「2050年文明崩壊説」ともっと怖い“近未来” 気候変動&人口増加で「食料戦争」勃発!「今と同様の生活は維持できない」
7/1(月) 16:56配信
夕刊フジ
「2050年までに人類文明が崩壊の危機に直面する」と予測したシンクタンクのリポートが波紋を広げている。世界の人口の半分以上が命の危機にさらされ、10億人が故郷を追われるという暗黒の未来が30年後に訪れるというのだ。専門家は、気温上昇など根拠となるデータに疑問を呈するものの、安心していいわけではできないという。別の理由で近い将来、人類最大の危機に見舞われると警鐘を鳴らしている。
リポートを公開したのはオーストラリアの独立系シンクタンク「ブレークスルー」。2050年までに温暖化などの気候変動によって、自然環境や人類文明に悪影響を及ぼすシナリオを分析した。
リポートでは、50年までに平均気温が現在との比較で3度以上の上昇となると予測する。1・5度上昇しただけで西南極(南極大陸の西半球部分)が溶け出し、2度上昇すればグリーンランドの氷床が溶け始める。さらには2・5度上昇した場合、永久凍土も融解すると分析している。
南米のアマゾンでは、干魃(かんばつ)が発生し、木が立ち枯れる。そして北半球の上空を流れる偏西風の不安定化などがアジアや西アフリカなどの季節風に影響し、北米でも野火や熱波などに見舞われるという。
その結果、陸地の35%、全人口の55%が年間20日以上、生存に関わる熱状態に襲われるうえ、食料生産量が減少し、水不足も発生する。海面上昇の影響によって、10億人以上が他の地域への移動を強いられると予測。「このシナリオは、人類と自然との関係性に恒久的な変動を誘発するだろう」と締めくくられている。
おぞましい近未来を予測したリポートについて、「根拠となるデータが示されていない」と指摘するのは、環境史や地理学に精通する立命館大学環太平洋文明研究センター教授の高橋学氏。
「2050年にこうなると書かれているが、過去の話は書かれていない」といい、「温度計などが世界に流布するのは日本の明治時代以降で、『観測史上』といってもこの150年ほどに限られている。戦国時代から江戸時代末期までは特に『小氷期』と呼ばれる世界的な寒冷期であり、明治時代以降はその回復期にあたる。さらに過去2000年間をさかのぼると、寒冷化や温暖化を繰り返している」と解説、長期的な視点で気候変動をとらえる必要があると主張する。
高橋氏はまた、「温暖化がある程度進行して南極などの氷河が溶けた場合、冷たい水が海に流れ込むことで、逆に急激な寒冷化が進むとの研究もある」と疑義を挟む。
地球温暖化による文明崩壊危機説には否定的な高橋氏だが、その一方で、リポートが指摘するような気候変動がなくても、近い将来、人類文明を危機が襲う恐れは十分にあるとみる。
「いまから10年後くらいから、食料を奪い合う戦争が世界各地で起きる可能性がある」と強調し、こう続けた。
「世界の人口は約76億人といわれるが、年間8000万~1億人ずつ増えているとみられる。二十数年後には100億人に達するが、地球上にはエネルギーベースで100億人分の食料しかないとの推計がある。発展途上国で餓死が増えることも予想されるが、先進国でも食料自給率が3~4割と低い日本や韓国が特に危ない。少なくとも今と同様の生活は維持できないと思った方がいい」
暑くなっても寒くなってもお先真っ暗か。
インド、熱波の死者100人超す 温暖化進めば生存の限界に到達も
7/4(木) 13:28配信
CNN.co.jp
(CNN) インドでこの夏の猛烈な熱波のために死亡した人が100人を超えた。今後数年で猛暑は一層の過酷化が予想され、人道危機を招く可能性や、国土の相当部分が暑すぎて居住不可能になる可能性も指摘されている。
インドは例年、3月~7月にかけて熱波に見舞われ、モンスーンの雨季が到来すると猛暑は和らぐ。しかしここ数年で猛暑は一層過酷化し、頻度も増して長期化する傾向が続いていた。
国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、インドは気候変動による最悪の影響が予想される国のひとつ。
マサチューセッツ工科大学(MIT)の専門家によれば、たとえ世界が二酸化炭素の排出削減に成功し、世界の平均気温上昇を抑えることができたとしても、インドの一部では気温の上昇によって人が生存できる限界に近付くことが予想される。
インド政府は各地の気温が平年を4.5度以上上回る日が2日以上続くと熱波を宣言する。平均気温を6.4度以上上回る日が2日以上続けば「猛烈な」熱波になる。
熱波の基準は地域によって異なり、首都ニューデリーでは45度以上の日が2日続くと熱波宣言が出る。
昨年、熱波宣言が出された回数はインド全土で484回を数え、2010年の21回に比べて激増した。この期間の死者は5000人を超えた。
猛暑は今年も続き、ニューデリーでは6月として過去最高の48度を観測。首都西部のラジャスタン州チュルでは50.6度の記録的な最高気温を観測した。
貧困層の多いビハール州では猛暑のために100人以上が死亡、学校や大学などが5日間にわたって休校になった。気温の高い日中は屋内にとどまるようにという警報は、生計のために屋外で働かなければならない何百万人もの住民にとって、非現実的な指示だった。
こうした事態は一層悪化する見通しだ。インド熱帯気象研究所の専門家は、「今後の熱波はインド全体をのみ込むだろう」と予測する。
MITの研究チームは、南アジアの生存可能性に対する熱波の影響を調べる目的で、IPCCが描いたシナリオに基づき、世界の平均気温が2100年までに4.5度上昇した場合と、2.25度上昇した場合の影響を予測した。いずれも、気温上昇を2度以下に抑えるというパリ協定の目標を超えている。
その結果、気温の上昇が2.25度にとどまった場合、南アジアで2100年までに生存可能性の限界を超える場所はないという見通しが示された。
一方、世界で現状のままの二酸化炭素排出が続き、世界の気温が4.5度上昇した場合、インド北東部チョタナグプル高原の複数地域とバングラデシュでは、生存可能性の限界を超えるとの結論に達した。
さらに、ガンジス川の流域やインド北東部と東部の沿岸、スリランカ北部、パキスタンのインダス川流域では、生存可能性の限界に近付くと予想している。
生存可能性の判断は、湿度と屋外の気温を組み合わせた「湿球温度」に基づく。
インドで生存が難しくなると予想される地域は、人口密度が高く漁業や農業に依存する経済的に貧しい地域と重なる。そうした地域に含まれるインド北東部のパトナやラクナウの人口は、合計で400万人を超える。
MITの研究に参加した香港科学技術大学のエウン・スーン准教授は、「我々が現在のままのペースで地球温暖化ガスを排出し続ければ、世界でも有数の人口密集地が、致命的な熱波の高リスクを避けられなくなる」と警鐘を鳴らしている。
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