メガリス

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武士の誇りより命が大事 NHK『龍馬伝』第9回

2010年03月03日 00時03分00秒 | NHK大河ドラマ『龍馬伝』

 NHK『龍馬伝』(鈴木圭チーフプロデューサー)の龍馬は生命至上主義で、倫理・道徳とか道理とか人としての誇りなんかどうでもいいらしい。とてもあの時代の武士とは思えない。

 第九回「命の値段」で、土佐藩士山本琢磨が、拾った舶来品の懐中時計を道具屋に売ろうとして発覚する。当時の武士の倫理・常識からして問答無用で当然の如く切腹のはずだが、武市半平太は、奇妙にも、“彼の行為を許しては自分らの攘夷運動の妨げになる”という改めて必要とは思われない理由をワザワザつけて切腹を命じる。 

 龍馬はその話を聞くと、持ち主の商人に懐中時計を返し彼に頼み込んで役所への訴えを取り下げさせる。
 龍馬は藩邸に帰り、“訴えは取り下げられたので腹を切る必要は無くなった”という、倫理観とかいうものを全く無視した、店での窃盗を見つかって「金を払えばいいんでしょおお!」と開き直るオバサンと同程度のバカ報告を得意になってするが、武市ら他の土佐藩士たちは“品物を返し訴えを取り下げさせればそれでよいというものではない”という至極当たり前の反論をし、結局、山本琢磨はやはり切腹ということになる。 

 結局、龍馬は切腹の直前に山本を逃亡させる。 

 NHK反戦平和生命至上龍馬は、同じ藩の仲間である山本琢磨が他人の持ち物を私し金に換えようとしたことを恥ずかしいとも悲しいとも腹立たしいとも悔しいとも全く思わない。ただひたすら山本琢磨の命のことばかり心配している。倫理も道徳も道理も誇りも、NHK反戦平和生命至上龍馬には無価値なのだ。とにかく生命が第一なのだ。生きていることが至上の価値なのだ。 

 アホらしい。 

 命は動物にもあるが、倫理や道徳や道理や誇りは人間にしかない。大切な命をかけてもそれらを大事にし人間らしく生きる、人間でしか出来ない生き方をする、というのが人間だ。命が何より大事、生命第一、というのでは動物と何ら変わらない。
  NHK反戦平和生命至上龍馬は動物並みの実につまらない男だ。 

 その実につまらない男を英雄として持ち上げるNHK大河ドラマ『龍馬伝』は、彼の言動に託してこう言いたいらしい。
“とにかく命が何より大切なのです。倫理だとか道徳だとか道理だとか誇りだとか、そんなものは「命の大切さ」の前には無価値なのです。”
 そして、さらにこう付け加えたいのではないか?
 “だから、近い将来、中共サマが日本「解放」においでになった時は、武市らバカどものように「国を守る」などとくだらないことを言ってないで、「命の大切さ」を第一に考え、さっさと降伏するのがカッコ良くて正しいことなのです。”
 さすがにそんなことはないと思うが、そういう”ゲスの勘繰り”を、私はしてしまう。





 

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