11月4日はいい刺しゅうの日です。
大阪府大阪市に事務局を置き、全国の刺しゅう業者などによって組織された日本ジャガード刺繍工業組合(JEA)が、手刺しゅうや機械刺しゅうなど、さまざまな刺しゅうをより多くの人に関心を持ってもらおうと、2019(令和元)年に11月4日を「いい刺しゅうの日」に制定しました。
日付は「いい(11)刺(4)しゅう」の語呂合わせです。
刺しゅうとは、布や革の上に刺繡糸と刺繡針を使用して装飾を施す技術のことで、擦れに強い性質があり、軍隊のワッペン等に利用されています。
そして、日本刺繡は生産地によって呼び名が変わり、京都で作られる日本刺繡を京繡、江戸(東京)で作られる日本刺繡を江戸刺繡、金沢で作られる日本刺繡を加賀刺繡と言います。
刺しゅうの歴史についてですが、中国の刺しゅうは3000年近い歴史を持つと見られ、周の『礼記』に養蚕や刺繡に関する記載があり、毛織物に簡単な刺繡を施したものも出土しています。 また、湖北省からは戦国時代中期の、湖南省からは前漢の細かな刺繡を施した布の実物が多数出土しており、現在の湘繡のルーツと見られています。
本刺繡の原点は約西暦500年にインドから中国のシルクロードを渡って伝えられた「繍仏」にあります。仏とは仏像を刺繡によって表現する技法で、日本で特に繡仏が広まったのは寺や仏像が盛んに作られた推古天皇の時代でした。
平安時代になると貴族の衣服の装飾や、雅楽の衣装に活用され、安土桃山時代には芸能装束に用いられました。 そして、江戸時代には小袖や打掛、寺社装飾の打敷に需要が多く、また刺しゅうの掛袱紗は嫁入り道具に欠かせず、安定した注文があったそうです。
ちなみに、日本では縫い目に呪力が宿るとされていたため、大人の着物に比べ、縫い目の少ない子供の着物には悪いモノが寄り付きやすいと考えられ、子供を守るために着物の背中に「背守り」と呼ばれる刺繡を施す風習がありました。
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