JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

昭和歌謡に夢ひらく

2008年10月15日 | p-r

以前「物を捨てられない男」と自身を称したことがありましたが、これはどうも母親譲りの性格らしく、母の「いらない物整理」はここ数年幾度となく繰り返されてきました。
そんな中、昨日は自分の部屋の押し入れを整理したのだそうで、そこから出てきたのが必要性を疑う父の遺品の数々。
まっ、それでも母の思い出の品なら「捨てる必要は無いんじゃないの」と言ったのですよ、そしたら
「○○(私です)、こんなのも出てきたから、かあちゃんには分かんないし、あんたいるかいらないか見てくれっか」
と、段ボールいっぱいのレコードを渡されました。
父が亡くなって十数年が過ぎた今、記憶の扉の何処を開いても、父がレコードを聴いている姿は思い浮かびません。何時何処でどうやって聴いていたのか?

まず目立ったのは、ど~んと箱入りの国際情報社発刊『日本民謡集 ふるさとのうた』という全16枚のLP全集でありまして
「おいおい、今どき小学校の音楽室にもこんなもんは無いんじゃないの?」
一枚取って盤面を見てみると、ほとんど聴いた形跡もありません。おそらくは会社のお付き合いか何かで買わされた類か、こういったセット物好き(これは先日遊びに来た姉に遺伝の兆候が見られますが)の血が騒いだか、どちらかでありましょうが、なんだかもったいないような・・・・

あとはEP盤も含んだ諸々。
「どれどれ、春日八郎に村田英雄、ふむふむ、日野てる子、倍賞千恵子、フランク永井に園まり、北島三郎・・・・・・ひぇ~~」
一貫性が全くありませんし、誰かが好きで買い集めたという風もない、さほど興味もなく買ってしまったという感じでしょうか。

そんな中、ちょっと嬉しいというか、興味が湧いたのは、EP盤2枚、西田佐知子と緑川アコであります。

小学校1年生の頃、近くに父方の伯母夫婦が住んでおりました。義理の叔父は土木建築業でそこそこの会社を経営しておりまして、まっあの頃は地方の何処にでもいた「土建成り上がり小金持ち?」だったわけで、子どもがいないにもかかわらず、レーシングカーのセットなんてものを持ってたんですねぇ、私はそれを借りるのが楽しみでたまに遊びに行っていました。そんな時、いつもバックに流れていたのが西田佐知子だったんです。(なんと当時ステレオを叔父は持っていました。)
 ♪ アカシヤの雨に打たれて このまま 死んでしまいたい ・・・・♪
 (違う違う、アカシア)
今でも、歌詞を覚えています。
その西田佐知子の「コーヒールンバ」が出てきたのです。
ほら、陽水がカバーしたあれです。(ザ・ピーナッツも歌っていましたが、陽水がカバーしたのは西田佐知子が歌った歌詞でした。)
昨晩ヘッドホンで聴いてみたら、なんとも良い声ですねぇ、関口宏一人のものにしておくにはもったいない(笑)

緑川アコは「夢は夜ひらく」でありますよ。

 ♪ 七に二をたしゃ 九になるが
   九になりゃまだまだ いい方で
   四に四をたしても 苦になって
   夢は夜ひらく ♪

お~~といかん、これは三上寛だ(笑)

 ♪ いのち限りの 恋をした
   たまらないほど 好きなのに
   たった一言 いえなくて
   夢は夜ひらく ♪

こっちが、緑川アコ・バージョンでありました。
この歌もいろんな人がカバーしていましたよねぇ、私は藤圭子の「圭子の夢は夜ひらく」世代ですかね。(印象に残っているのは、三上寛なんですが...笑)

 ♪ 赤く咲くのは けしの花
   白く咲くのは 百合の花
   どう咲きゃいいのさ この私
   夢は夜ひらく ♪

いちいち歌うこたぁないって?
ともかく、父のレコードが出てきて、これをどうしようかと思案中です。
テープなんていうんだったら処分もやぶさかではないのですが、レコードとなるとねぇ・・・・
おそらくは母親譲りの「物を捨てられない性格」が、このレコードも守り続ける事へとなるのでしょうけどね。

 ♪ 夢は夜ひらく 唄っても
   ひらく夢など あるじゃなし
   まして夜など くるじゃなし
   夢は夜ひらく ♪

「うるさ~~~い!!!!!!」
「・・・・・・・・・・!?」
昭和歌謡に夢をひらいても、大声で歌っちゃいけませんわね。(笑)

さて、今日の一枚は、バド・パウエルです。
アル・ヘイグを紹介したら、やっぱバドでしょ、てんで考えてみたのですが、おそらくバドの所有アルバムはほとんど紹介済みだったような・・・・・・
いやいやいや、このアルバムを紹介していなかったとは、これも「こんなメジャーを紹介しても・・・」みたいな変な考えがはたらいたのでありましょうか?

このアルバムは、今は亡き我が親友I君が、最も愛した一枚でます。
彼の部屋で何度「クレオパトラの夢」を聴いたことか・・・・・

すでに過去の人となりつつあったバド、フランシス・ウルフが撮影した写真を見て、「今度のアルバムのタイトルはTHE SCENE CHANGESにしよう。」
年以上に衰えを感じさせる自分自身、それをのぞき見る息子アール・ダグラス・ジョン・パウエル、この写真にバドは何を感じとったのでしょうか?

超人気盤ですから、説明は不要でしょう。「クレオパトラの夢」を聴きながら、「親友の夢」でも今晩は見ましょうか、まさに「夢は夜ひらく」ってとこかな。

THE SCENE CHANGES / THE AMAXING BUD POWELL Vol.5
1958年12月29日録音
BUD POWELL(p) PAUL CHAMBERS(b) ART TAYLOR(ds)

1.CLEOPATRA'S DREAM
2.DUID DEED
3.DOWN WITH IT
4.DANCELAND
5.BORDERICK
6.CROSSIN' THE CHANNEL
7.COMIN' UP
8.GETTIN' THERE
9.THE SCENE CHANGES


今や一合にもならず

2008年10月14日 | g-i

「バブさん、髪の毛っちゃ今でも売れるのかねぇ」
これから昼飯を食べようかという人間を捕まえて、顔を見た瞬間にする質問では無いと思うのですが?

