芙蓉
おかず屋さんちの夏の歩道を彩る。
オレの顔より大きい、大輪の花だ。
顔が大きいだけでどことなく垢抜けない田舎っぽさがある。
聞けば一日花で、こんなに大きいのに
毎日咲いて毎日しぼむらしい。
もったいない。
顔が大きいだけで、「はかない」というより
「もったいない」と思ってしまう。
一日で終わるとは蝉どころではない命の短さだ。
ばん、とたくさん大きな花をつける姿は
夏らしくて見ていて気持ちがいい。
しめったこの名古屋の夏の暑さを一瞬忘れさせてくれる。
田舎娘よ、今日一日を自分のために咲き誇れ。
嗚呼、ボタニカル!