児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

残暑の宵

2023-09-28 | 物語 (電車で読める程度)
上手く話せない。
肩を落とす。

雑談って難しい。背中で聞く話題。無視されたんじゃないかと小心者は背中も小さくする。お金のためとはいえ、傷ついてないふりは必要なんだ。

帰り道、金木犀が秋の物悲しさを伝えていた。


悲しかった。喉に詰まったままだった。

アルコールで、煙草で、友人で、音楽で、
こんな夜をやり過ごしていたっけ。

それなら、これからどうすればいいんだろう。愛は夜と添い遂げられるのかな。
忙しくて忘れさせてはくれるのかもね。

夕焼けをみたい。久しぶりにみる藍桃色の空は綺麗なんだろうな。


ただひとつわかることは家族を幸せにするのか、不幸にするのかは自分次第なのだという啓示だけだった。

身も心も貧しくなれば、残暑の湿気のような理不尽がいつまでも纏わりつくのだろう。

だからって絶対なんてどこにもないし。


難しいな、簡単だけど。

【おわり】