私がランチをとろうと店に入る前、「カツラは人毛なのか?人毛だとすりゃどっからどう調達してるのか?」というどうでも良い話で盛り上がっていたんだそうで、
「かみさんがね、ウイングっていうの、アレ買ってさぁ、これは人毛だって言うから、今どき人毛なんてあんのか?てな話になってね」
とは、常連のTさん。
とりあえずは「ウイングじゃなくてウィッグだろ」という突っ込みは心にしまい
「カツラや付け毛には人毛が使われていると思いますよ」
と私。
「でも、昔ならともかく、今の世の中、髪を売って金にしたなんて話聞いたこと無いよなぁ・・・・・カツラの毛っちゃ何処から仕入れんだろ?」
「さぁ?」

偶然というか、奇遇というか、食事を取り終えて珈琲を飲んでいると、3年ほど前に某メーカーのかつらを購入したNさんが来られまして。
「ぷっ?!?!?!?!」
失礼しちゃいますよね、マスターとTさん、それに私も思わず吹き出しそうになってしまいました。
まっ、すでにカミングアウト済みで、気心知れた仲ですから、いきさつを話すと
「あ~~、カツラの髪の毛はほとんどが輸入品ですよ。シャンプーとかリンスといった合成洗剤を使ってたり、パーマとか染め毛とかしてたりした髪はカツラに使えないんですよ。だから文明に汚染されていない地域の髪を輸入して使ってるって聞きましたから。」
「さすが」(三人の声)

「そんじゃやっぱり、着物も何にも全て質に入れちゃって、後は髪をおろすだけだ、なんて話は今じゃやりたくても出来ねぇってこった。」
「そうっすねぇ、オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』も今は昔ですよ」
オー・ヘンリーを思い浮かべるとは、Nさんは偉い!

「ねぇねぇ、オー・ヘンリーもいいけど『あと一合』って小咄知ってます?」とは、私。

とある長屋住まいの貧乏夫婦。
働きが悪くて酒好きというそりゃあ始末が悪い旦那(私の事じゃありませんよ)は、その日もいつものように、奥さんがなけなしの金で買っておいた酒を飲み干してさらに、
「お~い、酒が切れたぞ、すぐに行って買ってこいや」
「買ってこいったっておまえさん、買うお金がありゃしませんよ。」
「なにを言ってやがんでぃ、なけりゃ、なんでも売っ払えばいいじゃねぇか。え、そのくれぇの才覚をするってぇのが女房でぃ、行ってこい、コンチクショウめぇ」
一度言い出したら聞かないことは鼻から承知のおかみさん、黙って家を出て行きましたが、間もなく一升の酒を持って帰ってきます。
「おう、みやがれやっぱ売るもんがあったんじゃねぇかぁ、えぇ、何売っ払って買ってきたんでぃ」
「おまえさん、これがほんとに最後のお酒だからね、これを飲んだら働いておくれよ。」
「だから、何を売っ払ったのかってきいてんだよぉ」
「ほんとに最後の最後、これさぁ」
と、おかみさんがほっかむりをとりました。すると何と丸坊主、
「おっおめぇ・・・・」
さすがの旦那もこれには心痛んだんでしょうねぇ
「う~~ん、俺が悪かった、かんべんしてくれぇ・・・・・」
と涙を流し、翌日から酒をキッパリ止めて真面目に働いた・・・・・・・・
これじゃあ、オチにもなりません。
旦那はしっかり反省をしたんですよ、反省したから、その晩は夫婦仲良く布団の中へ、旦那がおかみさんの前へスーッと手を伸ばすと
「おっおい、おまえ」
「な、なんだい、おまえさぁぁぁん」
「ここに、あと一合残ってる・・・」
おあとがよろしいようで。

さて、今日の一枚は、アル・ヘイグです。
昨日のコルトレーンからは飛びすぎだろうってですか?まぁまぁ。
バップ期を代表する白人ピアニストですが、同じ白人バップ・ピアニスト、ジョージ・ウォーリントンと比べるといくぶん知名度は低いんでしょうか?
一方、音楽に対するストイック取り組み姿勢にたいし、一部熱狂的なファンがいるのも確かです。
考えてみれば、我がブログでも彼のリーダー盤は初の紹介かもしれません。

このアルバムは、ギターを入れた変則カルテットによる演奏です。
アドリブをバンバン聴かせるというスタイルではありませんし、ギターが入ることでストイックな部分がいくぶん和らいでいる演奏でもありますが、彼の良さは充分に聴き取れる一枚だと思います。

AL HAIG QUARTET
1954年録音
AL HAIG(p) BENNY WEEKS(g) PHIL BROWN(ds) TEDDY KOTICK(b)

1.SWEET LORRAINE
2.TEA FOR TWO
3.YOU GO TO MY HEAD
4.YOU STEPPED OUT OF A DREAM
5.UNDECIDED
6.MAN I LOVE
7.WOODY 'N YOU 
8.STELLA BY STARLIGHT
9.SOMEONE TO WATCH OVER ME


異常発生!体内時計にカツ!

2008年10月13日 | a-c

最近少々疲れ気味なのでしょう、昨日は変な一日で、趣味部屋の掃除やら散歩やら買い物やらとりあえずの用事を済ませ、CDを聴きながら本など読んでおりましたらスーっと睡魔に襲われ・・・・
「そろそろ夕飯作らないと遅くなっちゃうんじゃないの?」
と起こされるまでぐっすり
夕食時にビール一本、日本酒二合ほどいただき、テレビでニュースなんぞを見ていたらまたしても睡魔が・・・・
今度は誰も起こしちゃくれません。ハッと気付いたらなんと夜中の2時をまわっているではありませんか。
「もういいや、風呂は明日の朝」
てんで布団にもぐり込むと、不思議なものですねぇ今度はなかなか寝付かれないのであります。
右にゴロゴロ、左にゴロゴロ、掛け布団を抱きしめてみたり、枕の下に手を突っ込んだり、得意の妄想を巡らしたり
「・・・・・・・・寝られない」
ほんじゃまぁあきらめてブログの更新でもとも考えたのですが、これも変に体が許さないのです。
結局、寝たんだか寝てないんだか分からないまま朝の6時頃に珈琲をたてておりました。

考えてみれば、ここ数週間、Mさんのお店の手伝いはもとより、深酒もありましたし、運動も全くしていない状態ですから、体内時計が異常を起こしても不思議ではないわけで、
「そうだ今日は体育の日じゃん!」
一念発起ではありませんが、朝食前に30分ほど走って(?歩いて?)きましたよ。体いっぱいに朝日を浴びる「体内時計調整にはこれが一番」と心に念じながら
「まだまだ青春ダァ~~~!!!!」
帰宅後、昨夜風呂もお休みしてしまったので、オヤジ臭を根こそぎ取り去るくらいに体をこすりながらシャワーを浴び、
「飯、飯」(体内時計は狂っても腹時計が狂わないのは何故?)
たらふく食べて、ソファーに腰を下ろすと・・・・・・・
え~~~ん、また睡魔が

ともかく、昼近くなった今もその睡魔と戦闘の最中です。今日は何としてもこの睡魔に打ち勝ち体内時計を正常に戻して見せますよ。ただ、心配なのは午後行われる大学駅伝、これは見逃せないわけでして、見ている間に絶対に眠くなりますよねぇ

「いや、俺は正座しながら見る、足をつねりながら見る、絶対に眠らないゾォ~~~、これ、奥よ、熱い恋、いやいや熱い濃~~~い珈琲をもてぇぃ!!!!!」
「自分で入れな」

