ツチノコの死骸かと思った。
ご近所の石垣から不気味なモンスターがのたくる。
一頭どころか、いつぞやの鉢植えのサボテン・キングギドラ状にいっぱいいる。
野獣は小さな子ども肩にを従え、誰もいない路上を睥睨する。
何を威嚇しているのか。
さっぱりわからない。
石垣のモンスターは孤独だ。
ただこの姿は意図して作れるものではない。
かまってくれない母屋の人々を恨むように、あざけるように
10年間ほどすねたり、ひねたりした結果だろう。
モンステラ。
語源はモンスターらしい。
モンスターとモンステラ。
このかわいい、美しい葉っぱのデザインとツチノコ・サボとは似ても似つかない。
葉っぱの孔がだんだん変形して形が変容していくのところが怪物として名付けられたのか。
しかしこやつも曲者だ。
優しい容姿であるが日一日と巨大化している。
ぼーっとしてると分からないが、一月前と比べると明らかに大きい。
写真をとってあるからわかったものの、毎日みていると分からない。
あなどれないヤツだ。
このつるぴかの葉っぱと、石垣モンスターがもうけた肩の子サボ。
いのちのリレーとしては共通だろう。
美しい葉っぱよりも、ひからびてなお蒼く頭を突き出す石垣モンスター野郎の方に
コミットしてしまう。
歳のせいだな。
母屋の人々より永く生きろ、石垣モンスター!
嗚呼、ボタニカル!