面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

プロ野球シーズン開幕♪

2008年02月02日 | 野球
中田6連発!怪物どころか怪獣だった(スポーツニッポン) - goo ニュース


2月1日はプロ野球にとっての“元旦”。
いよいよシーズンが始まった!と思うとウキウキワクワクYTVだ。
(関西ローカルなネタですんません)

そんな中で、やはり話題をかっさらっていったのは、大阪桐蔭から日ハムに入団した中田。
高校時代の金属から木へとバットが変わっても、豪快な飛距離は変わらないようで、その点では他チームのことながら安心した。
過去、何人もの高校野球のスラッガー達が、木製バットでのバッティングに悩まされ、鳴りを潜めたまま消えていったことか。
清原のように、プロを意識して高校時代から木のバットを使うこともあった選手は稀であり、中田も高校野球の時分には木のバットを使ったという話を聞いた記憶がなかったので、まずはこの点がどうかと思うところはあったが、杞憂だったようだ。
ああ、やはりタイガースがクジを外したのは、かえすがえす残念…

しかし同じ高卒新人として、横浜からきた高浜には、ぜひ“掛布二世”となって…いや掛布をはるかに凌ぐスラッガーに育ってほしいものである。
ここのところ、つまらないパウエル問題に引っ掻き回されていたプロ野球界であるが、やはり話題はこういう話でなければ!


「アメリカン・ギャングスター」

2008年02月02日 | 映画
巨匠リドリー・スコットが、アカデミー2大俳優を贅沢に配して描く、実録クライム・アクション。
デンゼル・ワシントン扮するフランク・ルーカスと、ラッセル・クロウ演じるリッチー・ロバーツ。
二人の実在の人物の骨太の生き様を描いた傑作。

1970年代初期のニューヨークが舞台。
ハーレムを仕切るボスの運転手をしていたフランクは、ボスが亡くなったのをきっかけに、一匹狼として生きることを決意した。
そして彼は、安くて質の良い「商品」を生産者から直接大量に仕入れ、安価で幅広く大衆に販売するという、当時のアメリカに台頭しつつあった、家電量販店の最新ビジネススタイルを応用した商売を始める。
扱う「商品」は、東南アジアから大量に仕入れた麻薬。
ベトナム戦争の軍用機を密輸に利用するという、およそ想像もできない計画を、大胆な行動力で実行に移す。
その当時、ハーレムで売買されていた麻薬の純度は50~60%。
それをフランクは、東南アジアの生産者から直接買い付けることにより、純度100%の高品質の「商品」を他よりもはるかに安く売りさばき、瞬く間に巨万の富を得る。

一方のリッチーは、警官が公然と恐喝や横領をする中、断固として汚職に手を染めることを拒否して、逆に警察の中で四面楚歌となっていた。
しかしそんな彼は、まだ残っていた“良心”に見出され、特別麻薬取締局に配属され、ヘロインの供給ルートの究明に尽力することになる。
リッチーは粘り強い捜査の末に、巨万の富を得ながらも決して派手な行動はとらず、表舞台に顔を見せることの無かったフランクにたどり着き、そのアジトを暴き出して追い詰める。

麻薬の新しいビジネスモデルを築いて、暗黒街のアメリカン・ドリームを実現するフランクと、腐敗がはびこる組織の中で敢然と正義を貫き通し、巨悪へと立ち向かうリッチー。
対極に位置する二人の生き様を交互に描きながら、二人の一騎打ちへと物語は進む。
遂に交錯し、法廷で対峙する二人。
しかしそこから物語は、更に驚愕のラストへと急展開を見せる。
最初から最後まで、スクリーンから目が離せない。

極めて重厚で見応えのある作品だが、単なる「裏成功譚」と「腐敗権力改革美談」を組み合わせただけの物語ではない。
ハーレムでのし上がるフランクだが、彼の成功はそのハーレムに住む人々を蝕み、なけなしの財産を搾取することで成り立っている。
その“犠牲者”の圧倒的多数は貧しい黒人たちだ。
そしてそのハーレムの住人に対して、食料や日用品を施すフランク。
廃人になって死んでゆく中毒者たちの姿と毛皮に包まれてボクシングのプレミア席に着くフランクとの対比によって、まるでマッチポンプのような彼の行動の矛盾を観る者に突きつけてくる。
「悪によって栄える者に安らぎはない」
そうしなければのし上がれなかったフランクが置かれていた状況。
その一因を担っている“巨悪”に比べれば、フランクの中には“善”があった。

今年の始めの映画にして、早くも今年ナンバー1の作品であり続ける予感。


アメリカン・ギャングスター
2007年/アメリカ  監督:リドリー・スコット
出演:デンゼル・ワシントン、ラッセル・クロウ