種の中古品購入価格計は2500円となった。全てを新品で買うと11000円になるのだが、中古品で買えば費用が約二割で済むのであった。思った以上の戦果に嫁さんは御機嫌であったが、私にとってもこれは大きな「教訓」となった。

 なぜならば、以後の動力付き車輌も含めた全ての車輌を、全て中古品で買い揃えたからである。川本氏のアドバイスがあったのも一つの理由ではあったが、それ以上に、私が対象とした車輌の全てが昔の製品ばかりで、いまでは新品での購入が不可能だったからである。  (続く)  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

継続高校 T-28中戦車(フェイズエリカ仕様) 完成です!!

2023年07月15日 | ガルパン模型制作記

 塗装作業に進みました。作中車はカラーページが無いので車体色は不明です。それで、継続高校チームの元ネタである第二次大戦期フィンランド軍の車輌のカラーを、パロラ軍事博物館のホームページ所蔵の現存する2輌のT-28中戦車においてリサーチしてみたところ、1輌はグリーン系、もう1輌はグレー系統でした。

 手持ちの塗料にグリーン系が無かったので、グレー系でいこうと考え、ミスターカラー13番のニュートラルグレーを採りました。作中車の車体には迷彩や塗装の濃淡の表現は一切見られないので、単一のカラーと判断し、上図のように車体、砲塔とも吹き付け塗装しました。車輪類も転輪が鋼製タイプなのでタイヤゴムが無く、ポスカ黒での塗り分けも不要でした。

 

 続いて履帯を28番の黒鉄色で塗り、分割して組み立てておいた下部の履帯を組み付けました。

 

 車外装備品類は、木製部分を43番のウッドブラウン、金属部分を28番の黒鉄色で塗ったのち、上図のように左フェンダー後部上に取り付けました。

 

 起倒式前照灯の内側を8番のシルバーで塗ってレンズのクリアパーツを取り付けました。

 

 主砲塔および二基の銃塔の機銃を28番の黒鉄色で塗りました。

 

 履帯の組み付けが全て完了しました。

 

 作中車は校章マークを砲塔左右側面に付けています。それにしたがい、モデルカステンのガルパンデカールセットVol.4より、二番目に大きなサイズのデカールを2枚とってきて貼りました。

 

 今回の作中車は左右のマークが対称の位置にありますので、作業が楽でした。片方を貼ったら、もう片方をその対称の位置に貼れば良いからです。

 

 かくして、継続高校チームが保有する戦車としては最大の大きさを誇るT-28中戦車が、わがガルパンGP第11戦車師団に納入されました。私が製作した継続高校チームの車輌としては10作目にあたります。

 

 中戦車にしては大型で多砲塔戦車であるが故の、独特のフォルムが印象的です。

 

 同じ多砲塔戦車であるドイツ軍のノイバウファールツォイクと比較すると、こちらの方がデザイン的にはまとまった感じがあって、外姿のフレームがだいたい正三角形にイメージされます。

 

 かくして、継続高校チームのT-28中戦車がコミック「フェイズエリカ」仕様にて完成しました。製作日数は、2022年10月13日から10月27日までの15日でした。組み立てに13日、塗装および塗装後の組み立てに1日かかりました。

 今回はホビーボスのキットを利用しましたが、作中車にガルパン仕様や独自の要素が見られないので、ほぼ実車準拠とみなしてストレート組みで仕上げました。中戦車というより重戦車に近いサイズであるためか、パーツも連結式履帯も大半が大きくて扱いやすく、組み立て自体は割合に楽であったと思います。
 ただ、車体やフェンダーの組み立て工程の都合上、履帯を別に組み立てて塗装してから組み込むというのが不可能であったため、フェンダー下に入る上部の半分ほどは最初から組み付けておく必要があり、履帯の下部の半分ほどを別に組み立てて塗装して、最後に組み付けて繋ぐ、という方法を採りましたが、これも思ったより難しいものではありませんでした。
 ですが、パーツ割りが細かいことで定評のあるホビーボスのキットですから、初心者クラスにはちょっと難しいかもしれません。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャン△の聖地を行く32 その1  三島からスタート

2023年07月14日 | ゆるキャン△

 2023年1月のサークルの新年会にて、アニメ部会のS君と久し振りに会い、ゆるキャンに関しての話題で色々と盛り上がりました。S君は、アニメ部会きってのゆるキャンファンで、キャンプを趣味としてキャンプオフなどを毎月のように開催している、活動熱心なメンバーの一人です。2016年10月に奈良県へのキャンプ計画を立ち上げて、元奈良県民の私に相談を持ちかけた際に、ゆるキャンというコミック作品を初めて教えてくれた人物でもあります。当時の経緯はこちらの記事にて。

 そのS君に「星野さん、伊豆の聖地はもう回ったので?」と訊かれたので、大体は回ってる筈、と答えると、なぜかニヤリと笑いつつ「たぶん、あと5ヶ所を追加することになる、ですよ・・・」と話してきたのでした。
 あと5ヶ所とは?と問い返すと、1枚のイラストのコピーを渡されました。

 

 S君から渡されたイラストのコピーとは、上図のあFろ氏の原画でしたが、その内容を見て目が点になりました。5ヶ所とも、初めて見る場所でした。

「なんだこれは・・・、初めてみたなあ、この5ヶ所って、原作コミックにもアニメでも出てなかったと思うが・・・」
「これ、原作コミックをアマゾンで買った場合の特典描き下ろしなんですよ」
「そんなのがあったのか、知らんかった・・・」
「5ヶ所のうち、この一番上のコマの石廊崎だけは、アニメにもワンカット出てますが・・・」
「えっ、そうなんか」
「はい、石廊崎は、確か2期の10話に出てる・・・です」
「・・・そうすると、つまり、伊豆キャンプ編の本ストーリーで訪れた場所のほかに、この5ヶ所にも立ち寄っていた、という設定なわけかね?」
「そうだと思いますけどねえ、いや、でもこのイラストが出たのはアニメでの伊豆キャン編が終わってからの話なんで、後から追加したんやと思いますねえ・・・。連載当時はこの5ヶ所、舞台設定に含まれとったかどうか疑問なんですけどねえ、アマゾンの特典の電子版として特別に描き下ろしたものらしいんで、僕は二次追加みたいなもんかと・・・」

 S君は、二次追加みたいなもん、と言いましたが、しかし私にとっては、原作者が描いている以上はこの5ヶ所も立派なゆるキャン聖地である、という基本認識のほうが重要に感じられました。伊豆半島へ十数回行っている私自身でさえ知らない場所ばかりなので、これらを訪ねる巡礼の旅というのもいいんじゃないか、と考えました。

 

 そこで、上図のように、伊豆半島の地図に今までに聖地巡礼で行った場所を黄色の字で書き入れたのち、今回新たに知った5ヶ所を赤字で書き添えてみました。御覧のように、5ヶ所を回ると、そのまま伊豆半島一周になるのに気付き、これは楽しそうだ、よし伊豆へ再び行くか、と決めました。

 ですが、最初に計画した2月のタイミングには荒天が続き、3月には宿が取れなかったので、3月に予定していた山梨県方面、身延および笛吹エリアへの聖地巡礼をまず実行し、その次の4月に伊豆へ行く案を練り直しました。京都から三島へ行って前泊し、三島からスタートして、伊豆半島の海岸線に位置する5ヶ所をぐるりと左回りに巡るコースで行くことに決め、4月からの好天の期間を見計らったのでした。

 

 かくして、2023年の4月8日、9日が好天に恵まれるとの予報に接し、6日に急いで計画をまとめました。前泊も含めて宿を二ヶ所に予約しておいて、7日の退勤後にそのまま京都駅へ直行して新幹線に乗り、三島まで移動して三島駅北口の宿に前泊しました。その夜は大雨でしたが、翌朝から快晴になるのだから問題は無い、と宿にて早めに就寝しました。

 そして8日の朝、6時の起床後に窓のカーテンを開けて外の上図の景色を見、三島の市街地のはるか北方へ大雨を降らせた前線が遠ざかってゆくのを認めました。その上に広がる青空を見上げて、これからの二日間は間違いなく晴れるな、と確信したのでした。

 

