さて、前回述べたとおり、我々の耳にする音楽の多くは拍子・旋律・和声という3つの要素から構成されている。そこにはルネサンスからバロック、古典、ロマン派へとつらなる作曲理論が基軸にあり、多くの作曲家はその理論(対位法や和声理論)に従って音楽を「構築」してきた。それは文字通り「論理的な構築物」であり、調性理論に基づく和声法やフーガ、ソナタ形式などはその典型だと言えるだろう。
試しに下記の音源を聴いて頂きたい。これはあるコンピュータソフトに「君が代」のメロディーを打ち込み、automaticにコード(和音)をつけさせたものである(私は数回パソコンのキーを叩いただけだ)。若干違和感はあるものの、まあ聞けないことはない。終結部が西洋の楽理では解決できない(ここが日本のメロディーの面白いところ!)ので、不思議なことになっているが、それはご愛嬌だ。
コンピュータソフトによる「君が代」の全自動作曲
こんなことができてしまうのは、西洋の音楽理論がそれだけ強固に出来ているからに他ならない。そしてこれまで、「作曲」という行為はこの理論を身に着けた一部の特殊な職人(技術者と呼ぼうか)の仕事であった。(もちろん例外は枚挙にいとまがないのだが)
ところが、近年この状況に大きな変化が起きている。それは「DTM」=「デスクトップミュージック」の普及による「作曲者」の増大と、パラダイム転換とも言うべき作曲方法の変化である。トータルセリエリズムや偶然性の音楽についての解説を期待していた方々には申し訳ないが、次回はこの「変化」について詳しく解説したい。
試しに下記の音源を聴いて頂きたい。これはあるコンピュータソフトに「君が代」のメロディーを打ち込み、automaticにコード(和音)をつけさせたものである(私は数回パソコンのキーを叩いただけだ)。若干違和感はあるものの、まあ聞けないことはない。終結部が西洋の楽理では解決できない(ここが日本のメロディーの面白いところ!)ので、不思議なことになっているが、それはご愛嬌だ。
コンピュータソフトによる「君が代」の全自動作曲
こんなことができてしまうのは、西洋の音楽理論がそれだけ強固に出来ているからに他ならない。そしてこれまで、「作曲」という行為はこの理論を身に着けた一部の特殊な職人(技術者と呼ぼうか)の仕事であった。(もちろん例外は枚挙にいとまがないのだが)
ところが、近年この状況に大きな変化が起きている。それは「DTM」=「デスクトップミュージック」の普及による「作曲者」の増大と、パラダイム転換とも言うべき作曲方法の変化である。トータルセリエリズムや偶然性の音楽についての解説を期待していた方々には申し訳ないが、次回はこの「変化」について詳しく解説したい。
Love drop ¥200 Composer/Tomo Hirayama Jacket Design/Aya Sugano |