児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

5月の祈り

2021-05-04 | 物語 (電車で読める程度)
木陰に差す陽

そっと組まれたちぃさな両手に

閉じられた瞼がまぶしそう

久しぶりに出たウッドデッキから

静かないのりが捧げられた。

すこし前にフキノトウを採ったんだよと楽しそうに話す妻。

菖蒲の違いはわからないけれど、まだ散っていない山桜の木はすぐにわかった。


地面にはたんぽぽの花が太陽を反射していた。

すぐ傍の睡蓮の花も黄色く咲いていた。


光があふれていた。

光であふれていた。


何度だって、何時だって

思い出したい情景だった。





【おわり】