さて、今日の一枚は、眠気が覚めるようなのじゃないといけませんよねぇ・・・・
リズムを全面に押し出したようなサンバ?サルサ?いやいや、ここはコルトレーン大明神にお願いいたしましょう。
しかも、まさに精神世界を奏でるようなディオを聴いて、身を清めるのでありますよ(笑)
えっ?こんなの聴いたらなおさら眠くならないかって?
何をおっしゃいます。最初から最後まで目を閉じながら聴き入っても、私が眠気に誘われることはけしてありません。

この録音を、コルトレーンの総括ともいえる「EXPRESSION」の二回の録音の合間に行われたプライベート録音のようにおっしゃる方もいますが、私は、この時期のコルトレーンにとってプライベート録音だの本チャンの録音だのという、俗っぽい考えは無かったのではないかと思っています。
とはいうものの、ボロボロの体力の中ライブ演奏を控え、2月15日「STELLAR REGIONS」「EXPRESSION」、2月22日はこのアルバム、3月7日「EXPRESSION」という録音をこなす、同年4月にインパルスと4万ドルの前払い金を一年ごとに支払う条件で2年契約を結んだことも、3月に生まれた(生まれる)三男オランや最愛のアリス、そして他の家族の今後を想い、より多くの録音を残すという考えもそこにはあったのではないか?これは、完全な私の推測ですが(笑)

ともかく、ここではソプラノは無し、テナー一本で吹きまくっています。
この頃のコルトレーンのテナーは、研ぎ澄まされすぎて、その純粋さにすでに私などの精神では計り知れない領域へといたっていることを感じずにはいられません。
そのせいでしょうか、何度聴いても本当の理解は不能です。でも、それが私にとっては最大の魅力なのです。
聴くたびに自分自身の心の変化を発見できるというか、コルトレーンのテナーに反応する細胞が毎回違うというか・・・・

一曲目「MARS」で、ラシッドのハイアットからコルトレーンの演奏が始まればもう「どの曲がどうだ、ギリシャの神々がどうだ」なんてこたぁどうでもいいんです。ただただ、コルトレーンの音に身をゆだね、素直に心を解き放つ、するとコルトレーンではなく自分自身が見えてくるはずです。・・・たぶん(笑)

INTERSTELLAR SPACE / JOHN COLTRANE
1967年2月22日録音
JOHN COLTRANE(ts) RASHIED ALI(ds)

1.MARS
2.VENUS
3.JUPITER
4.SATURN

おまけ、
そんなわけで、昨晩更新をしませんでしたので、今週は『料理当番、昨日の一品』であります。

「秋鮭の酒蒸し焼き、和風タルタル添え」です。
塩胡椒した鮭の切り身に酒をぶっかけ、アルミに包んでオーブントースターで焼きました。タルタルは、マヨネーズにケッパー、長ネギのみじん、ゆで卵のみじん、たくあんのみじん、梅干しのたたき(ほんの少々)、醤油を加えた和風タルタルです。

私は、こんな茸だらけのモノは喰いたかありませんので、前日夜中に仕込んだモツ煮を温めた豆腐入りでいただきました。


エンガチョはたんま

2008年10月11日 | d-f

どんよりとした曇り空から太陽が顔を出してきました。明日は秋晴れが期待できそうです。

一昨日ヘロヘロ酒を酌み交わしたママから昨晩またしてもメールが届きました。
まずは
「ブログにまた載せたねぇ」
とのおしかりの言葉。まぁまぁ、あれだけぼかせば誰だか分かんないって、知ってる人が見りゃバレバレだろうけどね。
「ところで今日の課題は『たんま』でした~ やだねぇ よっぱっぴぃは」
そうでした、いただいたテーマは『たんま』でありました。思い出させていただきありごとうございます。ただし「よっぱっぴぃ」はあんたもだよ。(笑)

「ちょっと、たんま
昔ずいぶん使った言葉です。鬼ごっこをしていても「たんま」、ゲームをしていても「たんま」、じゃれ合っていても「くくくくく、ちょちょい、たんま
今の子どもはあんまり使わないんでしょうかねぇ?「タ~イム」のほうがピンと来るのかな?
「たんま」の語源をひもとくと、「まった」の倒語、つまり「ズージャ」とか「ネーカ」とか「ナオン」っていう業界用語と同じ逆さ言葉だというのが有力な説だそうで、他にも英語のtime(もしくはtime out)が変化したとか、フランス語のtemps mort(タン・モォール)が変化したとの外国語語源説、「一旦待つ」の略だとか、「短間」のことだとか諸説あるようです。
でも、どうして広まったかは不明。しかも全国共通語になっているそうですから不思議ですよね。(ちなみに、関西には同意語で「みっき」っていうのがあるそうですが)

「たんま」もそうですけど、久しぶりに耳にするとなんだかとても懐かしくなる言葉ってありません?
先日、母の実家から新米と栗が届いたとき、
「そういや、昔は栗拾いによく行ったっけなぁ」
との私の話に母が
「昔は木になってる(落ちていない)のは取っちゃいけなかったけど、落ちてるのは拾って良いっていうきまりみたいなのがあったからなぁ、誰の林だろうと取りに行けたんだよ」
そこからは母の昔話です。
「秋場はいろんなのがなってて(実って)それがおやつ代わりだったから楽しがったなぁ、見つけっと「あんしょかけた」なんて言ってなぁ」
あんしょかけた??????」
つまり、見つけた者が「これは俺が見つけたんだから、もう予約済み、誰も採っちゃダメだぞ」という意味らしいのです。だけど「あんしょ」も万能ではなくて「あんしょきった」と言って、ズルしてそれを採っちゃうヤツもいたらしいですけどね。
そういうつまんないことが、遊びとして楽しかったんでしょう。
あんしょっちゃ何のことかなんだかは、わがんねがな」(かんぜんな方言だと思います。)
でも、妙にその「あんしょかけた」が懐かしかったんでしょうねぇ、母はしばらく余韻に浸っておりました。

「きった」といえば、私は「エンガチョ」を思い出します。(関西では「ビビンチョ」って言うんですか?)
ほら、犬の落とし物なんかを間違って踏んじゃったりすると「バブはエンガチョだぁ、エンガチョ、エンガチョ」ってあれです。
踏んだ以外のヤツは「エンガチョかぎしめた」なんていって、親指と人差し指で作った輪っかを左右の手でつないだりして、すると今度は「エンガチョきった」なんて手刀でそれを切るとおまじないも切れて「エンガチョ」がうつるみたいな。
各地区で微妙に指の組み方とか違ってはいたものの、基本的な使い方というか遊び方というかはいっしょでした。(転校族だったので土地土地でそれぞれのやり方を取得してました。笑)


エンガチョいろいろ

「エンガチョ」にされるのはじつに嫌でしたけど、他の子には平気で「エンガチョ、エンガチョ」言ってたんですから、今考えると子どもの残酷さが見え隠れしますよね。それでも今の「いじめ」とはいくぶんニアンスは違っていたようには思いますが。

