トゲのある植物が好き。
ディッキア、アガベ、アロエに新人のアダン。
やつらを見ていると癒される。
近所の海辺に住む竜舌蘭は怪物サイズだ。
一辺は150センチほどもあるだろう。
まさに龍のようだ。
こうなると人格を持っているのではないかとさえ思う。
おはよう、と挨拶すれば返事を返しそうだ。
この童話的なサイズと風貌。
宮沢賢治の世界でいえば、やつは老龍のチャーナタでオレは詩人のスールダッタか。
『風がうたひ雲が応じ波がならすそのうたをたゞちにうたふスールダッタ』
スールダッタのうたう詩は実は老龍チャーナタが海辺の洞窟で考えた詩であり
等しくスールダッタが詠んだものである、という少し複雑なお話し。
こいつは播磨灘の小さな漁港で何を考えているのだろう。
荒々しくも繊細なやつら。
まさに理想のハードボイルド ボタニカル ライフの象徴である。
嗚呼、ボタニカル。