 7日から前泊した、JR三島駅北口の「東横イン富士山三島駅」です。ゆるキャンの聖地巡礼で利用するのは、2020年8月の「アニメへやキャン△」河口湖エリア行きに次いで2度目です。この宿から富士五湖方面へ行けますし、伊豆半島への起点にもあたりますので、静岡県内のゆるキャン聖地巡礼の宿としては好適地にあると思います。
 今回も公共交通機関を利用して行きますので、交通の要として鉄道やバスのアクセスも良い三島が、巡礼コースの起点としては最適でありました。

 

 なにしろ、宿から歩いて2分もかからずにJR三島駅へ行けますから、朝からバタバタせずに済みました。朝食もゆっくりいただいて、余裕で休憩タイムも楽しんで、6時55分ぐらいにチェックアウトして出発しました。

 

 まずは5ヶ所の最初の巡礼地点である「鮎壺の滝」を目指して、三島からJR線で移動するべく、上図の路線図を確認しました。次の沼津駅で御殿場線に乗り換えて、「鮎壺の滝」の最寄である下土狩駅まで乗る、と確かめました。その後、また三島駅まで戻りますので、切符は往復で買いました。480円なり。

 

 ホームに行くと、これから乗る7時2分発の列車の案内表示が出ていました。

 

 急いで、近くの三島駅の駅名標を記念撮影。

 

 次いで、ホームから南に見えた伊豆箱根鉄道駿豆線のホームに停まっている列車を撮りました。

 

 そうこうしているうちに、7時2分発の列車が来ましたので、乗り込みました。

 

 7時8分、沼津駅で降りて、御殿場線のホームへと移動し、既に待機していた7時12分発の列車に乗りました。

 

 7時20分、下土狩駅で降りました。この駅が「鮎壺の滝」の最寄駅です。

 

 下土狩駅の駅舎は御覧の通りのユニークなデザインでした。身延線のほうにも似たような感じの駅舎を見かけた気がします。

 

 駅前の小さなロータリーの水路の壁に、鮎壺の滝への方向表示が貼ってあるのを見つけました。ここから500メートルですか、歩いて5分ぐらいか、と考えつつ、道順を確認するべく、駅舎の横の案内地図へと近寄りました。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(車輌目次表紙)BC自由学園 M22ローカスト(リボンの武者版 1、2輌目)

2023年07月13日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  ブロンコモデル (商品コードCB35161およびCB35162)

  制作期間   2022年2月2日~3月8日

  製作記事   その1 その2 その3 その4 その5 その6 完成です!!

  総評・備考
  M22は、第二次大戦期にアメリカ軍が開発した空挺用の軽戦車である。供与を受けたイギリス軍では「ローカスト」の愛称で呼ばれた。当時のアメリカ軍はM22を搭載可能な大型の輸送機を保有していなかったが、大型輸送グライダー「GAL49ハミルカー」を開発中であったイギリス軍が要望してM22の開発を後押しした経緯があり、実戦に使用したのもイギリス軍であった。1945年3月のライン川渡河作戦、ヴァーシティー作戦にイギリス軍第6空挺師団所属の12輌が参加して「GAL49ハミルカー」にて戦場へ空輸されて展開した。それが第二次大戦におけるM22の唯一の実戦使用例であった。
 ガルパンではコミック「リボンの武者」にてサンダース大付属高校のチーム「フライングタンカース」の車輌として登場し、軽戦車として使用されている。さらにBC自由学園チームにレンドリースされている3輌がタンカスロン競技にてチーム第五共和制小隊を編成したが、BC自由学園の校章マークを付けているのは1輌だけで、もう1輌は無印のまま、あと1輌はサンダース大付属高校の校章を付けたままであった。
 適応キットはブロンコモデルの製品が唯一で、英軍仕様と米軍仕様の二種類があるが、今回の再現製作では双方を同時に製作した。両方の相違点は操縦手ハッチのボックスの形状である。シャーマン中戦車を小型にしたような外観だが、パーツは細かくて組み立ても簡単ではない。ガルパンプラモデルとしても上級者向けのキットである。
 今回の作例はBC自由学園の校章マークを付けている1輌と無印のままの1輌を再現した。作中車に米軍仕様と英軍仕様とが見られるため、BC自由学園の校章マークを付けている1輌を米軍仕様、無印のままの1輌を英軍仕様とした。


  公式および適応キット一覧(2023年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


目次へ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

継続高校 T-28中戦車(フェイズエリカ仕様) 作ります!! その6

2023年07月12日 | ガルパン模型制作記

 ステップ17では主砲塔関連の部品を組み立てます。主砲塔に付けられる機銃は3ヶ所にありますが、このうち天板上のハッチ脇に付く1挺は作中車にありませんので架台も含めて不要となります。

 ステップ18では主砲塔本体を組み立てます。天板のG1には星形のレリーフが付きますが、これも作中車にありませんので削り取ります。この削り取り作業が、今回のキットにおける一番の改修箇所となります。他にも増加装甲部分をカットするなどの作業が加わります。
 またペリスコープは2種類のパーツがあって選択しますが、作中車にあわせてB22とB26のセットを選びます。

 

 ステップ17で組み立てるパーツ類です。

 

 組み上がりました。主砲塔に搭載される16.5口径76.2ミリ戦車砲KT-28、および7.62mm機関銃DTです。

 

 次のステップ18の組み立てに先立ち、天板のパーツG1にモールドされている星形のレリーフを削り取ります。作中車には付いていませんが、実車においては全車に対空識別用として付いていたようで、ホビーボスやズベズダのT-28中戦車の各種のキットの全てにおいて天板のパーツに星形のレリーフが付いています。

 

 大きなモールドなので、完全に削り取るのにかなり手間がかかりました。周囲のモールドを誤って削ったりしないように気を付けないといけませんでした。

 

 さらに主砲塔の本体パーツには、増加装甲が巻かれた状態になっていて、上端に増加装甲が突き出しています。

 

 砲塔パーツの増加装甲は一体成型になっていて削り取るのは不可能に近いため、上端の突き出している部分をカットすることで妥協しました。

 

 改造後の砲塔パーツです。これに別パーツの増加装甲を3ヶ所に付けますが、それらは不要となります。パーツのM10、M16、M30です。

 

 天板をセットしました。

 

 ステップ18の組み立て作業に進みました。

 

 一気に組み上げました。天板上に取り付けるエッチングパーツのPE-A13とPE-A22とE1の組み合わせは何の部品が分かりませんでしたが、作中車のそれとはやや形が違うように思えましたので、不要パーツとなったE11が良く似た形状であるのを利用して置き換えて形を改造しました。

 

 天板上の状況です。作中車に合わせたので、ハッチ横の機銃架台や星形レリーフも無く、実車よりもシンプルになっています。

 

 ラストのステップ19では、右側フェンダー後部の車外装備品と砲塔類を取り付けます。

 

 車外装備品の多くは塗装後の取り付けとしますので、ここでは仮組みだけして位置を確かめておきました。

 

 塗装作業まで別に保管しておいた、シャベル2つ、鶴嘴、パールです。

 

 主砲塔と2基の銃塔をセットしました。

 

 以上で、塗装前の組み立てとガルパン作中車仕様への改造の全てが完了しました。ソ連戦車というとT34系列やBT系列のように割合に組み立て易い車種が多いせいか、楽に作れるイメージが個人的にはありましたが、今回のは多砲塔タイプということもあって、かなり手間がかかりました。初心者にはちょっとキツいほうかと思いました。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

(車輌目次表紙)BC自由学園 オチキスH39軽戦車(フェイズエリカのこぼれ話版)

2023年07月11日 | ガールズ&パンツァー

  使用キット  ピットロード (商品コードG05)

  制作期間   2022年2月20日~23日、3月8日

  製作記事   その1 その2 その3 完成です!!

