第65回関西吹奏楽コンクール(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)が24日、奈良市の県文化会館で高校と中学校の小編成の部があった。小編成は、30人までが舞台に立てる部門。各校は繊細なハーモニーを会場に響かせた。

 16校が出場した高校の部は、報徳学園、甲子園学院中・高、須磨学園(兵庫)、同志社香里、相愛中・高(大阪)、天理第二部(奈良)が金賞を獲得。17校が出場した中学校の部は、伊丹市立西、押部谷、有馬(兵庫)、精華(京都)、河合第二、生駒市立上(奈良)が金賞に輝いた。

■「一番の演奏できた」

 高校の部の天理第二部は初の金賞に輝いた。部の持ち味である明るさを前面に出して「祝典のための音楽」をリズミカルに演奏した。平山あゆみキャプテン(4年)は「やってきたことが結果につながりうれしい。今までで一番のできです」と笑顔で話した。

 銀賞を受賞した奈良育英はいとおしい人を追い続けた深い愛が題材の「想ひ麗し浄瑠璃姫の雫(しずく)」を披露。和太鼓を使い、和の雰囲気を表現した。三浦摩美部長(3年)は「関西に向け、ハーモニーの練習に力を入れた。満足のいく演奏ができた」と話した。

 中学の部に出場した2校は共に金賞に輝いた。

 河合第二は空の旅がテーマの作品「ハヴ・ア・グッド・フライト」を演奏。県大会を終え、課題としていた音程と音色を修正して臨んだ。仲森美空部長(3年)は「周りのレベルが高かったので、うれしい。悔いのない演奏ができた」と喜びを語った。

 生駒市立上は楽器を運ぶトラックが予定の時間に到着せず、演奏順が最後になった。だが、トラブルにも動じず、堂々と「海峡をわたる風」を奏でた。岡村萌子部長(3年)は「本当にうれしい。いろんな人が応援に来てくれていたので頑張って演奏しました」と目を赤くして語った。(松永和彦)