嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

一瞬だけしかない一瞬の嘘で

2005年03月08日 21時12分36秒 | 駄文(詩とは呼べない)
僕は冷たい人間だ。

今日も僕の側には誰も居ない
孤独にはならない、寂しくもならない、
だけど大事なことは、話す相手が居ないということ。

道を行く人に名前を付ける
この都会には驚くほど、生きているものが少ないような気がして
なんだか不思議な悲しみに包まれる

この人が多すぎる街で、僕には話したい人が居ない
僕は街に何も期待していない
僕は僕に動機が無ければ
何一つとして、楽しむことなど、できはしない
夢も希望も絶望も無いのに、引力だけが僕をここに縛り付ける

僕はたぶん、言葉から、強く意味を読み取ることが出来ないのだと思う。
何故ならあらゆる物の名前には
名付けられた言葉の近くには
デジタル化できないほどの、曖昧さと深みと、鮮明な色使いと、そして息遣いと
やわらかい突き刺さる不気味な魂の音色が
そこには棲んでいたはずだから。

標準化され、整列され、記号化され、並べられた言葉の配列から
一体僕は何を読み取ればいいのだろうか
僕はそこから、僕の物語以外の、何を読み取ればいいのだろうか
僕には名付けられた物語が無い
僕が作り出した物語しか無い
僕の世界には歴史が無い
僕の生まれる前に塗りこめられた架空の歴史は、
僕が僕の生誕を祝福するための、言い訳の整合化としてしか、用意されてはいなかったから。

僕が生まれてから世界は始まり
僕の死によって世界は終わると
僕の二元的嘘は語るから、僕はそこにある真実味をジッと息を殺して味わう事でしか
僕が今の真実に辿り着くことはないから

誰も信じないということが、こんなにも誰かに優しいということを
僕は僕以外の人間に、いかにして語れば良いのだろうか

真実は、強く何かを引っ張るから
光は、突き刺さる炎の牙で噛み付くから
命は、絶え間ない暴力の中でしか、盛んに燃え広がらないから

僕は時間が欲しい
僕には僕が許可した二重性の歪みの空間においてしか
その限られた時間は僕を作らないから
僕を形作る、僕の構成要素のいかなる最小化されたドットも
僕の肉体を許し出す、本物の言い訳を作らないから

だから僕は僕自身のアイデンティティを破壊する矛盾の形でしか
肉体と言葉の乖離感の陶酔的牢獄の中でしか
僕らしい僕を存在させられないという
どうにもならない孤独が
大きなシステムの中で、表層だけを信じる
五感の表象による表象された真実の一瞬の刹那世界にしか
どんな立派な科学的屁理屈も
死滅する引力のもっとも純粋な真っ暗闇でしか
何の永遠も意味によって動きを与えられない

言葉は生まれる前から死んでいる
僕は名付けられた時点で居なくなっている

本当の事を一つだけ言うならば、
ここには言葉など、存在していない。

僕が居る、僕だけが居る。
僕以外は、この世界を感じることが出来ない。
僕は、世界以外を感じることが出来ない。

だから永遠の僕は居ない
言葉に永遠は無い
肉体に言葉は無い
削り取られた観念には嘘しかない

いつだってひとりきり
いつまでもひとりきり

もっと悲しむんだ、僕の宇宙が死んでしまうということを。