ともかく、ママからいただいた「たんま」のお題から、そんな話を思い出したのでありました。

さて、今日の一枚は、じつに久々、帝王マイルスです。
いわゆる発掘盤CDでありまして、バードランドからのラジオ中継用の音源で、幸いにもほとんどの音源が録音されていたために日の目をみた演奏です。
8~10あたりは「MILES DAVIS - EDDIE LOCKJAW DAVIS - ART BLAKEY」なんてアルバムでたしか出てましたよね。

1951年という年が、マイルスにとってどんな年であったか、どん底ジャンキー・マイルスのの頂点でもあり、「DIG」で復活の兆しを見せるターニング・ポイントの年でもあることは、マイルス・ファンで無くとも周知のところです。
刑務所を出たばかりのマイルスに演奏場所を提供してくれるのは、バードランドくらいしかなかったようで、それと先に言ったラジオ中継が重なっていたことがこの音源を残した幸いなる偶然だったわけです。

肝心の内容ですが、音も悪く、マイルス自体も「DIG」と比べたら問題外と言ってよい演奏だと思います。
ただ、ムチャクチャ・マイルスが、あの「DIG」で見せた集中力をどうして出すことが出来たのか、私にはアート・ブレーキーの存在が大であったことを、このアルバムから感じ取れるようには思えるのです。
しかるにマイルスの演奏を楽しむというよりは、その背景を思いながら聴く楽しみ?
例えば
マイルスとブレーキーがいっしょにヘロイン所持で逮捕されたのは、前年9月15日、ジョージ・シアリング・クインテットとしてロサンゼルスのシュラインオーディトリアムで演奏した後のことでした。
マイルス本人は「当時、自分はヘロインを絶っており、ブレーキーがドラックで告発されるのを避けるために自分に不利な証言をした。」と語っていますが、マイルスの性格を考えると、もしそれが本当なら出所後ブレーキーとこういった演奏を行うことがあり得たのか?そんなことを考えながらこのアルバムを聴いてみたり、この頃のミンガスとの仲はどうだったんだろう?みたいな。(笑)

私は、この発掘盤CDを、そんな別方向から楽しんでいます。

MILES DAVIS BIRDLAND 1951
1951年2月17日[4-7], 6月2日[1-3], 9月29日[8-10]録音
MILES DAVIS(tp) ART BLAKEY(ds)
J.J. JOHNSON(tb) SONNY ROLLINS(ts) KENNY DREW(p) TOMMY POTTER(b)[1-7]
EDDIE"LOCKJAW"DAVIS, BIG NICK NICHOLAS(ts) BILLY TAYLOR(p) CHARLES MINGUS(b)[8-10]

1.MOVE
2.HALF NELSON
3.DOWN
4.OUT OF THE BLUE
5.HALF NELSON
6.TEMPUS FUGIT
7.MOVE
8.MOVE
9.THE SQUIRREL
10.LADY BIRD


ピ・ポ・ピ・ポ

2008年10月10日 | a-c

昨晩はまたまた飲み過ぎ、ビールに始まり灘の生酒(昨日は間違って伏見の酒と言ってしまいましたが)バーボンとフルコースを制覇して、そりゃもうあ~たペロペロですよ。いつもいつも反省するくらいなら飲まなきゃいいのにねぇ・・・・・・でもそうはいかんのですなぁこれが。(笑)

私が酔うのはいつものことですが、昨夜は珍しくママも酔っぱらって、最後は二人でわけの分からないことを話していたような????????
「あっ!これ明日のブログのテーマだねぇ」
なんて話もしたんですが、
「何のことだったっけ??????」
それが、いわゆる飲んで記憶を無くすってヤツじゃなくて、どちらかといえば老人性何とかに近い忘れ方なんです。
いかんです。我が脳細胞は徐々にアルコールに汚染されつつあります。

「滋養豊富」「風味絶佳」

べつに四字熟語の勉強ではありませんで、昨夜ママの店から盗み帰った『森永ミルクキャラメル』のパッケージに書かれた文字です。
『森永ミルクキャラメル』、小さいときはよく食べました。といってもおまけ付きの『グリコ』とどちらが好きだったかと訊かれれば、おまけ付きにかなうものはありませんでしたけどね。

明治32年(1899年)、森永(創業者は森永太一郎、「森永西洋菓子製造所」としてスタート)が創業と同時に販売したのがこの『森永ミルクキャラメル』だそうですから(当初はバラ売り、量り売りだったそうです。)100年以上の歴史があるわけで、スタンダード商品は強いのですよね。
おなじみの箱入りで発売されたのは、大正3年(1914年)東京の上野公園内で開催された大正博覧会の特設会場だったそうで、これが評判となり間もなく一般販売が開始されたのだそうです。20粒入り10銭といいますから、当時の盛りそばとほぼ同額、たい焼き一つ1銭という時代背景から考えてもかなりの高額であったことが分かります。
昨日盗んできた『森永ミルクキャラメル』が12粒入りでしょ、ということは6銭・・・・・・今じゃたい焼き6個とは交換してくれないだろうなぁ(笑)
最近はシニア世代のウォーキング時に持ち歩く栄養補給源としてキャラメルが見直されているそうですが、当時は子どものお菓子どころか、紳士淑女の為の高級洋菓子だったのですね。

ともかく、ウン十年ぶりに食べてみました。
あの歯にネチョネチョくる感覚と独特の甘み、味は変わっていないように思えましたが、どうなんでしょ?
大きく変わったといえば、キャラメルそのものの形と包み紙ですね。私の記憶が正しければもう少し潰れた四角をしていて、ロウ紙みたいなのに包まれていたように覚えています。
夏場なんか、キャラメルが包み紙にへばり付いていて、歯でこそぎ取るように食べたりして、バラのそれをポケットに入れて置いて酷い目にあったなんて事もありましたねぇ
それとそれと、時代はもっと後ですが、森永製品のコマーシャルで必ず最後にエンジェルがふり向くシーンがあったじゃないですか、あの「ピ・ポ・ピ・ポ」ってやつ、何故かあれを思い出すんですよねぇ

そんな懐かしい光景を思い浮かべながらの一粒でありました。
「でもなぁ・・・・・・」
盗んできたのはいいものの、二粒目には手が出ない私でしたとさ。

さて、今日の一枚は、チェット・ベーカーです。
プレスティッジに残したチェットのマラソンセッション。3日間で32曲、5枚分をレコーディングしたんですから、マイルスもビックリみたいな(笑)
またその5枚のアルバム名がなんとも「スモーキン」「グルービン」「カミン・オン」、そして今日の「クール・バーニン」「バッピン」と、まさにマイルスのマラソン・セッションを意識したネーミングです。

「皮下注射の針先にしか欲求不満をぶつけることができなかった10年を経て、彼の演奏を知り尽くし、愛してやまなかった我々は、チェット・ベーカーがくだらない作品の山だけを残して一生を無駄に終わるようなことにならなで欲しいと、どれだけ祈ったことだろうか」(ジャック・マッキネイ)

