商店街を歩いてみると、ところどころ歯が抜けてように有料駐車場になってぽっかり空間が出来ている。
まだ家を壊したばかりで、地面がむき出しのままのあたらしい更地もある。
オイラがスズメの大軍を見つけたのは、長年、更地のままで放置されていて、気持ちよさそうに雑草が生えている処だ。
あたり一面スズメで埋め尽くされて、雑草の中にスズメがいるのかスズメの間を雑草が生えてきているのか分からない状態だ。
そして鳴き声がうるさい!うるさい!カメラを取り出して連写モードに設定変更してカメラを構えた。
でも・・・どうして近づいても飛び立たないのだろう?
「そこの、おとうさん!幸せのスズメを買わないか!それから写真を撮ったら」と後ろから声がした。
男の話を聞くと、このスズメ達を解き放してやると、御礼に幸福がやってくる。
おいおい!このスズメ、金儲けの道具かよ!と思ったが黙っていた。
「一匹100円で、最低30匹単位でお願いします」
それって3000円じゃないか、お前スズメを霞網で捕まえてきてひどい商売をしやがって!アコギナ奴だな!
おとうさん!あなたの考え方が違う!人の幸せというのは目に見えないものなんだ。こうしてスズメを逃がすことによって幸せが見える!
具体的に幸せが見える事が、またおとうさんの幸せ呼ぶのだ。
やっぱりお前は、インチキ野郎だな!この携帯から110番してやるからな!と思った瞬間
OLYMPUS E-P3 F8/15mm(ボディーキャップレンズ)
スズメの大軍も男も消えていた。
そこには陽が当たらない更地と遠くに小さな空が一瞬、見えたような気がしたが夢から目が覚めた。
体重=これから
オイラは昨日、なにをやって一日を過ごしたのか覚えていないのに、夢をよく覚えている。