昨晩、12時過ぎに帰宅すると、なんともいえない香りが家中に充満しておりまして、
「う~~ん、この香りはたしか嗅ぎ覚えがあるあの・・・・・」
そう『月下美人』の香りでありました。
我がブログで振り返ると、昨年は7月24日、一昨年は8月22日に開花しておるようですが、いずれも一年に一度だけだったはず、ところが今年は夏に花をつけたカブから、またしても昨晩開花したのでありました。
「ふ~~ん、二度咲くこともあるんだぁ・・・・」
「『月下美人』はメキシコ原産のサボテン科に属する植物だ。」というお話は以前もしましたよね。ただ「何故に夜中だけ咲くのか?」という私の素朴な疑問は、おそらくは夜行動する昆虫か何かとの共進化が原因だろうとの察しはついたものの、調べる気力もなく未解決のままでした。
それが、前回、夏に開花したときにそんな話を持ち出すとN君が
「あ~『月下美人』ねぇ、あれはねぇ、花粉媒体役がコウモリなのよ。蜜や花粉を食用としているヘラコウモリ科の小型のヤツ。そいつらが夜行性だから花も夜開くんだよね。ほら南米にはその手のコウモリが多いから、吸血コウモリだっているようぉ~~~」
って、
「おまえはコウモリ博士か!」
って、おもわずツッコミを入れたくなりましたが、花の咲く向きまでコウモリが蜜を採りやすく進化してるんだそうですよ。
でも、『月下美人』がコウモリを意識して進化したように話してますが、コウモリも『月下美人』の蜜を吸うために何か変化しているかもしれないし、そもそもどちらがどう進化して今のようになったかは・・・あはは「鶏が先か、卵が先か」みたいな話は学者さんにでもお任せしましょう。ともかく、自然というものは凄いものです。
「ところでコウモリ博士、吸血コウモリってぇのは、南米とルーマニアのトランシスバニアと、もっといっぱい住んでるところがあるんかね?」
「アホかいな、ヨーロッパ、ましてルーマニアにチスイコウモリはいないの。」
「え?だってほら、バンパイヤが・・・ドラキュラ伯爵がいるジャン」
これも「目から鱗」始めて知りましたが、新大陸にいるチスイコウモリとバンパイア伝説を、ヨーロッパの作家が混ぜ合わせたというだけのことで、実際にモデルとなったチスイコウモリは南米のもんだったんだそうであります。
「実際には1000種類近くいるコウモリのなかで、新鮮な血液を餌としているのは、チスイコウモリ属、シロチスイコウモリ属、ケアシチスイコウモリ属、この3種類だけで、チスイコウモリ属のナミチスイコウモリはメキシコ北部からアルゼンチンにかけてけっこう広い範囲でいるけど、シロチスイコウモリとケアシチスイコウモリの生息地はかなり狭いわけよ。・・・・・・・」
「もういい、それ以上は、コウモリオタク同士の会合ででも語ってくれ」
と言いつつ、ブログのネタになりそうだとメモしている自分が怖い。(笑)
ともかく、チスイコウモリの話は置いておいて、『月下美人』は、花言葉のごとく自分の「儚い恋」のために、「儚い美」でコウモリ達を誘惑し、一夜の受粉に全てをかけるんでありますな。
あ~~私も「儚い美」に出会い、「儚い恋」をしてみたい・・・・一夜限りの恋い、そして、もう一つの花言葉「快楽」あればそりゃもっと良い。
「けっきょくは、後腐れのない一回ぽっきりのお付き合いがしたいって、それだけだろ」
「いえ、一夜だけでも良いから本当の恋をしてみたいという・・・・ごめんなさい、そのとおりです。」
チャンチャン。
さて、今日の一枚は、アート・ペッパーです。
「残り物には福がある」的アルバム「THE WAY IT WAS !」(季節的には「AUTUMN LEAVES」が収録されているこちらの方が良かったかもしれません。 )にも一部収録されている、ペッパーのコンテンポラリー初リーダーセッションの全容を聴こうと思えば、今日のこのアルバムということになります。
トリスターノの愛弟子ウォーン・マーシュを向こうに回しがっぷり四つ、というより、親友が楽しく飲んでいるってな感じですかね。後のペッパーとマーシュを考えると、ちと違和感もあるのですが。
それでも、よくよく聴いてみると、どこまでもクールなマーシュと、やっぱりついつい燃えてしまうペッパーが、「イカンイカン、ほどほどにしなくちゃ」的なところもあったりして、そこが面白いアルバムでもあります。
本日はCDでの紹介です。
ART PEPPER WITH WARNE MARSH
1956年11月26日録音
ART PEPPER(as) WARNE MARSH(ts) RONNIE BALL(p) BEN TUCKER(b) GARY FROMMER(ds)
1.I CAN'T BELIEVE THA YOU'RE IN LOVE (TAKE 1)
2.I CAN'T BELIEVE THA YOU'RE IN LOVE (TAKE2)
3.ALL THE THINGS YOU ARE (TAKE 1)
4.ALL THE THINGS YOU ARE (TAKE 2)
5.WHAT' NEW
6.AVALON
7.TICKLE TOE
8.WARNIN' (TAKE 1)
9.WARNIN' (TAKE 2)
10.STOMPING AT THE SAVOY