マイルスのマラソン・セッションと確実に違うところは、「いつまたチェットが向こうの世界に行ってしまうか分からないし、もう戻ってこないかもしれない、ならば今のうちにできるだけレコーディングしちゃおう」的な、じつに後ろ向き志向が働いているように思える点でしょうか。
結局この年、チェットに入った仕事はこれ一本だったなんて話もありますし、そんなプレッシャーも彼がまたあちらの世界に向かう原因の一つだったのかもしれません。

さぁ、そんなチェットのトランペットを、さすがと聴くのか、以前のハリは何処に行ったのかと聴くのか、それは、このメジャーとは言えないマラソン・セッションを聴いて判断してみてください。

COOL BURIN' / CHET BAKER
1965年8月23~25日録音
CHET BAKER(flh) GEORGE COLMAN(ts) KIRK LIGHTSEY(p) HERMAN WRIGHT(b) ROY BROOKS(ds)

1.HURRY(MONO)  
2.I WAITED FOR YOU  
3.CUT PLUG  
4.ETUDE IN THREE  
5.SLEEPING SUSA


末は博士か・・・・

2008年10月09日 | j-l

昨晩は酒も飲んでいないのに帰宅時間が12時をまわってしまい、風呂に入って一杯飲んだらバタンキュー、今朝仕事に出掛けても空あくびなんぞばかり出てきて、
「バブさん、昨夜飲み過ぎた?」
「何言ってるの、バブさんが飲み過ぎた次の日は、ムチャクチャお酒臭いけどあくびなんてしないんだから」
あらま、よくご存じで、そうなんですよねぇ深酒の寝不足はさほど体にひびかないんですが、酒も飲まずの寝不足は体にこたえてこたえて・・・・・・
って、違いますよ、ここ一週間ばかりなんやかやと忙しくて、少々バテ気味なだけです。

そんな折、今日予定していた仕事がキャンセルに
「やったぁ~~~!!午後から有休取っちゃおうかなぁ~~~~~」

じつは昨晩、帰宅直後にいつものバーのママからメールなんぞが入ってきまして
「明日あたり居酒屋でもどいですか?」
とのありがたいお誘い、それがあったもので『有休』は取らなかったものの、今日は仕事を早めに切り上げたというわけです。
シ・カ・タがないのでこれから飲みに行ってきま~~~す、よ。(笑)

ところで「世界同時株安は、世界恐慌の始まりか?日本でも一般生活に影響必至」等々、なんだか暗~~い話題ばかりの中、昨日までに4人もの日本人がノーベル賞受賞という、なんだか心がウキウキするようなニュース(まっ私には直接それが大きく影響するわけではないのですが)、素直に誇らしいですよね。

「う~~ん、昨日の三人の研究よりは、いくぶん分かりやすいかなぁ」
とは、ランチを食べに行った喫茶店の常連Nさん
「そうだよね、発光するタンパク質がいろんなところに役立っているっていうのは何となく理解できるけど、一昨日の対称性の破れだの、クォークの数がどうだのいう話はチンプンカンプンだもんなぁ~~~文系の俺としても」
と私。するとマスターが
「おいおい、バブさんは理系でしょ」
ナイス・タイミングのナイス突っ込みです。
「いやいや、理系っていっても、俺のばやい、物理が苦手だったから化学を専攻したんだから、あれで英語が出来てりゃ経済に行ってたと思うよ。」
つまり、得意科目がなにも無かったということでありますけどね。(笑)

そんな中、私とは全くラベル、いやレベルは違いますが「英語が大の苦手」とおっしゃる益川博士、良いですねぇ~~あのキャラ、そして「日本国憲法第9条を変えるな、変えさせるな」という『九条の会』のメンバーとしての平和活動も素敵だし、「英語が苦手なのは、名前(敏英)のとおり英語に敏感過ぎるからじゃありませんか」とお答えになった奥様もまた良い、いっぺんにファンになってしまいました。

「でもなぁ~~学生時代に益川博士とお会いしてれば、英語コンプレックスの俺も化学博士になってたか」
「無理無理、所詮凡人は凡人よ。」
あっ!マスター、またまた素早い突っ込みありがとうございます。(笑)

ともかく、ノーベル賞に4人いっぺんにというのは、とても気持ちが良いわけで、これを機に子供たちの理系離れに歯止めがかかり、新たな人材が育つことを期待してしまいます。(できれば海外に流出して欲しくないけど・・)
「末は博士か大臣か」
できるなら、今の子供たちには四氏のような立派な博士を目指していただいて、何処かの無意味な大臣にだけはならないよう願いたいものです。
おっと、それからこの勢いに乗って村上春樹のノーベル文学賞・・・・あるかなぁ????

さて、今日の一枚は、ユセフ・ラティーフです。
独特なエキゾチックさというか、アチャラ風というか(アチャラって何処だ?)その雰囲気のせいでしょうか好き嫌いがハッキリするリードマンであるように思います。

このアルバムにしても、例えば最初の「GOIN' HOME」のタンバリンでの出だしなんか、「ちょっと考え過ぎじゃないの」みたいな臭さを感じるのもたしかです。
ところが、私の場合、先日も触れたように弓弾きというモノに弱いという弱点がありまして、それがたとえお堅いロン・カーターでも、何気に聴き入ってしまうのであります。ましてオーボエって・・・・・
オーケストラの演奏を聴くとき(最近あまり聴きませんが)私はついついオーボエの音を探しにいくくらいオーボエの音が好きでして・・・・・

チェロの弓弾き+オーボエの音、ほら、不意にやられた膝カックンみたいな、無条件に力が抜けちゃうみたいな、私の場合そんな感じがあって「演奏内容云々を言う前にカックン」なのであります。
じつは昨晩、このアルバムを寝る前にザックリ聴いたのですが、これといった面白味のあるアルバムだとはけして思いませんでした。
それでも「SALT WATER BLUES」なんか「カックン」・・・・わかるかなぁ、わかんねぇだろうなぁ
所有盤はCDです。

THE THREE FACES OF YOSEF LATEEF
1962年1月30日録音
YUSEF LATEEF(ts,oboe,fl) RON CARTER(cello) HUGH LAWSON(p) HERMAN WRIGHT(b) LEX HUMPHRIES(ds)

1.GOIN' HOME
2.I'M JUST A LUCKY SO AND SO
3.QUARANTINE
4.FROM WITHIN
5.SALT WATER BLUES
6.LATEEF MINOR 7TH
7.ADORATION
8.MA - HE'S MAKIN' EYES AT ME

おまけ、
というわけで、これから飲みに出かけてきます。
「焼き鳥に日本酒(京は伏見の酒が飲めるんですねぇ)・・・でへへへへへ、19時、鳥○だよね、ママ~~待っててねぇ~~!!」