  総評・備考
 ガルパンのコミック「フェイズエリカのこぼれ話」にてBC自由学園チームのムールの搭乗車として登場するオチキスH39軽戦車は、史実での公式名称はオチキスH35である。そのエンジンを新型に換装し、武装をもとの短砲身37ミリ砲SA18から長砲身35口径37ミリ砲SA38に強化した型を便宜上「H39」と呼んだが、そのタイプが作中車に該当する。
 適応キットはエレール、およびそのOEM販売を行なったグンゼ産業の製品がよく知られるが、それらは既に廃番となって中古市場でしか入手出来ないため、下のキット一覧にはそれ以降に販売された製品を並べた。H38/H39のコンバーチブルキット、ドイツ軍が接収してロケットランチャー「ヴルフラーメン40」を装着した状態のキット、の2種類に大別されるが、いずれも必要な部品のみでH39の標準型に仕上げることで、作中車を再現出来る。今回の作例は後者にあたるピットロードのキット(下のキット一覧の3)を用いて製作した。

  公式および適応キット一覧(2023年7月現在) 黄帯が今回の使用キット  


目次へ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャンから始めたNゲージ その7  ゆるキャンの大井川鐡道の車輌

2023年07月10日 | ゆるキャン△

 ゆるキャンのアニメは、2023年7月時点で2期までが放送されているが、さらに3期が予定されている。その放送時期に関してはまだ公表されていないものの、ストーリーの大半が大井川キャンプ編になるであろうという点だけは、このアニメが原作コミックのストーリーと世界観を忠実になぞっていることから間違いなく予想される。
 したがって、大井川キャンプ編にて各務原なでしこが利用した大井川鐡道の本線と井川線がアニメに登場することも容易に首肯される。

 そのことを話すと、川本氏は「それは向こうにとっても追い風になるやろな。いまだに台風被害の復旧が進んでへん、不通が続いてると設備のメンテも車両の維持も大変な負担になるからな・・・、最近にようやっと鉄道災害調査隊も派遣されて復旧までの道筋の第一歩に踏み出せたんかな、という感じはあるものの、果たしてどうなってくんかはよう分からんな。俺は何度も乗りに行ってるし、とにかく応援してゆきたいし、今度の「客車普通列車」企画にも行く積りや」と言った。

「へえー、「客車普通列車」にも乗りに行くのか、流石やな」
「ホッさんも、乗りに行かへんかね?」
「いや、あれはちょっと・・・、夕方から夜までの運行なんやろ、昼間の景色が見られへんやん・・・」
「うーん、夕方から乗って昭和の夜行鈍行の雰囲気を味わうのがええんやけどなあ・・・」

 次第に話題が横にそれかけていったが、川本氏は「それで、大井川鐡道がアニメに出るとなったら、どういう車輌が出るか、ということやな・・・」と一気に本筋に戻して、腕組みをしつつ「面白いことになりそうやな」と興味津々の表情になった。
 それで、アニメ第3期のストーリーの大まかなあらすじを、原作コミック第10巻の内容から抽出して簡単に説明した。第10巻のカバー表紙も見せた。

 

 御覧のように原作コミック第10巻のカバー表紙には、大井川鐡道本線の旧近鉄16000系と千頭駅駅舎が描かれている。作中で志摩リンが最初に訪れる大井川鉄道の施設が千頭駅であり、各務原なでしこが金谷駅から乗る列車は旧近鉄16000系である、というストーリーを表徴している図である。

 さらに表紙カラーページの目次のイラストは、旧近鉄16000系の座席に乗っている各務原なでしこの図である。これらを見た川本氏は、「これで、我らの近鉄吉野特急の往年のスターがアニメに出るのは確定やな・・・」と感慨深げに、そして満足そうにつぶやいた。そして「金谷駅と千頭駅の間の駅が一つも出ないのな・・・」とやや不満気に付け加えた。

「しかしなあ、川さん、16000系がアニメに出てきたとしても、その頃に現実の16000系が走っていてくれるかどうか・・・」
「それは大丈夫や。最近に得た情報によれば、16000系は定期検査を終えて営業運転に復帰しとるというな。車体の塗装も一新してピカピカになったというで」
「ほんまか!それはほんまか!・・・しばらく走ってなかったんは、新金谷の車両区にずっとおったんは、検査のためやったのか・・・。あー、良かったあ・・・」
「重検(重要部検査)のほうか、全検(全般検査)のほうかは確認してねえけど、おそらくは重検のほうかも。もしそうなら、少なくともあと3、4年は運行されるとみてええかな。塗装も一新したというから、ホッさんが危惧しとった廃車ってのはまず有り得ねえ。安心してええぞ・・・」
「そうか・・・、よし、これで、各務原なでしこのファンたちがみんな安心して16000系に乗れるわけやな・・・」
「ていうかさ、ゆるキャンのアニメに登場するってのを大井川鐡道さんも重視しとるんと違うか?折角、南海の6000系を貰ってきてんのに、3年近くも置いたまんま運行に入らんというのもおかしな話やで。本来ならば、置き換える予定やった16000系第3編成を、アニメ効果を期待して延命にかかってるんやもん・・・。ある意味、16000系がゆるキャンアニメコラボの主役になるわけやろ、南海6000系に置き換えるのを後送りにして、アニメの次のコラボキャンペーンで大々的に16000系を走らせて大勢のファンに来てもらおうっていう魂胆かも・・・」
「それは、たぶんそうやと思う。トーマスに続くドル箱列車を16000系に担ってもらって、全国のゆるキャンファンに大井川鐡道に乗りにきて貰うのよ・・・」

 話しつつ、来年2014年1月ぐらいにアニメ3期がスタートした場合、その放送期間後の春にまたコラボキャンペーンを展開するだろうな、と考えている。もしそうなったら、また行かねばなるまい。

 

 続く第11巻では各務原なでしこが井川線のアプト式列車に乗って、奥大井湖上駅まで乗って行く経緯が描かれる。それを表徴するかのように、上図の第11巻カバー表紙にも、井川線のアプト式列車が描かれる。川本氏は「うん、DD20形やな。アプトいちしろ駅からの急勾配区間もあるから、ED90形も間違いなく出るな」と嬉しそうに言った。

「ああ、出るよ。11巻のストーリーには、アプトいちしろ駅でのED90形の連結作業も出てるんや」
「そりゃええ、すると長島ダム駅での切り離し作業も出るわけやな」
「いや、そこまでは描写がないのよ、なでしこが乗る場面だけ」
「なんや・・・」

 かくして第10巻と第11巻に描かれる大井川鐡道の車輌と施設をざっと把握して貰い、続いて参考資料としてコラボイベントの描き下ろしイラストも見て貰った。

 

 つまり、上図の2023年春のコラボキャンペーンにて見かけたイラストである。原作コミックのストーリーとは別の設定で描かれて、御覧のように本栖高校の5人全員が揃っているほか、金谷駅と千頭駅の間の駅も三ヶ所追加され、旧南海の21000系とSLかわね路号の蒸気機関車も描かれるという、豪華で情報量が多い画である。

 これらのうち、原作コミックにも描かれるのはSLかわね路号のみで、第11巻の塩郷吊橋の場面で各務原なでしこ、志摩リン、土岐綾乃の三人が吊り橋を渡っている最中に下を通過してゆくシーンがある。だからSLかわね路号も間違いなくアニメに出るものと思われるが、他はどうであろうか・・・。

