へそ曲がりおじさんのひとり言

常識にとらわれるのが嫌い。
他人と同じ事が嫌い。
世の中、別な角度から見ると新しい物が見えるから。

国産車 低燃費に「?」

2011年01月23日 03時38分29秒 | Weblog
この画像は、22日の朝日新聞の「夕刊一面トップ」に書かれていた記事であるが・・・・。

今更言うまでもないことだが、この記事は「日本を象徴するような出来事」としか言いようがないだろう。

写りが悪くて見ずらいだろうが、左上に書かれているのは「カタログの燃費表示と『実燃費』との違い」を表した表であるが、それを見ると、低燃費を謳った日本のハイブリットカーの実燃費は「カタログの60%前後」であるのに対して、ヨーロッパの車は「90%前後」と、全く持って不可解な数値が出ているのである。

しかし、こんな事は昔から行われていた「日本メーカーの常套手段」で、特別今に始まった事ではないのだ。

しかし、日本のメーカーでも「マツダ」だけは別で、私が今乗っている車は、10年近く前に作られた「ファミリア1500」で、夏場エアコンを使うと「16キロ弱」くらいになるが、それ以外の季節は「17キロ近く」走り、平均で「16.5キロくらい」走ってくれ、ハイブリッドでもない車がこれくらい走ってくれれば上出来であろう。

それも「10年近く前に作られた車」なのだから。

それでは何故日本のハイブリットカーがこのような数値を出せるのかというと、中央の少し左側下に「試験対策上手」と言う文字が書いてあることでわかるように、「巧妙?なテクニック」が使われているのだ。

これと似たようなことは数限りなく行われており、かつて「馬力競争」が盛んだったころの事を思い出す。

このときも、若者を対象に「如何にこの車が高性能か」と言う事を見せ付けるため、カタログに「○○○馬力」と大きく書かれていたものだが、ここでも巧妙な手口が使われていたのである。

このころの「馬力表示」には「ネット表示」と「グロス表示」の、二通りの表示が混在していたのである。

ヨーロッパの車とマツダは「ネット表示」で、マツダ以外の日本車は「グロス表示」でカタログが作られていたのだが、日本人の殆どは「ネットとグロスの違いを知らない」のである。

私はゴルフをしないので間違っているかもしれないが、「ゴルフではグロスが重要」らしいが、車のエンジンでは「ネットが重要」だということを知るべきだろう。

それでは「ネットとグロスの違い」を書いてみることにしよう。

馬力表示における「ネット」とは、「エンジンを車に搭載した状態で計測した数値」であった、「グロス」は「エンジン単体をテストベンチで計測した数値」なのである。

つまり、ネットで表示された数値は、エンジンの力が「発電機、オイルポンプ、キア、・・・・」と、タイヤに伝わるまでに様々な形で失われてしまい、グロスで100馬力のエンジンも「ネットでは80馬力以下?」と言う事になってしまうのである。

これを逆に表示すると、ネットで100馬力のエンジンは、「グロスでは125馬力」と言う事になるのである。

これは正に「メーカーの良心が問われる問題」なのだが、日本人はそのようなことに全く関心を持たないのである。

以前別のことでドイツに長く住んでいた人の話をしたことがあるが、ドイツでは「過大表示をする会社は信用できない」と言う事で、「会社の存続さえ危うい」のだそうであるが、日本ではこのようなことが「極当たり前」のように行われている。

これを別な言い方で表すと、「日本人は宣伝文句に踊らされるが、ドイツ人は踊らされない」と言う事になり、更に別な言い方をすれば「大メーカーの宣伝文句に洗脳されている」と言う言い方も出来るだろう。

選挙においてもまた然りで、「実現不可能なマニフェスト」にさえ群がってしまうようでは「世も末」と言うしかないと思うのだが・・・・。。

この記事を読んでいて気になることは、このような日本メーカーの姿勢に対する「批判的な論評」は余り見られず、なにやら「トヨタを擁護するような内容」さえ見受けられるのである。

これは「トヨタを敵に回すと後が怖い」とでも思っているのだろうか。

しかし、このようなことが平然として通用するのも、「国民が愚かだから」と言わざるを得ないのではないだろうか。

政治や企業の姿勢を批判する事は簡単だが、気をつけないと「天に唾する」のと同じ事になる。

今の日本をダメにしているのは、「政治でも企業でもない」と言う事に早く気がつく必要があるのだが・・・・。
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