生命保険にもいろいろ種類がありますが、「一時払い終身保険」を巡るトラブルが急増しているようです。中途解約では「元本保証」されないケースが多く、定期預金と混同して契約してしまう高齢者が多いようで、背景には銀行の窓口で手軽に契約できることがあるとみられています。
では「一時払い終身保険」とはどんなものなのでしょうか・・・?そもそも、終身保険とは読んで字のごとく、一生涯補償してくれる保険のこと。解約しない限り、40歳で亡くなっても、80歳で亡くなっても、100歳で亡くなっても保険金が支払われます。また、貯蓄性もあるので解約した場合には解約返戻金が支払われます。ただ、保険料の支払途中で解約した場合、それまで払った保険料以上の解約返戻金が戻ってくることはありません。
一時払い終身保険とはその保険料を契約時に一括で支払ってしまうものです。仮に40歳男性が、契約時に500万円支払った場合・・・死亡保険金は約676万円です。この契約を1年後に解約した場合、戻ってくるのは約490万円・・・元本割れです。
しかし、契約から4年後に解約した場合、戻ってくるのは約501万円・・・ここから元本を超えてくるのですが、7年後で約512万円、10年後で約524万円・・・といった具合に解約返戻金は増えていくので、後は好きなときに解約すればいい・・・ということになります。もちろん、解約しなければ、亡くなったときに676万円が支払われます。
そんなわけで、しばらく使う予定のないまとまったお金があるならば、銀行の定期預金においておくよりはいいということで、補償というより貯蓄という意味合いで、銀行なんかでは売りやすいと思います。
ただし、契約して数年は絶対解約ができない・・・できるけど元本割れしてしまう・・・この点だけ頭にいれておかなければなりません。保険会社での契約と違って、銀行では貯金と混同しやすいですからね。
あくまでも保険であって、預金ではない、この点をよく説明する必要があると思います。