秋の香の大津波やぁ~~

2008年10月07日 | v-x

今朝眠い目をこすりながらトイレに立つと、その場所には似つかない良い香り、毎年の秋を感じる瞬間です。たしか去年も書いた記憶がありますが、トイレの窓の外に咲くキンモクセイの香りです。
それにしても、昨日の朝は気付かずにいたのが、だった一日でこれほど香るようになるとは「金木犀の香、恐るべし」
仲秋の名月を観ることもなく、早季節は晩秋へと向かっているわけですねぇ・・・・・
おっとっと、大切なモノもしまわずに香りに酔っている場合ではありませんでした。(笑)

「キンモクセイ、いつの間にか咲いたんだねぇ」
「あ~~、昨日の午後あたりから香ってきてたよ。」
すると母が
「あっそうだ、今日魚屋にまわる暇あっか?」
昨日母の実家から荷物が届いたので、お返しに秋刀魚でも贈りたいというのです。
「荷物??????」

「やったぁ~~~!!!!!」
秋最大の贈り物『新米』でありますよ。
つきたての輝く米、『金木犀の香』など忘れてしまうほどの秋の香りがほとばしっています。
「ということは、今朝の飯は新米かい?」
「う~ん、今の米を食べちゃってからにしようかと思って」
何をおっしゃいます。せっかくの『つきたて新米』を喰わずしてなんとしましょう、送ってくれた親戚にも申し訳ないじゃござんせんかぁ
「今ある米は後にして、せっかくの新米からいただこうよぉ」
いつも却下ばかりされる我が提案も、今回ばかりは無事バブ家内閣の承認を得まして
「やった、やったぁ~~~!!!!!明日の朝は新米だぁ~~~!!!!!!」
明日の朝は、さらなる『秋の香』を楽しめそうです。


スーパーなんかで売っている『お嬢様栗』と違い
粒は揃っていませんが、味は良いんですよぉ

さらにさらに、
親戚とはありがたいもので、新米とともに栗まで送ってくれまして
「栗は栗ご飯にもするけど量があるから、茹で栗にしておくから」
うほっほ~~い、『秋の香』は夜もやって来たのでありました。

ほんとこの時期、『秋の香』ってヤツは波のごとく次々と押し寄せて来て・・・・・幸せですよねぇ
「こりゃすごいですねぇ、まるで秋の香の大津波やぁ~~~~~」
夏バテなど何処吹く風と乗り越え、今年も彦摩呂に負けず劣らずの体型を維持した私。
「天高くバブ肥ゆる秋」は、こうして深まっていくのですよ。

さて、今日の一枚は、ジョージ・ウォーリントンです。
あはは、『秋の香』とは全く関係ありません。
ジャッキー・マクリーンに2日連続でご登場いただいたので、60年代ではなく50年代のマクリーンをと思い引っ張り出したのが、ウォーリントンの「LIVE! AT CAFE BOHEMIA」でありまして、すると今度はウォーリントンを久々に聴きたくなって、「JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE」そして今日のアルバムと聴き進んでいったと、まぁそんなわけです。

ここでのアルト・サックスは、マクリーンではなく「JAZZ FOR THE CARRIAGE TRADE」に引き続いてのフィル・ウッズですけど、これがまたよろしいんですよねぇ。出だしの「IN SALAH」でのテーマの後のソロ、ここでもうやられてしまいます。
ウッズとドナルド・バードのコンビネーションもバッチリでノリまくり「いったいこのアルバムのリーダーは誰なんじゃい」と突っ込みを入れたくなってしまいます。
私としての唯一の不満はそこでありまして、肝心のウォーリントンのピアノをもう少しじっくり聴きたいなぁという気持ちは残るんですけど。
まっ、ピアノ・トリオの「GRADUATION DAY」もあるし、誰がリーダーであれ気持ちの良い一枚には違いないわけですから、それで良しとしましょうよ。

THE NEW YORK SCENE / GEORGE WALLINGTON
1957年3月1日録音
GEORGE WALLINGTON (p) DONALD BYRD (tp) PHIL WOODS(as) TEDDY KOTICK(b) NICK STABULAS(ds)

1.IN SALAH
2.UP TOHICKON CREEK
3.GRADUATION DAY
4.INDIAN SUMMER
5.DIS MORNIN
6.SOL'S OLLIE

追伸、
俳優、緒形拳さんがお亡くなりになったそうで、享年71、まだチト早い気がします。
「NHKの大河ドラマ」そして「必殺仕事人の藤枝梅安」、邦画をあまり得意としない私でも観た『砂の器』『鬼畜』なんかがすぐ頭に浮かんできます。
舞台出身のまさに「役者とは」と唸らされる名優でありました。心よりご冥福をお祈りいたします。


母の皮算用

2008年10月06日 | p-r

  ♪ 闘魂こめて大空へ 
     球は飛ぶ飛ぶ 炎と燃えて
     おおジャイアンツ 
     その名担いてグラウンドを 照らすプレイのたくましさ 
     ジャイアンツ ジャイアンツ ゆけゆけ それゆけ巨人軍 ♪

雨模様の月曜日、慌ただしい朝に珈琲を飲みながら新聞を読んでいると、
「昨日、阪神勝ったんだなぁ」と母
昨日もジャイアンツのデイゲームを必至に観戦しておりましたので、阪神の動向が気にかかるのでしょう。
「残念だったねぇ、せっかくジャイアンツが勝ったのに」
ところが、母曰く「阪神は勝って良い」のだそうで、それがどうしてかと訊ねてみると
ジャイアンツはもう残り四試合全て勝つことに決まっているから大丈夫だというのです。
つまり、ジャイアンツと阪神の直接対決が一試合残っているので、ジャイアンツが全て勝つということは、阪神は必ず一つ負けるということになり、阪神が仮に他の全試合を勝っても勝率で完全に並ぶことになるんだそうで、(母がいつからこんなに野球に詳しくなったのか、とても不思議ですが)
「そうすると、ジャイアンツは阪神戦の勝ち越しが決まってるから、同率でも優勝はジャイアンツ」
これが母の皮算用です。
「だから、今日明日、阪神が勝っても大丈夫だから、気にしねぇの」
いやいや、ジャイアンツ・ファンの母は燃えております。(笑)

   ♪ 六甲おろしに颯爽(さっそう)と
     蒼天(そうてん)翔ける日輪の
     青春の覇気麗しく
     輝く我が名ぞ阪神タイガース
     オウ オウ オウオウ 阪神タイガース フレ フレフレフレ ♪

かく言う私も以前は「ジャイアンツが負けた翌日は新聞も読まない」というほどのジャイアンツ・ファンでありました。
「いかにも反保守的なあんたが、何故にジャイアンツ・ファン?」などと意味の分からない質問をされても
「しょうがないの、なんてったって親父の腹の中にいるときからのジャイアンツ・ファンなんだから」と、これも意味の分からない答えをしていたものです。