「川さん、僕が思うに、これらは原作のストーリーとは関係ないのが多いけど、アニメ3期でこれらの駅とか、南海ズームカーも追加されて登場するよ、という伏線なのかもしれん、と思うんやが・・・」
「あー、その可能性はあるやろうな。大井川鐡道をアニメでどう見せてゆくかの方針次第やろうな」
「まあ、そういうことやな・・・。で、さっきの身延線の313系の話では、2018年以前の様子がアニメ化されているということやったが、大井川鐡道でも同じようなことになるわけなんかな・・・」
「原作コミックの大井川編の連載時期が2019年3月からなんやろ?・・・そんならそれ以前になるやろうな」
「すると、車輌は、いまの状況とあんまり変わらないわけか」
「いや、違うな」
「えっ・・・」
「このかわね路号のSLをよく見てくれ。ホッさんは、たぶんこのSLは見てないと思うな・・・。今までに見たSLのナンバーは覚えているかね?」
「ええと、静態保存も含めたら、C10-8、C11-312、C12-164、C11-227の4輌を見た、と思う」
「やっぱりな・・・、C11-190は見てへんわけやな」
「うん、在籍してるのは知ってるけど、なんでか全然見たことがないのよ」
「トーマスは見たことある?」
「うん、トーマスはこの春にも新金谷の車両区で見たよ」
「それがC11-190やで。トーマスを担当してるんやで」
「あっ、そうなんか、道理で見かけないわけや。そうか、あれが熊本から来て復活したというC11-190やったのか・・・」
「そう。・・・で、この絵(上図)のかわね路号のSLも、C11-190になっとるんや」
「ナンバーはなんかちゃんと描かれていないみたいで読めへんけど、よく分かるな」
「煙突に金色の帯が2本巻いてあるやろ、これはC11-190特有の仕様なんや。C11-190がかつて熊本でお召列車を率いた際の仕様にしてあるんや」
「ふーん」
「で、このC11-190がかわね路号を引いてた時期は、実は限られるんよ。C11-190は確か、2021年の冬からトーマスを担当してるんで、かわね路号を引いてたんは2021年の秋までかな。それ以前は長らく休車状態になってて、一時はバラしてあったらしい」
「えっ、そのバラした、言うのはオーバーホールなわけ?」
「そうや、その前のコロナでかわね路号が休止になってたからね。それ以前はほとんどC11-227がかわね路号を引いてたんで、交替機としてのC11-190が引いてたんは、回数的にもそんなに多く無いの。しかもC11-190は2017年か2018年ぐらいにデフレクター(除煙板)を門司鉄道管理局式のタイプに交換しとるのよ。この絵(上図)やと、デフレクターが通常タイプになっとるやろ、それでかわね路号を普通に担当しとった時期というと、2016年とか、それよりも以前の昔になるかな。俺も一度さ、かわね路号に乗りに行ったけど、確か2013年の夏やったかな、そんときはC11-190が引いてたんよ」
「そんなら、身延線の313系とあんまり変わらんどころか、もっと以前の状況、ということになるわけか」
「かもしれんけど、この漫画の作者さんが、大井川鐡道を取材したのはもっと最近の話なんと違うかね?コロナ前にC11-190がかわね路号で走ってた時期というと2019年ぐらいかな、そのくらいの頃やったんかもな。その頃なら、デフレクターも通常タイプに戻してるよ」
「なるほど・・・原作の大井川編の連載時期が2019年3月からだしな・・・」

 かくして、ゆるキャン原作コミックにおける大井川鐡道の状況が、身延線と同じように現在とは違う、少し以前のそれである可能性が高いことが分かってきたのであるが、アニメ3期でそれがそのまま反映されるのか、それともアニメ制作陣の取材時期が最近に行われてその成果が活かされるのかは、まだ分からない。

 ただ、川本氏は「おそらく、このアニメ化には、災害復興支援の側面もあるんと違うかね?もともと意図していたわけじゃねえだろうけど、たまたま台風災害で不通が出て、それで長く苦しんでるから、それにアニメ化のタイミングが偶然に重なって、その人気で出てくる巡礼の動きがある意味救世主になり得るんじゃねえかな・・・」と指摘していた。
 それは私も同感であるので、アニメ3期のムーブメントが、少しでも大井川鐡道全線復旧を後押ししてくれれば、と切に願う次第である。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャン△の聖地を行く31 その16  鳥居焼とフルーツライン展望所

2023年07月09日 | ゆるキャン△

 花鳥山一本杉公園を13時45分に出て、農道や市道などをたどって北東方向へ進み、尾山から県道34号線に入って、勝沼の上町を目指しました。勝沼は、現在は甲州市勝沼町ですが、かつては東山梨郡勝沼町であり、甲府の歴史観光団体に参加していた時期に参加した見学会で、勝沼館跡と大善寺と福光園寺を回ったことがあります。その際のルートと今回のルートがほぼ重なるので、記憶を頼りに大善寺の方向を目指しました。

 途中の上岩崎にて、右前方に上図の鳥居焼きの山が見えたので、道端が広くなっている所に車を停めて撮影しました。

 

 デジカメの望遠モードで引き寄せて撮りました。確かに鳥居の形ですね。原作コミック第14巻14ページ4コマ目で志摩リンが「ていうか鳥居焼は真後ろにあるし」と示した鳥居焼がこれですが、作中と実際とは位置が異なります。それに、実際には作中の位置から鳥居焼は全く見えません。

 

 県道43号線の上町交差点で右折し、大善寺への道を少し進んで、大善寺の手前にあるフルーツライン入口へ左折、しばらく登って、上図の展望駐車場に行きました。原作コミック第14巻12ページ1コマ目の地点です。志摩リンが各務原姉妹を案内してやってきた場所です。

 

 展望駐車場の北端に車を停めて降りました。時刻は14時7分でした。花鳥山一本杉公園から22分で移動したことになります。

 

 車を停めた横から、登ってきた方向を見下ろしました。この道は塩山フルーツラインといい、北は甲州市塩原、南は甲州市柏尾が起点になりますが、上図の展望駐車場は柏尾の入り口から約300メートルぐらいの所にあります。大善寺を目印にして行くのが分かり易いでしょう。

 御覧のように、道路の山側には高いコンクリート擁壁が続いています。その上には果樹園があるため、鳥居焼は全く見えません。作中ではこの場所が鳥居焼の真下であるかのように描かれていますが、実際には真下ではなくて南にずれていますので、塩山フルーツラインのどこからも見上げることは不可能です。

 

 原作コミック第14巻20ページ1コマ目の地点です。桜さんのラシーンがこの辺りに停めてあり、そして志摩リンが各務原姉妹を見送るのもこの場所でした。

 

 そして、私の場合は、ここが今回の聖地巡礼ルートの最終スポットとなりました。各務原姉妹や志摩リンが夜景を眺めた後に帰路についたように、私も上図の景色をしばらく眺めてから帰途についたのでした。帰りは柏尾から国道20号線バイパスにて、一気に甲府市街へ移動しました。

 

 甲府市街には予定より30分ほど早い15時に着きました。甲府駅北側のガソリンスタンドでガソリンを補給し、15時14分にタイムズさんにレンタカーを返却し、甲府駅へ行ってみどりの窓口にて帰りの切符を買いました。
 その時点で15時42分でしたので、まだ50分ほどの余裕がありました。少し空腹感があったので、ここらで食べておくか、と考えて、駅南口向かいの吉野家で牛丼をいただきました。その後、買い物をして駅に戻りました。

 

 帰りは上図の16時35分発の特急ふじかわ12号を利用しました。終点の静岡には18時55分に着きましたが、それまでの2時間余りは殆ど寝ていました。静岡駅で新幹線に乗り換えて、京都に帰り着いたのは20時44分でした。

 以上で、「ゆるキャン△の聖地をゆく30」の記述を完了し、2023年春の山梨方面(身延・笛吹)巡礼編として括ります。次の巡礼レポートは、本来の計画では今回の山梨ルートの前に行くつもりだった、静岡の伊豆半島を舞台として綴ります。  (了)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

継続高校 T-28中戦車(フェイズエリカ仕様) 作ります!! その5

2023年07月08日 | ガルパン模型制作記

 ステップ11では車体左右のボックスを取り付けます。雑具箱のようです。二種類のパーツから選べるようになっていますが、作中車のそれに合わせてU5、U6を選びます。

 

 実車の写真を見ますと、ボックスが無いのもありますから、状況に応じて積載したりしなかったりしていたようです。ガルパンの作中車は積載していますので、組み立てガイドの指示にしたがいます。

 

 取り付けました。かなり大きなサイズのボックスですが、何を収納していたのでしょうか・・・。

 

 ステップ12では前後の増加装甲を取り付けますが、作中車は増加装甲を付けていませんので、これらのパーツは不要です。

 

 ステップ13では後部ライトカバー、予備転輪、車外装備品類を取り付けます。車外装備品類は塗装後に取り付けます。

 

 ステップ13で取り付けるパーツ類です。後部ライトカバーはエッチングパーツを使います。

 

 組み上がりました。

 

 後部ライトカバーは、作中車に合わせて蓋を開けた状態にしました。

 

 ステップ14では各所の小さな部品を取り付けます。

 

 ステップ14で取り付けるパーツ類です。

 

 組み上がりました。

 

 ステップ15では左右のワイヤー一式を組み付けますが、作中車はワイヤーを装備していませんので、ホールドのA35と基部のA30のみを取り付けます。ステップ16では二基の小砲塔を組み立てます。

 

 ステップ15で取り付ける、ホールドのA35と基部のA30です。

 

 取り付けました。

 

