白い闇が続いていた。
目が覚めるたびに、自分がどこにいるのか確かめなくてはいけなかった。
ますますぼくは、昨日より前の記憶を失い続けていた
街を歩けば人にぶつかりそうになる
僕とぶつかる人たちは僕の過去も未来も、何も知らないし
なんの責任も持てない筈なのに
何故か僕に様々な親切なアドバイスとやらを言い残していく
僕の明日は不透明なままだった
それがある意味では、僕に残されたチャンスだったのか
それともそれは当然の報いだったのか
そんなことは僕にはわからなかった
人から与えられた強いしきたりは
厳しいルールとなって僕を絡めとる
僕は罰だけを受け続けルールからは逃げ続ける
誰かが道を用意するたびに、
僕は新たな道を探さねばならなかった
誰かが1度の暑苦しい熱を僕に伝えれば
僕は359度の可能性を失う
誰かに決められた自分には決してなりたくない
それは決意ではなかったが、
いつも流れは僕を飲み込み続けてきたから
僕にはその程度の反発心しか持てなかった
触れるものすべてに、現実の呪いがかかってるような気がした
目に見えるものだけは、信じてはいけない
与えられたものだけは、受け入れてはいけない
だけど僕は流れに押し流される
誰もが僕を決め付けたがっていた
誰も僕を必要としていなかったが、僕を必要とする人たちは
僕を背景にある砂の一粒として欲しがった
僕が居なくなると、砂粒ひとつ分、背景が失われてしまうのよ。だからあなたが必要なの。
そんな声が聞こえた。
僕の声なのか、相手の声なのか、誰が主体なのかは失われたままだったから
僕は主人公にならないように、
何の主人公にもならないように、目立つ場所で死に続けた。
ゆっくりと死んでいく僕を誰かに邪魔されたくはなかった。
この世界には逃げる場所がまだ見つからない
だから僕は死に続けるのか。
はやくどこかへ逃げなくては。
逃げても逃げても僕は失われる
次々と僕は死んでゆき、最後の一粒の僕が無くなる時、
僕は僕でなくなるだろう
最初の僕はどこへいったのか。
金でエゴは買えない。
だからもっと洗練し、発現し、鋭く尖った心で、僕は世界の端っこを削り取る。
なにかとぶつかるたびに僕は疲弊する
諦めと同じような臭いがする。
あの時と同じような匂いがする。
人が時を刻んでいるせいなのか
止まった時の意味は自動では刻まれない
流れる人の心が、時を刻んでいく
僕の心は時が流れない
しかし何かが刻まれる
記憶と引き換えに、僕は何かを失うのか
未来と引き換えに、僕は過去を失うのか
外部と引き換えに、僕は内部を失うのか
だけど騙されないよ。
外部なんて、本当にあるのかい?
僕の周りにあるのは死んだ目玉をはめ込まれたオートマータだけだ
カチカチとうさんくさい意味をしゃべり続ける人形たち
僕は意味を聞かない、言葉を聞く。
時々、声が聞こえる。
孤独の匂いがする。
少しだけ、僕は何かを知る。
何かを知るたびに、痛みと眠気が僕を包んでいく
肌色の、ぼんやりした暖かみが僕の周りを絶望的に取り囲む世界で
僕はいつでも眠り続ける
死んでいる、意味のない時間だけが、僕に優しい時間だから。
なんの始まりもない、何の価値もない人生だけが
心を潤す可能性だから。
僕はまた、目を瞑り寝ながら悩みの続きを考える
消え入るように、すべての境界が溶け出すように
目が覚めるたびに、自分がどこにいるのか確かめなくてはいけなかった。
ますますぼくは、昨日より前の記憶を失い続けていた
街を歩けば人にぶつかりそうになる
僕とぶつかる人たちは僕の過去も未来も、何も知らないし
なんの責任も持てない筈なのに
何故か僕に様々な親切なアドバイスとやらを言い残していく
僕の明日は不透明なままだった
それがある意味では、僕に残されたチャンスだったのか
それともそれは当然の報いだったのか
そんなことは僕にはわからなかった
人から与えられた強いしきたりは
厳しいルールとなって僕を絡めとる
僕は罰だけを受け続けルールからは逃げ続ける
誰かが道を用意するたびに、
僕は新たな道を探さねばならなかった
誰かが1度の暑苦しい熱を僕に伝えれば
僕は359度の可能性を失う
誰かに決められた自分には決してなりたくない
それは決意ではなかったが、
いつも流れは僕を飲み込み続けてきたから
僕にはその程度の反発心しか持てなかった
触れるものすべてに、現実の呪いがかかってるような気がした
目に見えるものだけは、信じてはいけない
与えられたものだけは、受け入れてはいけない
だけど僕は流れに押し流される
誰もが僕を決め付けたがっていた
誰も僕を必要としていなかったが、僕を必要とする人たちは
僕を背景にある砂の一粒として欲しがった
僕が居なくなると、砂粒ひとつ分、背景が失われてしまうのよ。だからあなたが必要なの。
そんな声が聞こえた。
僕の声なのか、相手の声なのか、誰が主体なのかは失われたままだったから
僕は主人公にならないように、
何の主人公にもならないように、目立つ場所で死に続けた。
ゆっくりと死んでいく僕を誰かに邪魔されたくはなかった。
この世界には逃げる場所がまだ見つからない
だから僕は死に続けるのか。
はやくどこかへ逃げなくては。
逃げても逃げても僕は失われる
次々と僕は死んでゆき、最後の一粒の僕が無くなる時、
僕は僕でなくなるだろう
最初の僕はどこへいったのか。
金でエゴは買えない。
だからもっと洗練し、発現し、鋭く尖った心で、僕は世界の端っこを削り取る。
なにかとぶつかるたびに僕は疲弊する
諦めと同じような臭いがする。
あの時と同じような匂いがする。
人が時を刻んでいるせいなのか
止まった時の意味は自動では刻まれない
流れる人の心が、時を刻んでいく
僕の心は時が流れない
しかし何かが刻まれる
記憶と引き換えに、僕は何かを失うのか
未来と引き換えに、僕は過去を失うのか
外部と引き換えに、僕は内部を失うのか
だけど騙されないよ。
外部なんて、本当にあるのかい?
僕の周りにあるのは死んだ目玉をはめ込まれたオートマータだけだ
カチカチとうさんくさい意味をしゃべり続ける人形たち
僕は意味を聞かない、言葉を聞く。
時々、声が聞こえる。
孤独の匂いがする。
少しだけ、僕は何かを知る。
何かを知るたびに、痛みと眠気が僕を包んでいく
肌色の、ぼんやりした暖かみが僕の周りを絶望的に取り囲む世界で
僕はいつでも眠り続ける
死んでいる、意味のない時間だけが、僕に優しい時間だから。
なんの始まりもない、何の価値もない人生だけが
心を潤す可能性だから。
僕はまた、目を瞑り寝ながら悩みの続きを考える
消え入るように、すべての境界が溶け出すように