児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

ブレンド

2020-11-27 | 物語 (電車で読める程度)
茫然自失って言葉がお似合いな帰り道。


くだらないのは自分だってわかってる


けれども、何かのせいにして全部台無しにしてやりたかった。


…往来を眺める。街の光がチラチラとうざったい。

ぞろぞろと混じりあう人と人は当然いずれもどこか未熟で、颯爽と横切るあの人もある一面でしかないんだ。

それが本当に間違いないのであれば、ここに流す涙はない。
ただからっぽで、夜風が心地いい。


まぶたをとじた。


いま自分は大人なんだ。
もう、大人なんだ。
大人なんだから。
仕方ないよね。

とじたまぶたは幻で

こころの裏側をみつめていた。



込み上げる苦味を真っ黒の液体で押し込めた。


【おわり】