 車体前端のホールドの取り付け状況です。

 

 ステップ16で組み立てる二基の小砲塔のパーツ類です。

 

 組み上がりました。武装は7.62ミリ機関銃ですので、砲塔というより銃塔です。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャン△の聖地を行く31 その15  花鳥山展望所・リニアのみえる丘公園

2023年07月07日 | ゆるキャン△

 ゆるキャンの聖地のひとつ、花鳥山一本杉公園は、現地に行って初めて分かるのですが、二つの公園から成っています。笛吹市の公表資料類では、昔から桜の名所として知られる「花鳥山一本杉」と、平成28年にリニア実験線の展望所として新設された「花鳥山展望所」とを、ともにひとつの公園地域として扱い、これに「花鳥山一本杉公園」の名称をあてています。さらに「花鳥山展望所」を、資料によっては「リニアの見える丘公園」とも称していて、捉えようによっては三つの園地があるようにも思えて紛らわしいものがあります。

 ですが、現地に案内標識がほとんど見当たらず、公園マップの案内板も無いため、「花鳥山一本杉」と「花鳥山展望所」が約50メートル、比高にして約20メートルも離れていることが分かりにくいです。原作コミックでもその状況を示す描写はなされていないので、「花鳥山一本杉」と「花鳥山展望所」が同じ場所にあると思われがちです。

 

 ですが、志摩リンのベンチのある「花鳥山展望所」へは、「花鳥山一本杉」の駐車場の北側から、上図の農道を約50メートル下っていく必要がありました。上図ではあまり感じられませんが、比高20メートルを一気に下る感じの、かなりの急傾斜面の道です。上図奥に電柱が見えますが、その右手が駐車場の位置です。

 

 農道を下りきって右手に、上図の「花鳥山展望所」がバッと開けたところに見えてきました。「花鳥山展望所」の左奥にリニア実験線のアーチ屋根が見えました。つまり、ここが「リニアの見える丘公園」でもあるわけです。

 

 同位置から北西側を見下ろすと、そのまま原作コミック第14巻39ページ3コマ目のアングルでした。二つあるベンチの左側が、志摩リンの居たベンチでした。

 

 やっと位置を突き止めたので、次にとる行動はひとつしかありませんでした。とにかく志摩リンのベンチへと向かいました。

 

 確かにここですな。原作コミック第14巻41ページ3コマ目のアングル。付近に桜の木は見当たりませんでしたから、見えるのはリニア実験線のみ、まさに「リニアの見える丘公園」でした。「花鳥山展望所」の名称はどう考えても一本杉のほうと混同されるなあ、と思いました。

 

 ここに志摩リンが座っていたのですか・・・。というか、こんな分かりにくい位置にあるこのベンチに、よく夜中に来たもんだなあ、と感心してしまいました。現地への道は分かりにくいので、車で行ったら迷ってしまいがちですが、志摩リンは原付のビーノで小回りもききますから、細い農道もスイスイ通ってここにやってきたのでしょう。

 

 同じ位置に座ってみました。もう最高ですな。記念の自撮りの時にも、テンション上がりまくりで、嬉しさのあまり笑いを堪えきれず、この状態でした。客観的に見ますと、ただのアホなオッさん、もしくは不審人物に見えるでしょうが、これが聖地巡礼を楽しんでいるゆるキャンファンの普段の姿です。

 

 園地を一周して戻る時に、上図の景色を見つけました。原作コミック第14巻41ページ2コマ目のアングルです。この園路を山側へ少し登ると、東屋があり、さらに進むと小さな駐車場があります。志摩リンはビーノをその小さな駐車場に停めた可能性かありますが、その描写は無く、帰路は42ページ3コマ目のように一本杉エリアの広い駐車場から南への坂道を登って行くシーンでしめくくられていますので、私がレンタカーを停めた広い駐車場のほうに、志摩リンもビーノを停めたのかもしれません。

 

 ということは、「リニアの見える丘公園」のベンチから「花鳥山一本杉」の駐車場への最短ルートである上図の急な農道を志摩リンも私と同じように行き来していたのかもしれません。

 

 そして志摩リンはビーノに乗って、上図の原作コミック第14巻42ページ3コマ目のアングルで、花鳥山一本杉公園を後にして南へ走り去るのでした。

 南へ行ったということは、富士五湖方面へ峠越えのルートで帰ったということになるのでしょうか。おそらくは国道358号線で精進湖の脇に出て、本栖湖の北からいろは坂を経て古関の自宅へ向かったのでしょうね・・・。  (続く)  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャンから始めたNゲージ その6  アニメゆるキャンに登場する鉄道車輌

2023年07月06日 | ゆるキャン△

 Nゲージのゆるキャン車輌を初めて走らせて楽しんだ翌日は、休みだったので、昼にもう一度レールをつないで走らせて楽しんだ。やっぱり模型が動いているのはいいなあ、と改めて思った。

 そのうちに、ゆるキャンのアニメに出ている鉄道車輌の勇姿をもう一度確かめてみたくなり、本棚からDVDを取り出して視聴をはじめた。実際にゆるキャン車輌が走っている天竜浜名湖鉄道の姿を、とりあえず探した。

 

 天竜浜名湖鉄道がゆるキャンアニメに登場するのは2期の第3話からである。正月に浜名湖佐久米駅近くの湖畔の祖母の家へ遊びに行く各務原なでしこが、気賀駅前で大判焼きを買って列車に飛び乗るシーンから始まる。その大判焼きは気賀駅前に実在するお店の大判焼きがモデルで、実際に巡礼ファンが殺到して大人気となり、聖地スポットの一つとして定着したことは周知の通りである。

 

 気賀駅に停車した天竜浜名湖鉄道の新所原行きTH2000形気動車は、御覧のとおりノーマル塗装の車体であり、各務原なでしこが飛び乗って浜名湖佐久米駅まで行くのもこの車輌である。なでしこは浜名湖佐久米駅にて志摩リンと合流し、駅ホームでカモメの群れを見物するが、その時に新所原発の列車が来てカモメの群れが飛び立つ有名なシーンがある。そのときの車輌も同じノーマル塗装の車体である。

 つまり、実際に聖地巡礼で天竜浜名湖鉄道に乗るとよく見かける複数のラッピング車輌は、アニメには一切出てこない。地元企業の広告ラッピングの車輌が殆どなので、それらをアニメに出すのは色々と差し障りがあるのだろう。

 ところでこのTH2000形気動車は、鉄道模型のNゲージ規格においては2種類がトミックスから商品化されている。いずれも実在するアニメラッピングであり、1種類はエヴァンゲリオン、もう1種類が私が走らせて楽しんでいるゆるキャンのデザインとなっている。
 そしてアニメに出ていたノーマル塗装の車輌は、川本氏も指摘していたように、なぜか商品化されていない。そのことに川本氏は不満があるようだったが、私はそこまで深刻に考えず、今後いつかは発売される可能性もあるだろう、と思うにとどめている。

 

 ゆるキャンのDVD視聴を続けているうちに、そういえばJR身延線の列車もアニメに出ていたな、と思い出してその場面を探した。確か1期の第8話で野クルの三人が身延駅前のカリブーへ行く際に乗ってたな、とその箇所をひっぱって視て、上図のシーンにあたったのであった。

 この車輌はJR東海の各路線で使われている313系で、実際に今でも運行している。私自身も聖地巡礼で何度か乗っているが、身延線だけでなく、浜松や掛川や三島などから東海道線を利用する際にも大抵この313系に乗っている筈である。川さんなら更に詳しく知ってるだろうな、と思いつつ、携帯電話に手を伸ばしてかけてみた。

「身延線の313系?ああ、確かに313系やな。JR東海の近郊形電車の主力や」
「特急ふじかわもそうだよな?」
「いや、違うで、ふじかわは373系や、外装も内装も全然違うで」
「そうなのか、見た感じでは同じに見えたんやけどな・・・」
「そりゃ、ホッさんは全然詳しくないんやから、違いなど分からんと思う。313系の違いだって見分けがつかんやろ?」
「313系の違いって何?・・・313系といったら313系一種類じゃないのん?」
「一種類どころか、沢山あるで。身延線の313系は、ええと、俺の知る限りでは5種類やったかな・・・」
「ええ、5種類もあるんか・・・、実はゆるキャンに313系が出てるんやけど、5種類のうちのどれかってのは、川さんは分かるの?」
「当然や。見れば分かる。・・・俺も休みなんで、今からそっち行くわ」

