ネイチャー・コンタクト ~ 自然とディープにふれあおう ~

アフターや休日にふれあう、いろいろな自然。ネイチャーコンタクト・フォトブログです。

鎮守の森は大切な森(その5):千葉県野田市桜木神社編(1)

2013年06月12日 | 3.日本人と神社と自然
神社には必ずと言っていいほど鎮守の森と呼ばれる森があります。
しかしその鎮守の森が最近では大事にされていないのではないかと
感じることがよくあります。
そこで神社にとって鎮守の森とはどういう存在なのか、千葉県野田市
にある桜木神社さんにお話を聞いてきました。
桜木神社さんを選んだ理由は、鎮守の森の保全を訴えていらっしゃる
からです。

櫻木神社さんホームページ http://sakuragi.info/

他の神社の事例も紹介しながら、神主さんにお聞きしたお話をまとめ
たいと思います。


●桜木神社さんでは鎮守の森の保全を訴えていらっしゃいます。

神道は自然を大切にしてきた宗教

神社にはいくつかの系統があるのですが、一般的に地域と密着した存在で
した。
神社にはほんらい鎮守の森があり、わざわざ遠くに出かけなくても散歩を
しながら、毎日自然の大切さにふれることのできる場所なのです。

社は大地とつながっていなくてはならず、これは神社としての大前提と
なっています。
それは神道が自然を大切にしてきた宗教であり「自然の摂理・自然の恵み」
イコール「神様」または「神様からの恵み」としてきたからなのです。
そこが森を切り開いて大きな教会堂を建てるような西洋の宗教とは違う
ところです。神道は、そういった建物は重要ではなく、森あるいは山の中に
小さな石の祠があるだけで立派に成り立つのです。


●そういえば東京都大田区田園調布にある浅間神社には参道の傍らに
 小さな石の祠があります。
 浅間神社という名称や祀っている神様の木花咲耶姫命という名前からだけ
 ではわかりませんが、もともとは霊峰富士を祀っているようです。


神社の起源

こうした自然信仰の起源は縄文時代にまでさかのぼることができ、それ
が神社の原型ということができます。
弥生時代になると天皇が祀られるようになりますが、有史的に神社という
形となったのは奈良時代からです。
また、弥生時代から始まった水田文化の普及が、縄文時代からあった信仰
と結びつき融合して、水田・稲作信仰が始まりました。
さらにその後、中国を通じて漢字などの文化が入ってくるようになると、
それとともに色々な神様が日本に入ってきたということがあります。


●鹿児島県霧島市の霧島神宮には、祭事に用いられる稲を育てる水田が
 ありました。こうしたことが水田・稲作信仰なのでしょう。


恵みとお返し(贈与と返礼)

どこの地域でも水田・稲作信仰かというとそういうことでなく、
生活によってどのような神様を祀っているかは変わってきます。
例えば海岸の地域だったら海の神様、山に囲まれた地域だったら山の
神様などと、地域の暮らし方によってその土地の信仰が確立されていき
ました。
現在神社ではいろいろな神様が祭られていますが、神道の根底には
「自然の恵み=神様からの恵み」という信仰があり、神社で行なわ
れるお祭りというのは、この恵み(贈与)に対するお返し(返礼)なのです。