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児童文学作家を目指す日々 ver2
もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。
お布団の精霊
2024-03-22
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物語 (電車で読める程度)
「お山だゃあ!」
お布団のお山に宿る精霊
掛け布団をはぐと
「あぁ、お山がゃあ…」
とすこしさみしそう。
かわいいね。
【おわり】
爪爪
2024-03-12
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物語 (電車で読める程度)
やけに伸びた親指の爪。
そっと手につつんで隠していた。
いつか父に切ってもらうその日まで
異形の爪をさらしても、「忘れていました」となんとか守ろうとしていたのだった。
約束のときを
そのあと、整った爪をみせてくれた。
「切りましたよ!せんせい!」
笑顔のあなたにいった。
「ごめんな。なにも知らなくて」
はにかんだ笑顔で応えてくれた。
【おわり】
特別任務
2024-02-21
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物語 (電車で読める程度)
船長、俺悔しい。
こんな宇宙船本当は乗りたくて乗った訳じゃない。今ごろどうせ兄弟は地球で楽しくやってる。これからどんな星に辿り着いたって、好きな人に告白したり、友だちとしゃべったりできないんだ。そもそもお母さんは俺にばっかり厳しい。いつも何かルールを決められる。それをなんとか守ってきたのに、どうして俺が宇宙に行かなきゃいけなかったんだ。どうしたらよかったんですか。教えてください。
それは私にはわからない。ただひとつ言えることは君が成長するためには君の意思が必要だ。何故ならこれは君に課された特別任務であるからだ。そう強く信じなさい。そして彼方果てで君は君にしかわからない幸せを掴みなさい。
地球の夜空に浮かぶ星に紛れた宇宙船。
誰も探すことはなかった。
【おわり】
ひとすくいの掌編
2024-02-17
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物語 (電車で読める程度)
辞書ほど厚い紙束。
明日には裁断しなくちゃいけない。
仕方がないけれど、一方でこの作品たちに意味はないのだともおもう。
そうおもうことで心に蓋をした。
作品たちが産み出されるとき、内側の物語に耳を澄ませ、誰かに喜んでほしいと言葉にするのだ。
そんな瞬間だったのだとおもった。
その思い出はきっと彼らの誰かにとってはひとすくいの宝物になるだろう。
ならば悪くはないかもしれない。
小学4年生の自分が右端の座席で鉛筆を走らせていた。
【おわり
】
お昼寝
2024-02-05
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物語 (電車で読める程度)
お昼寝。
ふたりがころんと横になる。
薄暗い雲の影
お布団に身を寄せて
いっしょにころんとなる。
少し寒い。
もっと遊んでに答えられない
うまく体が動かない。
だからふたりが寝てくれてほっとした。
こんな親じゃだめだよね。
静かだった。
遠くで救急車のサイレンが聞こえた。
試験に落ちた。だからもう何もかもが取り返しのつかないほど台無しになってしまったような気分だった。
これからどうしよう。
いつもそればかり考えている気がする。
ふたりはまだ眠っていた。
寄り添うには頼りない。
より良いように謀りたい。
どうもうまくいかないな。
どうもうまくやってくしかないな。
今更だね。おあいにくさま。
長いまつげと小さな耳が可愛くて
仕方なかった。
ありがとう。ありがとう。
【おわり】
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