メガリス

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坂本龍馬は反戦平和主義者ではないよ。NHK『篤姫』

2008年11月16日 23時33分30秒 | NHK大河ドラマ『篤姫』

「どうすれば戦にならずに済むか。坂本(龍馬)さんはそればかり考えていた。」
 NHK『篤姫』第四十六回「慶喜救出」でNHK小松帯刀がこう言った。ただの作り話である。

 幕臣大久保一翁(おおくぼ いちおう)や福井藩主松平春嶽(まつだいら しゅんがく)らが発案提唱した大政奉還策を、坂本龍馬は地元土佐藩浮揚の一手として後藤象二郎に示した(と伝わるが、この話にもちゃんとした根拠は無い)。ただそれだけで、龍馬は大政奉還に関して他に何もしていない。何もしていないどころか、大政奉還建白に走り回っている後藤が知らないところで、木戸孝允への手紙に“(武力討幕派の)乾(板垣)退助に相談し、後藤は土佐か長崎に引っ込める”などと土佐藩政に何の影響力も持たない龍馬に出来るはずの無い出鱈目なハッタリをかましたりしている。
 龍馬は所謂「武力討幕派」と「大政奉還派」の間を状況次第で右往左往していて、「結局、キミはどうしたいワケ?」と聞きたくなるようなみっともない尻軽男ぶりである。

 坂本は「どうすれば戦にならずに済むか」ばかりを考えている“反戦平和主義者”ではない。だいたい反戦平和主義者がピストルなんか持ち歩いて、奉行所の捕り方を二人も射殺したりするか。

 この番組において坂本龍馬や小松帯刀を反戦平和主義者であるとするのは製作陣らの作り話である。
 何のための作り話か。
「反戦平和主義者である坂本龍馬や小松帯刀は早く死に、彼らと違って好戦的な西郷・大久保らが近代日本を造った。近代日本は最初から好戦的な“間違い日本”だったのだ。“好戦的間違い日本”がアジアを侵略したのは当然なのだ。」このように明治維新・近代日本誕生にケチをつける為だろう。

 NHKは、そのプロパガンダを再来年の大河ドラマ『龍馬伝』でまたしつこく繰り返すつもりでいるのだろう。