地方の野球ファンにとって、プロの試合、まして公式戦となると球場で観戦することなどそうそう出来ることではありませんから、小さな時からテレビ観戦をする父の脇で知らず知らずにジャイアンツを応援する体質が出来ていったのでしょうね。(始めて後楽園に観戦に行ったときのことは、未だに忘れません。)
そこそこの歳になるまで「枝豆・ビールで、ジャイアンツ戦のテレビ観戦」これが夏の贅沢だと完全に思い込んでいました。

それが、まずは愚妻に、そして子供達に、テレビチャンネルの主導権を完全に奪われ、バライティーやアニメのCMの間だけの観戦になり、終いにはそれもうっとうしいと禁止され「頼るはプロ野球ニュースのみ」みたいな(笑)
一人寂しく『ちっちゃなマイテレビ』っていうのもねぇ
いつしか、たまに飲み屋でテレビ観戦しながらの一杯がせいぜいになってしまったんですねぇ・・・・・・寂し~~~~!!
こうなってみると、今更テレビを独り占め出来るようになっても、なかなかそこへは戻れないもので、結局は観戦もせずに新聞やニュースで結果を知るという毎日に馴れてしまうんです。
この現実がテレビの野球中継を減らした要因なのでありましょうか?

我が永遠のヒーロー、ホークスの王監督も引退、何につけても3番と1番を取り合った世代には残念なかぎりです。
長嶋の選手引退で右肩を落とし、王の選手引退で左肩を落とすだけで済むと思ったら、さらに大好きだった高田(現ヤクルト監督)が選手引退ときたひにゃ、全身の力が抜けちゃいましたっけ。(笑)
そう思うと、テレビ中継云々の前に、あの頃から私のプロ野球に対する情熱は徐々に薄れてきていたのかもしれませんね。

王監督といえば、1977年9月3日、ハンク・アーロンのホームラン記録を抜いて世界新となったホームランも忘れられませんが、私はその前、世界記録に並んだ8月31日の対大洋戦でのホームランが忘れられません。

その日は、知り合いのジャズ喫茶で飲んでいたのですが(酒が飲める歳であったかどうかは・・・・)その店のマスターも含め、王のホームランが気になってしょうがありませんでした。
「え~~い、もういいや」
マスターの英断により店は臨時休業、奥様がべつに経営されていた料理屋へと全員で大移動です。
間に合いました。
「出た~~~!!755号!!!!カンパ~~イ!!!!!」
てなもんですよ。
多いに飲み過ぎて、結局はその店の座敷で寝てしまったという、思い出のホームランなのであります。

ともかく、父の意志を継いで未だ熱烈なジャイアンツ・ファンである我が母は、一人、皮算用に微笑むのでありました。

さて、今日の一枚は、昨日に引き続き大人のマクリーン(笑)参加のブルーノート版、フレディー・レッドの一枚です。

同じブルーノート盤「THE MUSIC FROM THE CONNECTION」から半年後、やはり全曲レッド、オリジナルのアルバムです。
レッドを取り上げるたびに言うようですが、レッドはピアニストというより作曲家として評価が高いのはうなずけますよね。ただし、後のレッドを思うと周囲のその認知は少し遅すぎた感はありますけど。

ハード・バップからの脱皮という点で、マクリーンは苦しみながらも何らかの答えを出していけたのに対し、ハード・バップの名作曲家レッドにそれは難しいことだったのでしょう。ヨーロッパの逃避にはそんな内面が見えるように思えます。

とにもかくにも、小難しい話はほっといて、素直にこのアルバムを楽しみましょう。
トランペットが入らないテナー、アルトのフロントという、ちょっと変わってるといえば変わった編成ですが、マクリーンのアルトが泣いてるんですねぇ(良い意味で)、ちょっとばかり心をくすぐられるのであります。ティナ・ブルックスとのやり取りもなかなかのもので「JUST A BALLAD FOR MY BABY」なんか「いやらしいほどそれっぽい」みたいな(笑)

「レッドは作曲家として評価すべし、そして、それを表現する演奏家はマクリーンであると理解せよ」と言わんばかりの一枚だと私は受け取っています。

SHADES OF REDD / FREDDIE REDD
1960年8月13日録音
FREDDIE REDD(p) JACKIE McLEAN(as) TINA BROOKS(ts) PAUL CHAMBERS(b) LOUIS HAYES(ds)

1.THESPIAN
2.BLUES-BLUES-BLUES
3.SHADOWS
4.MELANIE
5.SWIFT
6.JUST A BALLAD FOR MY BABY
7.OLE


オヤジ厨房に立つべし

2008年10月05日 | m-o

昨日は下水が詰まったり(S君に助けを求めましたが、「自分で突けばなんとかなる」と突き放されてしまいました。笑)買い物を頼まれたりとなんだか忙しくて、ふと気が付けばMさんのお店のヘルプの時間、更新する間もなく一日が終わってしまいました。

「バブさん、明日は何作るんですか?」
ブログを続けているおかげ(?)でしょうか、私が日曜日に夕食を作ることを知っている方が多くて、よくこんな質問を受けるようになりました。
べつに前々から次のメニューを考えているわけではないので即答には困るのですが、
「楽しみにしてますから」
なんて言われると、ちょっとしたプレッシャーを感じるのであります。

そもそも私が日曜の料理当番を始めたのは、
「おいおい、これで酒は飲めねぇだろう」
「なら、好きに作れば」
と、これが原因だったわけで・・・・・
このブログでも、いかにも「何で俺が料理当番?」的な言い方で、ちょっと迷惑そうに話してはいますよねぇ、だけど・・・・・
本当に苦痛であれば、すでに止めているでしょうし、基本的に私は料理が嫌いじゃないんだと思います。というか、一つの気分転換として楽しんでいる感もあります。

今思えば、私が始めて厨房に立ったときには、(料理当番になるよりはずいぶん前の話ですが)家人にとってじつに迷惑だったと思いますよ。
ぞくに言う『男の料理』ってやつで、まぁ食材はなんやかやと買い集め、ありとあらゆる道具を使いながら片付けもしない、レンジの周りは油だらけ、シンクの周りは水だらけ・・・・と、それは酷いものでした。
独身時代にやっていた料理はそこまで酷くなかったくせに、何処かで「良いとこ見せたい」という思いが、逆の結果を生むということだったのでしょう。

その点、こうして毎週料理を続けるうちにかなり進歩したと自分でも思っています。料理が終われば、プライパンの洗いだけが残っているくらいまで片付けは済んでますし、特別な+αの買い物をするわけでもありません。
さらに、始めの頃に比べれば、味も盛りつけも徐々に上手くなっているようにも思えます。(あくまで、あま~~~い自己採点ですが)
そして、ブログで『料理当番、本日の一品』を毎週続けていることも、「勝手な励み」になっているように思います。

今、全く趣味のない中年オヤジの方がいらっしゃいましたら、まず、最初は迷惑をかけることをご家族に了承していただいた上で、厨房に立ってみてはいかがでしょう。
あんがいハマッタリするかもしれませんよ。

「男子厨房に入るべからず」は古い、「オヤジ厨房に立つべし」
なんてね。

てなわけで『料理当番、本日の一品』です。
昨日もMさんのお店の女の子に「バブさん、明日は何作るんですか?」なんて訊かれまして、
「う~~ん、久しぶりに煮込みハンバーグでも作ろうかな」
てなひと言っちゃったものですから、今日は小さめのハンバーグを二品ワンプレート盛りです。

煮込みハンバーグにはトロ~リチーズ、焼きハンバーグはおろし添えの和風にしてみました。

レタス・スープも作ってみましたが、見た目より美味しかったですよ。

さて、今日の一枚は、ジャッキー・マクリーンです。
ブルーノートに残したブルース集でありますが、単なるブルース集とは呼べない一枚に仕上がっています。
それは、フレディー・ハバードの参加が要因なのか?それとも、しつこいほどに何テイクも繰り返しレコーディングされた執念なのか?