 川本氏は同じ京都市内に住んでいて、バイクで通勤しているため、休みの移動も大抵はバイクだそうである。だから数キロの距離もあっという間である。実際、玄関のチャイムが鳴ったのは、電話を切ってから28分後の事であった。

 

 早速、二人でモニターの前に陣取って、上図の場面を視た。視た瞬間に、川本氏は「身延線の3両編成なら、2500番台か2600番台。どっちかやな」と即答し、「このアニメは車両をちょっと実際とは違うふうに表してるけどな」と付け加えた。視てから3秒も経たなかった。私は呆気にとられた。

「・・・2500とか、2600とか言うのは型式番号なんか?」
「うーん、型式ってのは313系のほうなんで、厳密にはその区分になるかな・・・。つまり、313系という形式番号の車両のやな、性能とか設備とかが製造時期によって変えられたり改良されたりしているのに応じて分けるというか、そういう番号の区分やな・・・」
「するとあれか、戦車で言うと、Ⅳ号戦車のD型とかF型とかH型とかいうのに近いわけか?」
「ああ、戦車のことはよく知らんが、要するにバージョンというかバリエーションというか、そういう区分であるのなら似たようなものになる」
「そうか・・・、身延線の313系って、5種類もバージョンがあるのか・・・」
「俺の情報によれば、正確には冬季限定を含めて6種類や。身延線で運行しとる313系は静岡車両区の所属やから、身延線に配されてるのは、古い順に2300番台、2350番台、2500番台、2600番台、3000番台・・・、あと3100番台か。あと塗装が全く違う8000番台もあったと思うが、これは例外なんで、普通に身延線で通常運行してるんは3100番台までの6種類かな」
「その6種類とも見分けがつくんかね」
「ああ、内装の、例えばシートの形状で2つのグループに分けられる」

 

 川本氏は、上図のシーンを見るなり、「おおー」と言って指さした。
「見ろ、ロングシートや。間違いない。これの3両編成は2500番台か2600番台や、どっちかになるな。身延線では2300番台から2600番台までの全車がロングシートなのよ。あとの3000番台、3100番台はセミクロスシートやから違いは一目瞭然や。で、ロングシートのうち、2300番台、2350番台は2両編成なんで、3両のは2500番台と2600番台しかねえ」
「なるほど・・・、2500番台と2600番台の違いは見分けられるのか?」
「このアニメではちょっと無理やな。基本的には見た目での違いというのは殆ど無いんで、ダイナミックブレーキの抵抗器が装備されているかどうか、なんや」
「ダイナミックブレーキ?電気モーターの回生ブレーキのことか?」
「厳密にはちょっと違う、電気ブレーキのほうで、発電ブレーキとも呼ぶ」
「ふーん」
「それが装備されてるのが2600番台。無いのが2500番台。せやから同じ身延線でも、2500番台は西富士宮までの運行になってるんやなかったかな・・・。たぶんそうだった筈。それで正しいのならば、身延線の身延駅とかに停まるんは、ダイナミックブレーキの抵抗器が装備されてる2600番台、ということになる」
「するとこのアニメの313系は2600番台なわけか」
「そう考えて間違いないと思う」

 

 続いて2期の第8話にて上図のシーンを探しだし、「これも身延駅に停まってるから2600番台なわけやね?」と訊いたら、川本氏は「いや、これは違う。2350番台や」と即答した。私は再び呆気にとられた。

 

「なんで分かるの?」
「パンタグラフをよく見てくれ。車輌の屋根の前についてるやろ?」
「うん」
「これは、後ろにももう一つパンタグラフがついとるのよ。霜取りパンタというやつがな。ダブルパンタなわけ。で、ダブルパンタは2両編成にしか無いのやで」
「ふーん」
「身延線の313系で2両編成で、かつダブルパンタなのは2350番台、3000番台、3100番台やけど、3000番台のは後からの増設が多くて標準装備じゃねえのよ。さらに見分けるポイントは、この女の子(各務原なでしこ)の冬服っぽいスタイルや。でっかいマフラー巻いてるし。このアニメのストーリーの季節は冬なのか?」
「ああ、冬や。時系列的には冬休みが終わって学校が始まった頃や」
「なら間違いない。身延線で、2両編成でダブルパンタで冬季限定で運行されとったのは2350番台しかねえ」
「運行されとった・・・?・・過去形かね?」
「ああ、現在は冬季限定とかの運行はもう無くなってるし、2350番台の運行も過去の事やからな。いまなら、身延線のダブルパンタ2両編成は一年を通じてたいてい3000番台か3100番台のはずやからな」

 

「そういえば、ゆるキャンの聖地巡礼で山梨行って身延線に乗り始めたんが、2018年からなんやけど、乗った列車はみんなセミクロスシートやったんよ」
「そうや、ホッさんが乗ってたのは、3000番台、3100番台やろうな。現在の身延線の313系はもうそっちが主力なんやからな」
「確かに、このシーン(上図)のようなロングシートは一度も乗った事が無いな。するとロングシートである2600番台までの列車には一度も乗ったことが無いってことになるな」」
「せやろ?その筈や。ゆるキャンのアニメは、2018年1月からと聞いたけど、原作とかはもっと前やろ、アニメの取材かて2018年よりはずっと前の筈やから、その時点での身延線の313系の運行状況が反映されてくるわけやな。まだロングシートの2600番台までがメインで運行しとった頃のな・・・」
「つまり、このアニメは、2018年以前の身延線の313系の様子なわけか」
「そう考えて間違いないと思う」
「なるほど・・・、やっぱり現在とはちょっと違うわけなんやな・・・」

 すると、大井川鐡道のほうも、似たような状況になるんだろうか、と疑問が湧いた。早速川本氏に話しかけた。  (続く)  

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

継続高校 T-28中戦車(フェイズエリカ仕様) 作ります!! その4

2023年07月05日 | ガルパン模型制作記

 ステップ7では車体各所の部品を取り付けます。足回りの装甲板と通気グリルが中心です。

 

 ステップ7で組み付けるパーツ類の一部です。エッチングパーツも少なくありませんが、大半は完成後は見えなくなりますので、取り付ける意味があるのかな、と一度は首を傾げました。ですが、基本的に組み立てガイドの指示通りに進めていますので、とりあえず従ってゆきます。

 

 前照灯が組み上がりました。ソ連軍の戦車の幾つかに付いているので、これを見るとソ連の車輌だな、と思います。ライトに起倒式のカバーが付く形式で、上図はカバーを起こしてライトを出している状態です。

 

 組み立ての前半が完了しました。続いて残りのパーツを組み付けます。

 

 残りのパーツは左右側面のスカートのみでした。貼り付けて仕上げましたが、写真画像を撮り忘れました。

 

 ステップ8では車体の増加装甲パーツや上部転輪などを組み付けますが、増加装甲パーツは作中車に見えませんので不要です。

 

 それで、組み立ては上部転輪をメインにして、細かいパーツやエッチングパーツも取り付けます。

 

 エッチングパーツの組み付けの途中の様子。瞬間接着剤が必要ですが、ピタッとストレス無く接着出来たためしがありません・・・。

 

 エッチングパーツは本当に難しいです。私自身、エッチングパーツは苦手なので、可能な限りプラ材に置き換えてしまいますが、今回は一切プラ材への交換をしませんでした。

 

 上部転輪が組み上がりました。

 

 ステップ9では履帯を組み立てます。ステップ10では左右のフェンダーを取り付けます。今回のキットは、履帯を別に保管して塗装後に組み付けるのが難しいため、履帯の上半分は組み付けることにしました。

 

 連結式の履帯の組み立ての様子。今回はパーツが大きいために扱いやすく、繋ぎ易かったので、普段なら感じる筈の苦手意識をあまり覚えませんでした。

 

 履帯は、上図のように四つに分割しておいて、上部の転輪に接する部分だけを最初から組み付けて接着固定しました。左右フェンダーの取り付けが、履帯を付けていないと無理であるからです。ただ、全部の履帯を取り付けてしまうと塗装が大変になるので、必要最低限の部分だけを車輪に巻き付けて接着しました。

