児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

児童文学作家になるという夢について

2024-01-31 | 物語 (電車で読める程度)
児童文学作家になりたいと思いつつ
実際に書くことも儘ならないまま
そろそろ節目の年になりそうです。

ブログをはじめてから、随分とたくさんの出来事があって。
書くために生きるのではなく、生きるために書くと思い立ってから、児童文学作家になるという夢以外の殆どの願いを叶えることができました。

けれども、心の片隅にはいつも児童文学作家への夢は消えず。だからこそ直視できないまま時間は過ぎていきました。

幼い頃の気持ちを手繰り寄せるにはあまりにもこすれてしまった両手で、これからも顔を覆って塞ぎ込むしかないのかな…
心がちいさくなっていく気がして、一旦ここに書き留めておきたいと思いました。

児童文学作家にはなれない、出来ない、書けない理由を探すことばかりが上手になってしまったので、どうか小学4年生の私にしっかり叱ってもらいたい。
というよりも、本当はふたりでいっしょに先ずは「私自身が共感する」物語をつくりたいなと思っています。

隣の芝はいつまでも青く、羨む心は焦りと諦めでいつも締め付けられていて。

つい自信のなさから「誰かのため」と嘯いてこじつけても、薄く無意味なものになってしまうのです。

でもなぁ…

100年後には残っていなくても

100歳の自分には納得してもらえる物語を書き続けたいなと思いました。







初詣

2024-01-23 | 物語 (電車で読める程度)
まだ子供だった頃、毎年の初詣は「よいお話がかけますように」「いろんなお話が思い付きますように」と願っていた。

いつしか彼女とうまく行くように祈っていた。

12才の時に鮮明に覚えているのは、小説家になるために生きようと思っていたこと。

それがいつしか生きるために書こうと思うようになった。

生きるために書くうちに、こんなところまできた。

まだ小説家ではない。今もまだ二の足を踏んでいる。けれど、それ以外はほとんど叶ったよ。ねぇ。叶わなかったことも、規模を小さくしたこともあったけど、こぢんまりとした丁度いいものになったと思うんだ。

だから、そろそろ叶えたいと思うのはバチ当たりかなぁ。


あの頃の声に耳を澄ませて、もう一度息を吸う。

一年後、二双の雲龍が描かれた門をくぐった。五円がなくて一円を投げた。家庭円満無病息災を心から願った。



【おわり】

あなたのことば

2024-01-11 | 物語 (電車で読める程度)
よいしょ は えいぢょ えいぢ 

だっこ は あっこ

ぱん! ばあな!

どっちもだいすきだよね。

みぢぁん げんぢぁん

会いたいね

ぼてとー!と指差したフライドポテト。

よくみえてたね

焼き海苔は ビリ

ぞうちゃ は 見つける度に嬉しそうに教えてくれたね。

あきゃ!あきゃ!と元気なあなたがだいすきです。



あなただけにもっともっとしてあげれたんじゃないかって、情けないけれどいまもおもってる。
だから、せめて膝で温まる猫のような時間は大切にしたいな。

あなたがある日立ち止まったとき、これまでの一切合切は決してわるいことばかりではなかったと、おもえますように。そしてあなたの願いが届きますように。


【おわり】

羨望

2024-01-09 | 物語 (電車で読める程度)
表現者になりたいという青年。

感謝を伝えたいのだという秀才。


どれもなんだかなぁと思った。


見知った人が周りの期待に応えて昇格したことが素直に嬉しかった。

そりゃそうだ、と思った。


思った。思った。思った通りだ。


ギターの練習や小説を書くことの方が、あなた自身のことについて考えるより大切なのかい?


馬鹿でもわかる大学を目指すことが、あなたにとっての免罪符となるのかい?


そこまでして我にかえった。

あぁこの鳩尾辺りがふわふわする感覚の正体はきっと醜い嫉妬だ。


将来に期待することは若者の特権なら、

私にとっての理想の中にいるあなたも、あなたも、あなたも。みんなみんな羨ましくて仕方ないんだ。

私には眩しすぎたんた。

【おわり】



クリスマスの種明かし

2023-12-12 | 物語 (電車で読める程度)
「ねぇ、せんせ。」

冬期講習には少し早い時期にも関わらず、
こんなところで椅子に座らされている小学生を不憫におもった。

「アタシ、クリスマスプレゼントがなにかもう知ってるんだぁ。」

そして、こちらが応える間もなく話し続けた。

「100ピースのパズル。昔、あなたが好きでやってたでしょってお母さんがいうの。」

肩を落として言うこの子になんて言葉が丁度いいんだろうか。

いい大人のふりをして母親の気持ちを酌むように諭すべきなんだろうか。

結局、「それはやだね」と言ってしまった。


こんな家庭教師に払うくらいならさってね。

【おわり】