マクリーンが二曲、ハバードが一曲、ケニー・ドリューが三曲、それぞれが持ち寄ったブルースは、テイクを重ねるたびに脱皮を繰り返していったに違いありません。(はははは、全テイク聴いたわけじゃないので、あくまで想像ですが)
ともかく、そうして新世代ブルースの香りがプンプンする一枚が完成したのでした。
まぁみごとにドロッと感はありません。マクリーン節は当然健在なのですが、大人な感じがとてもするんですよねぇ・・・そう思うのは私だけ?
マクリーン自身も脱皮をしていったのかもしれませんね。

BLUESNIK / JACKIE McLEAN
1961年1月8日録音
JACKIE McLEAN(as) FREDDIE HUBBARD(tp) KENNY DREW(p) DOUG WATKINS(b) PETE LA ROCA(ds)

1.BLUESNIK
2.GOIN' WAY BLUES
3.DREW'S BLUES
4.COOL GREEN
5.BLUES FUNCTION
6.TORCHIN'


ナナメの関係

2008年10月03日 | m-o

気持ちよい秋晴れに誘われて、昨晩も仕事で遅くなったにもかかわらず飲みに行ってしまいました。(って、秋晴れは全く関係ないだろが!)

今日の朝日新聞生活欄に「大人の目を気にせず、はめを外せる『居場所』 駄菓子屋復権」なる記事が載っていました。
東京の杉並で高橋裕香子さんという方がやっておられる「あそびと駄菓子屋『たかさんち』」にやって来る子供たちの話が面白いんです。

子どもでも客は客。高橋さんとの関係は対等だ。親の悪口や先生の批判、愚痴をこぼす子もいる。子どもたちはここが大好きだ。「狭くてきれいじゃないところが落ち着く」(小6女子)、「家では開放的になれなくて。ここは友だちとしゃべれるから楽しい。」(中1男子)。

まるで飲み屋に集まるオヤジみたいなことを言ってるじゃありませんか。(笑)

「駄菓子屋的居場所」の特徴として、子どもたちが必ず集まる場所で、親や先生以外の大人がおり、やりとりを通して安心でき、楽に過ごせるいった点が浮かび上がった。
コンビニエンスストアとの違いは店番のおじちゃん、おばちゃんとのつながりがあること。
   <中略>
子どもは親や先生とのタテの関係で学び、友だちとのヨコの関係で育ち合う。が、時としてあつれきやいらだちが生じる。「駄菓子屋の大人とのナナメの関係の中では、子どもはほっとでき、発散できる。それは生きるエネルギーが育つ場でもある」

との〆のお言葉は安田女子大の澤田英三教授。

以前にこのブログでも、「最近は子ども達が(いい歳の大人まで)他の年代の人達と接する機会が減少しているのではないか」みたいな事を書いた覚えがあります。
完全なタテの相手でもなく、かといって完全なヨコの相手でもない「ナナメの関係」、まさにこれは一つのキーワードかもしれませんねぇ。
我々が子どもの頃は、たしかに「ナナメの関係」が成り立つ場所が存在していたように思います。それは、おじちゃん、おばちゃんが迎えてくれる駄菓子屋だったかもしれないし、近所のピアノを教えていたお姉さんがレッスン日以外の日を子供たちのたまり場に解放してくれたあの場所だったかもしれないし、我々をそっと見守っていてくれる大人が必ずいた缶けりの名所(笑)神社の境内だったかもしれないし・・・・・・・
思えば昔はそんな場所があたりまえのようにあったんですよね。

かといって、最近は公園のベンチで遊ぶ子供たちをじっと見ていたりしたら、不審者扱いされそうな気もしますし、話しかけるなんて以ての外という時代ですから、「駄菓子屋復権」にはおおいに期待したいものです。

それにしても、ママに愚痴を聞いてもらいながら飲んでくる私は、駄菓子屋に通っていたあの頃から、なんら進歩していないということなんでしょうか?
いやいや「ナナメの関係」は子どもだけでなく、大人にも不可欠な関係なのでありますよ、ね。

さて、今日の一枚は、カーメン・マクレエです。
昨夜いつものバーで飲んでいると、BGMが珍しくボーカルもの。(普段はノンボーカルのジャズなんですけどね)ユウセンだったのですが、ホリデイ、カーメン、サラ、エラと立て続けにオールスターズみたいな、これがまぁウイスキーに良く合うんですわなぁ(笑)ついつい深酒に誘われたわけでありまして、まっ、そんなんで選曲してみました。

ボーカルものはそろそろネタが尽きてきた感もある中、このカーメンの代表的アルバムがまだ残っていたのだとビックリもしました。こうして聴くとカーメンのバラードにはまたロックグラスを手にしたくなるような誘惑が秘められています。

まっ、ボーカルものですから、私のような素人がとやかく言うアルバムではないでしょうけど、カーメンのしっとりとしたバラード集は、ボーカル音痴の私でも納得の一枚です。

BOOK OF BALLADS / CARMEN McRAE
1958年12月録音
CARMEN McRAE(vo)
DON ABNEY(p) JOE BENJAMIN(b) CHARLES SMITH(ds) 他

1.BY MYSELF
2.THE THRILL IS GONE
3.HOW LONG HAS THIS BEEN GO
4.DO YOU KNOW WHY
5.MY ROMANCE
6.ISN'T IT ROMANTIC
7.IF LOVE IS GOOD TO ME
8.WHEN I FALL IN LOVE
9.PLEASE BE KIND
10.HE WAS TOO GOOD TO ME
11.ANGEL EYES
12.SOMETHING I DREAMED LAST

追伸、
今朝、
「栗ご飯がいい?白いご飯がいい?」
「何?今晩?栗?栗ご飯にすんの?」
「ん~ん、昨夜炊いたの栗ご飯。だから、それが残ってるから食べるかいってこと」
「・・・・・・・」
何も私が仕事で遅くなると分かっている日に「栗ご飯」を炊くこたぁないと思いません?私の大好物だと知っているくせに・・・・

ともかく今朝、一杯だけありつけることが出来ました。「秋だなぁ~~~~」