ひろばに来るKちゃんは、毎回先ず中に入ってくると、まずまっすぐにピタゴラスイッチ(C)のところに行き、小さな車をかったんかったんとすべり落として楽しむのです。
Kちゃんはそのおもちゃにとっても長い間執着して遊びます。ちいさい子の多くは次々とおもちゃを変えていくのですがKちゃんは違います。
次には、大きさの違うプラスチックの入れ物を順番に積み上げて高くすること(A)。これはかなり頭を使うのですが(大きさが違うのでなかなか積みあがっていかない)Kちゃんは何回も何回も試行錯誤しながら辛抱強く大きさを合わせ、ついには大きな順に高く積み上げられます。できると大満足顔。それからはめ込み式の大きなサイコロ(B)。○やら△やら、□やら、数字やらをあてはめて箱の中に落としていくおもちゃに挑戦します。
ある日、ひろばにいつものようにニコニコ顔で入ってきて、いつものようにピタゴラスイッチのところに一直線に行こうとしたところ、他の友だちがそれを使っているのを目にすると、顔がゆがんでしまい、立ちすくんで動けなくなってしまったのです。
Kちゃんのひろばに来るいちばんは、そのおもちゃを満足するまでたっぷり遊ぶことなのでしょうが、スタートで躓いて調子が狂ってしまうのです。そのおもちゃが、一寸違うサイズでもうひとつ隅っこで使われずにあるのを見つけスタッフがそっとKちゃんのところへもっていってあげました。これで半泣き状態だった顔も、目をまん丸にしたいつものKちゃんに戻りました。
ほんの小さな子どもたちでもだれが教えたのでもないのに、自分の大好きなおもちゃがあり、それにこだわっています。
Yちゃんは電車。TちゃんはKちゃんと同じようにプラスチックの積み上げカップ、Mちゃんはアンパンマンシリーズの小さな人形を、全部自分の指にはめ込んだり一列にきれいに並べたり。そしてNちゃんは買い物カートを・・・・・
などなど。
ひとつの遊びに夢中になるのって、子どもたちにとってとても大切なことですね。その世界にどっぷり入り込んでいる子どもたちの気持ちをさめさせない、そっと遠くから見守ってあげたり、本気で大人が付き合ってあげたり出来ると、子どもたちは心が穏かでいられることでしょう。
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