 

 履帯が組み上がりました。上部のみ取り付けて、下部の履帯は三分割の状態で塗装段階まで保管しておきました。

 

 ステップ10で組み付けるパーツ類です。

 

 左右のフェンダーを取り付けました。

 

 フェンダー上の数個のステーはエッチングパーツでした。これらを接着するためにも、左右のフェンダーは取り付けないといけなかったのです。上部転輪との間がギリギリなので、履帯を塗装して後から組み付けるのは不可能であり、それで履帯の上部とフェンダーをセットで組み付けたわけでした。

 

 それにしてもホビーボスさんはエッチングパーツが好みなようで・・・。タミヤだったらこういったステー類はモールドで表現してくるでしょうから、作業も楽なのですね・・・。  (続く)

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャン△の聖地を行く31 その14  花鳥山一本杉公園

2023年07月04日 | ゆるキャン△

 笛吹市八代ふるさと公園の次は、花鳥山一本杉公園に行きました。八代ふるさと公園の北の花鳥山丘陵の先端に位置し、八代ふるさと公園とは境川が流れる谷地形で隔てられています。

 13時12分に八代ふるさと公園を出て南の道を東へと進み、四ッ沢川に架かる四ッ沢大橋を渡り、南東方向へ道なりに進んで大きく曲がって北東に進み、ひたすら直進しました。付近に標識や看板は一切無く、やがてリニア実験線の高架の下をくぐったのが唯一の目印でした。
 リニア実験線の下をくぐると道は東に曲がり、登り坂になりましたが、少し走ってその登り坂が緩やかになり、やや下り気味にもなってきたところで、上図の標識を右側に見つけました。そのまま右折し、いったん停止して上図の写真を撮りました。

 

 それから急な登り坂を進んで上図の広い駐車場に着きました。ここが花鳥山一本杉公園の駐車場で、展望所をも兼ねる広いスペースを有していました。車を停めて降りて、時計を見ると13時25分でした。八代ふるさと公園から13分で移動したわけです。
 この花鳥山に来るのも初めてではありませんので、なんとなく地形や道を覚えていて、かすかな記憶のままに道をたどって、迷うことなく到達したという感じでした。

 この花鳥山一本杉公園が、原作コミック第14巻39ページ1コマ目に、志摩リンの立ち寄り先として描かれます。各務原姉妹とフルーツライン展望所で別れた後の帰宅途中に、ここの見事な夜桜を見に行き、ベンチにて「南部井出キャンプ場」に泊まっている大垣千明とメールでやり取りしています。上図のアングルが、原作コミック第14巻39ページ1コマ目のそれです。

 

  この花鳥山一本杉公園の中心部の桜並木の一帯は、神社というか神域であるようで、上図の鳥居が建てられていました。最初は何かの祠を祀っているのかと思いましたが、それらしき建物は見当たりませんでした。

 平成7年春に、甲府の歴史観光団体の見学会でここへも訪れたのですが、記憶にあるのは見事な桜並木の姿のみです。見学地はもう少し上にある花鳥山遺跡だったので、たぶんこの一本杉公園は通過して桜並木を見ただけで終わったのだろうと思います。

 

 祠はありませんでしたが、神域のほぼ中央のやや高い所に上図の立派な杉の老樹が聳えていました。しめ縄が巻かれて周囲に結界標が打たれてありましたので、この杉こそが花鳥山の一本杉そのもので、御神木として昔から崇められてきたもののようです。

 

 一本杉の脇に立ててあった案内板です。江戸期の時点ではこの杉の老樹の下に日本武尊と浅間明神とを祀っていたことが知られますので、やはりここは神社としての歴史を有していたわけです。

 

 神域は御覧のように桜並木の下に覆われています。西から南にかけて約180度に展望が開け、甲州盆地や八ヶ岳を望む事が出来ます。八代ふるさと公園よりも高所にありますから、景色もそれだけ広がりがあって楽しめます。上図の奥に駐車場の一部が見えており、白っぽくみえる車が私が今回利用したレンタカーです。

 

 ここも桜が咲き始めていました。六分咲き、いや七分咲きでしょうか。満開よりもこちらのほうが風情があって個人的には気にいっています。

 

 神域から駐車場へと戻る途中の景色にも既視感がありました。原作コミック第14巻39ページ2コマ目のアングルでした。作中で志摩リンが大垣千明とメールのやり取りをしている場面ですので、最初はこのあたりのどこかにベンチがあって、志摩リンはそこに腰かけてスマホを操っていたのだろうな、と考えたのですが・・・。

 

 実際には駐車場のどこにもベンチは無く、駐車場の周囲は御覧の通りの草薮の傾斜面のみでした。あれ、志摩リンが立ち寄った公園のベンチは場所が違うのかな、と思って、しばらく駐車場から道を登って花鳥山の方向に行ってみたりして探し回りました。

 

 御覧のように西を見ると、リニア実験線が右手下に見えました。志摩リンが居たベンチは、そのリニア実験線のすぐ横という感じの位置にあるようなので、たぶん公園の飛び地というか、展望所エリアがもう少し下にあるのではないか、と考えました。
 
 そこで、現地の地形を確かめるべく、タブレットにグーグルマップを出してみたところ、私が居る駐車場からほぼ北側の約50メートル地点に「花鳥山展望所」の記号があるのが確認出来ました。ただ、一本杉の神域からの比高が約20メートルもあるのには驚きました。
 そんな下方にあるのならば、駐車場からは草薮に遮られて見えないわけだ、と納得し、駐車場の北側のすぐ左に下へ降りる狭い農道があるのを見つけ、降りてゆきました。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャン△の聖地を行く31 その13  古墳のある景色

2023年07月03日 | ゆるキャン△

 笛吹市八代ふるさと公園は、ゆるキャン聖地の一つとして原作コミック第14巻24ページから26ページまでの3ページにわたって登場し、夜に各務原姉妹が桜花見ドライブの帰りに立ち寄った場所として描かれます。上図のアングルも、24ページ4コマ目に描かれます。

 各務原なでしこが車中にて大文字焼の写真を撮っていたので、もっとよい写真が撮れる場所へ行こうと桜さんが連れて行ったものと思われます。確かに一帯ではもっとも高所にあり、甲州盆地を一望出来る開けた場所で、かつ古墳の上に登れば最も高い撮影位置が確保出来るからでしょう。桜さんも、こういう場所を知っているほどに山梨県のあちこちをドライブして回っているのだろうな、と思います。

 

 盃塚古墳の横だけでなく、公園の東側から南側にかけても桜並木があり、御覧のように満開直前の状態でした。しかし、あまり花見客は来ておらず、地元の老人の散歩姿、子供連れの若夫婦が数組いて子供たちを遊ばせている姿、のほうが目立ちました。

 

 各務原姉妹が、最も高い位置から大文字焼を撮ろうとして、上図の古墳に登りましたので、それにしたがって同じように登ることにしました。

 この古墳は「銚子塚古墳」と呼ばれ、山梨県内でも屈指の規模を有する前方後円墳として知られます。規模は、全長92メートル、後円部径48メートル、前方部幅41メートルを測ります。標高はおよそ422mで、甲府盆地をほぼ180度見渡せる絶好の場所に立地しています。相当な上位の首長クラスの墓とみられます。昭和63年(1988)年に山梨県指定の史跡となりました。甲府市下曽根町に所在する同名の「銚子塚古墳」と区別するため、正式には現地の字名「岡」を冠して「岡・銚子塚古墳」と呼ばれます。

 

 この古墳も、平成7年春に甲府市の歴史観光団体の見学会で初めて訪れた時には、現在のような綺麗な修景整備された状態ではありませんでした。その前の平成3年(1991)から二年ほどの期間で発掘調査が行われて、初めて古墳の墳端の位置、周溝の範囲や形態、主体部の位置や構造、葺石に覆われた墳丘面などが確認されましたので、それらをいったん埋め戻して仮保護するべく、全体的に薄く土をかぶせ直した状態でした。墳丘そのものも、長年の風化浸食による変化で低くなっていた筈です。

 なので、今回の印象は「ずいぶん背が高くなったな」でした。後円部の最上段部分が復元されて高くなっているからでした。でも、これが四世紀に築造された当時の姿であるわけです。

