どうしようもない、
僕の声は結局誰にも届かなかった
声を張り上げて歌った
けれども声はでなかった
からっぽの歌がただただ僕のなかで響いた
さよなら、さよなら
誰に別れを告げているんだろう
酩酊した頭で僕は闇雲にただ歌った
悲しいとおもったこと
うまくいかないこと
その全部だ
僕はこんなにも弱くて、ちっぽけで
きっとどこにも僕の居場所なんてないんだろう
悲しくて泣いた
悲しくて喚いた
もうどうだっていいやって
人から失望されても、見捨てられても
僕は僕にさよならとは言えなくて
でもそれは仕方のないことで
きっとこれからなにもかもうまくいかないんだっておもった
きっとこれからどうやったって袋小路なんだっておもった
僕は、
僕は、
だだの木偶で
ただの愚図で
それはわかりきっていたことだけど
でも生きていかなくちゃいけなくて
仕方がなくて
でも悔しくて悔しくて
どうして上手くできないんだろうねって悲しくて
わけがわからなかった
それはそれで仕方のないことなのかもしれなかった
明日晴れるといいね
どこからか声が聞こえた気がした
けれどもそれは風のざわめきだった
空耳だった
嫌な空耳だった
涙が滲んだ
そもそも見えていなかった
どうしようもないくらい虚しくって
でもそれはただの甘えで
けれども甘えたかった
さよなら
さよなら
何度も別れの言葉を唱える
それは誰かに対してじゃなかった
これから来るかもしれない失望の視線に
ただ、終わった世界の片隅で毛布にくるまってうずくまるような
そんな、
誰にでもなく、
失望される世界への
別れだった
さよなら
さよなら
心の奥底では僕は僕をやるしかないとわかっていても、それでも僕はちがう何かになってしまえばいいとおもっていた
僕は、僕だ
仕方のない
けれども、これからどうするんだろう
これから僕は何千回もこの弱さの前に立ち向かっていけるのだろうか
これは誰でもない僕の問題だ。
誰のせいでもないし、
誰かの何かでもない
僕の欠点が招いた現象だ
世界はなにも僕を待つ必要はない
僕はけれども、生きていかなくてはいけない
愚図で木偶な自分で渡り歩いていかなくちゃいけない
船はない、
オールは壊れてる、
穴の空いた木舟で
ぐるぐる ぐるぐる
おなじところを、回っている
きっと、
そのわっかはちいさくなっていって
袋小路にはまりこんでいくんだ
しかたない しかたない
どうしろっていうんだ
ちっともまっすぐ進まない舟に
僕はとうのむかしにあきらめているけれども
僕を取り巻く波風はそれを許してはくれない
次第に滝壺へと追いやられ
僕は真っ逆さまに奈落へと落っこちてしまうんだろう
それが悲しくてないた
それが嫌でないた
でも、本当に幼くて、馬鹿げてるけれども
どうしていいかわからなかった
どうしていいかわからなかった