嘘の吐き方(うそのつきかた)

人はみんな嘘をついていると思います。僕もそうです。このページが嘘を吐き突き続ける人達のヒントになれば幸いです。

外部と対峙する事ができません。

2005年09月12日 19時28分21秒 | 駄文(詩とは呼べない)
大切にしていた人は
繊細な嘘吐きでした。

アルエと会った日にお守りとラブレターを彼女から受け取ったのですが、
その四日後には最後のメールが届きました。
「もう会えない、話せない、メールもできない」という内容でした。
そこには、今までの全てが嘘であったと書かれていました。

彼女と手を握って栗林公園を散歩した記憶は、まだほんの数日前で、
僕の中でその緑色の風景は鮮やかさを失っていません。

そして僕は、四国をぐるぐるまわって、何かを探しました。
例えば新しい家とか、街とか、田舎とか、空気の匂いとか、
おそらくは、僕を居させてくれる風景を探しました。

だけど僕には見つけられなかった。

数日前、僕は彼女に今まで誰にも話した事のなかった秘密の弱さを打ち明けました。
彼女は僕を「許す」と言ってくれました。
だからこそ僕は彼女に会おうと決めた。

だけどその全てが嘘なら、
醜く、きたなく、汚らわしい僕の生命活動は、きっともう許されない。

家に帰ったら、じいちゃんが死にました。今朝の話です。

僕はまた、死ぬチャンスを逃したのだろうか。
あるいは、今が決断の時なのだろうか。答えは出ない、頭がうまく働かない、
今はただ、死んだように深く眠りたい。

それでもきっと、
現実は僕を許さないだろう

テキストの敗北

2005年09月05日 11時15分35秒 | 駄文(詩とは呼べない)
意味を感じないものにとって
テキストは一体どれほどの効果があるのか
また、生を感じないものにとって
世界はどれほどの存在感を与えられるのか

惰弱な、邪雑な、猥感な、呪体な記号化された
自意識の灯籠のゆらめきの中で
生まれる前から消滅に似た形状をなし
終了した後でさえ発生に似た無痛の煉獄である宇宙において
世界は永劫回帰の変化の中に忙殺される

すなわち外部より埋め込まれた記号は
内部より配列化され、文脈化され、整序され、
意味を発する。
外部そのものは意味をなさない。
また、全ての意味を包含する。

読む必要も書く必要も無い
並びを見つめれば意味は発生し、消滅する
そしてまた、世界は並んでいない

君がこの文章から僕を読み解く事はできない
僕がこの文章から君を感じる事はできない
だからここに書かれた活字の死体はハードウェアでしかない。
ソフトウェアには昇華しない。

ソフトウェアとは、君のことだよ。

僕を好きになるための言い訳たち

2005年09月01日 03時04分40秒 | 駄文(詩とは呼べない)
電話をかける一秒は
電話をかける前の時間よりもはるかに短くて。

その一秒のために
僕はたくさんの時間を費やして。

本当は、もっとたくさんの事を思ってる。
本当は、もっときっとたくさん汚れてる。
本当は、きっと君のことなんか考えてなくて
僕は僕の事しか考えて無くて…

だから最初に君が謝るように
ぼくはきっと、いつも声にならない声で
君に叫んだり謝ったりしてるんだろうと思う
思うとしか書けないのは
思うと書けないよりもいくらかマシなことで
僕は本当は思っている事の千分の一も書けなくて
だからいつだって人を信じられなくて

だから僕はいつも弱くて
その弱さがあるから
きっと君に
近付きたいんだと思う

咳をすると、不思議な気持ちになる
君に隠さなくちゃいけないかのような
悪いことをしているような
そんないたたまれない気持ちになる

僕の生が死の刻印によって
君の生を引き裂く罪悪感だろうか

僕の死は君の死を温かく迎えるためには機能せず
僕の死は君の生を裏切るために存在するから
それが怖くて
僕はいつも

君への罪悪感でいっぱいなんだろうか。

明日
明日だけにすがって。

明日
明日だけが言い訳で。

明日
明日になれば何か変わると
いつだって僕は僕を欺く

だってそれだけが嘘で
それこそが嘘で
僕の明日なんかどこにもなくて
僕はいつだって今の一瞬しか無くて

明日のために生きてるわけではなくて
今、この一瞬だけが僕の全てで
だからいつも僕の言い訳は命懸けで
僕は僕を騙せずに
いつだって死を決意する。

死んだ位置から自分を振り返る
いつも僕は今を思い出してばかり。
いつだって死んだ位置からの夢の削りカスで
いつだって僕は記号でしかなくて
君に名付けられるのを待ってる。
いつも待ってる。
いつまでも待ってる。

今日、君のために。

いつも君のために。

僕は、精一杯の嘘で。

明日も、君に会いたい。

そんな嘘だけを吐くために。

君が好きだよ
僕は今、君が好きだよ
今だけは、君が好きだよ



ここには、まだ君が居ない。
明日また会おう

君が好きだよ。

僕は、君の中だけに居る僕が好きだよ。