 

 原作コミック第14巻25ページ1コマ目のアングルです。墳頂に四人の人影が見えましたが、作中では同位置に各務原姉妹が陣取って、大文字焼を撮影しています。が、撮れたのは大文字焼きではなくて「オ文字焼き」でした。角度的に斜めになるからでしょう。

 

 墳頂に登りました。そしてやや右手、北東方向を見たのが上図です。原作コミック第14巻26ページ4コマ目のアングル、つまりは各務原姉妹の視点です。古墳の大きさもリアルで分かりますし、北に隣接する盃塚古墳も見えます。

 御覧のように、公園の北側にも小さな駐車場がありますが、その左手、上図では切れてしまっている尾根上にベンチが配されたなだらかな芝生地がありました。あのへんでランチにするか、と思いついて、南側の駐車場へいったん戻ってレンタカーに乗り、公園の外周の道をぐるっと回って、上図の北側駐車場に停めました。

 

 そして近くの尾根上のなだらかな芝生地に座り、「パンピオロジック空我」で買ってきたパン類のランチを楽しみました。

 

 「パンピオロジック空我」のパンはマジうまでした。3個とも景色を眺めつつ美味しくいただきました。

 

 カフェラテも、この景色とゆるキャン聖地の雰囲気と、「パンピオロジック空我」のパンと共に飲みますと、なぜか最高の味わいになりますね・・・。

 でも、この景色、故郷の奈良県の大和盆地のそれに似ていますね。天理市域に多数分布する古墳群の幾つかは、ここと同じように上に登って景色を見渡せるところが多いです。似たような感じ、雰囲気だったな、と思い出しました。

 それで、なんとなく、「やまとは、くにのまほろば、たたなづく、あおがき、やまこもれる・・・」と、若い頃に奈良の古墳の上で景色を愛でながら口ずさんだ、倭建命の国想歌を久しぶりに呟きました。  (続く)

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆるキャンから始めたNゲージ その5  ゆるキャン車輌の初走行

2023年07月02日 | ゆるキャン△

 基本のレールセットが出来たので、いよいよゆるキャン車輌を走らせる事にした。嫁さんも家事や風呂をササッと済ませて、興味津々で横に座っていて「さあー、初めての運行ですよー、なんかワクワクする、嬉しくなるー」と、私の気持をそのまま代弁してくるのだった。

 

 箱から取り出して、手のひらに置いてしばし見つめた。これの実車に何度も乗って、本当に楽しかったのを思い出しつつ、ラッピングデザインの細部まで精巧に再現された、造形クオリティも高い精密なNゲージ車輌のフォルムを端から端まで見渡した。本物と同じように前後のライトも光るのだなあ、と前照灯および尾灯ものぞきこんだ。確かにライト部がクリアパーツになっているのを、初めて知った。

 

 説明書の通りに、リレーラーと呼ばれる青い長いスロープ状のプラ板の上に車輌を乗せて、ゆっくりとレールの上に移動させた。リレーラーの表面にレールにつながる溝がついていて、車輌の車輪がそれに沿ってレールにスムーズに乗せられるという仕組みである。

 なるほど、直に置くと車輪がレールにしっかりと合わなかったり、ズレたりして、車輪やレールを痛めてしまうこともあるから、リレーラーで滑らせて確実に線路に「入線」させるわけなのだな、と納得した。嫁さんもリレーラーの何たるかを初めて知ったようで、リレーラー本体を手にとって「こんな便利なツールあるんですねー」と感心していた。

 

 続いて説明書の通りにパワーユニットをセットし、D.C.フィーダーNと呼ばれるコードをパワーユニットからレールに接続した。これによって電気がレールに送られて、その電気をパワーユニットによって制御して車輌を走らせたり止めたりするわけである。

 このパワーユニットは、トミックスから出ている各種の製品のなかでは、初心者向けの最もシンプルなタイプだそうである。川本氏によれば「走らせるだけの機能のみ」しかないそうである。本格的なパワーユニットになるとポイント切り替えスイッチなどが接続出来たり、音楽や走行音のサウンドが再現出来たり、実際の運転席のようなマスコンやブレーキレバーが付いたりするそうである。

 私のはただ回るだけのレイアウトであるから、このパワーユニットで充分なのだろうが、仮に今後レールを追加してポイントも加えるのであれば、ポイント切り替えスイッチなどが接続出来るタイプのパワーユニットが必要になってくるだろう。そのときになったらまた考えよう、と思った。

 

 パワーユニットの電源スイッチをオンにした。緑色のインジケーターランプがパッと点灯した。思わず、オーと声が出てしまったが、横の嫁さんも同じように「おおー」と呟いて口元に寄せた両手で小さくパチパチしていた。

 

 続いて、スピードコントロールダイヤルをSTOPの位置からゆっくりと右に回した。これでレールに流れる電気の量および電圧を調節するわけであるが、川本氏に教わったところによれば、車輌を安定走行させるには直流12V程度の電圧が使われるそうだが、上図のパワーユニットは初心者向けの10Vクラスである。

 本格的なパワーユニットでは、最大電圧が14Vから16Vくらいはある製品もあるそうだが、実際の運転では12Vの半分程度の電圧で十分な速度が出るから、10Vクラスでも充分なのだ、と教えてもらった。つまりは6Vから5Vぐらいで事足りるわけであるが、スピードコントロールダイヤルは半分ぐらいまで回せば良いのか、と考えてゆっくり回すと、半分もいかないうちにするするとゆるキャン車輌が動き出したのであった。

 

 実に感動的な瞬間であった。本当にライトも点いていて、視点を低く床に寄せれば本物と大して変わらないであろうリアルさであった。何よりも動いているのが、実にグッとくる。川本氏があれだけ「走るんやぞ」と熱っぽく繰り返していた気持ちがよく分かった。嫁さんもテンションが上がって、スマホを近づけて撮影しはじめた。

「動きましたねー、走ってますねー」
「うん」
「動くのに、一年近くもずっと飾ったままでしたもんねー、川本さんが勿体無いと言うたのも、分かりますねー」
「うん・・・」
「鉄道模型って、走ってるのが当たり前なんですよねー」
「うん」
「私たちのプラモデルは、ガンプラも戦車も軍艦も、基本的に動かないですからね、動いてるのが新鮮に見えちゃいますー」
「同感やな・・・」

 

 上図ではちょっと分かりづらいが、尾灯もちゃんと赤く点いていた。いったん止めてから、パワーユニットのディレクションスイッチを反対に入れて、車輌の走る向きを変えて走らせると、ちゃんとライトの前後関係も変わって後ろの尾灯が赤く光るのであった。ライトの配線とかはどういう構造になってるんだろう、と電気関係の知識は全く無い空っぽの頭を傾げたことであった。

 嫁さんが「多分、レールに流れる電気のプラスマイナスが逆になると、ライトの前後関係も逆に切り替わるんでしょうね」と話していたが、その通りだな、と頷いた。
 以前に川本氏に、「レールにプラスとマイナスの電流が流れて、その電気が車輌のモーターにいって回すのだが、このプラスとマイナスの電流を逆にすればモーターも逆に回るわけ。つまり車輌は反対方向へ進むわけ。同時にライトが点く車輌はライトも逆になるんや」と教わったのを思い出した。

 

 それからは、しばらくの間、嫁さんとコーヒーを飲みつつ、走っているゆるキャン車輌をずっと眺めていた。何分経っても、全然見飽きないのであったが、つまりは楽しいわけであった。そのことに気付いた瞬間、私はある意味愕然とした思いにかられた。

 どうやら、これは今後しばらくは楽しく続きそうだな、と悟ったのである。川本氏は「鉄に目覚めんだな」とか言っていたが、その通りになっていきつつあるようだ、と苦笑した。
 嫁さんにそのことを言うと、「ええんじゃないですか?・・・私もこういうの嫌いじゃないし・・・。こういう模型にも、ある程度は熱中しといたほうが、後々のためになるかもしれませんよ?」と笑いつつ返してきたのだった。

 後々のため、とはどういう意味かと問い返そうとして、止めた。何となくではあるが、Nゲージに少しだけハマってみることで、確かに見えてくるもの、学べる世界の広がりが、間違いなくあるんだろうな、と感じたからである。  (続く)

 

コメント (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする