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どう考えてもおかしすぎる文大統領の国賓訪中

2017-12-16 16:17:41 | 日記

【社説】

どう考えてもおかしすぎる文大統領の国賓訪中


韓国、「上から目線」中国の謀略「三戦」戦術から逃れられか

2017-12-16 15:25:51 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。

2017-12-16 05:00:00

韓国、「上から目線」中国の謀略「三戦」戦術から逃れられか

「86世代」に牛耳られる不幸

対中外交に原則論で対抗すべし

 韓国人は、「恨み」を抱き続ける民族である。

どういうわけか、中国に対してだけは別である。心を許しているから不思議なのだ。

13~16日の文大統領訪中も冷たい対応を受けている。

国賓に対する礼儀をわきまえない中国を畏怖しているから始末が悪い。

騙されても、騙されても後をついていく。

可哀想なほど、中国に対して主体性を発揮できず、おろおろしているのだ。

 その典型が、文氏の揉み手外交である。

中国は、韓国が設置するTHAAD(超高高度ミサイル網)反対を強引にしている。

韓国は、その意図がどこのあるかを知り抜いているはずだ。

だが、それを受け入れる素振りを見せたので、中国をつけあがらせた。

韓国は、米国から主権である安保政策について放棄したのかと疑われている。

 このように、文政権は一国主権さえ中国へ譲り渡しかねないリスクを抱え始めている。

その背景はなにか。抜きがたい中国への「事大主義」である。

中国へ寄りかかっていれば万事、上手くいくという幻想が残っている。

過去1000年以上、中国の言うままになってきた「ロボット民族」のDNAが、今も存在しているに違いない。

中国に対しては、「反日」に見せるあの悪態を絶対に言わないのだ。

常に、中国の「属国」という卑屈さを示している。

 こういう韓国の現状は、中国から蔑まれるだけである。

日本のように毅然とした対中外交をしなければ韓国の国益を失う。

この際、中国の経済力が減衰過程に入っていくことを冷静に分析することだ。

今は、韓国の利益を蹂躙する勢いだが、間もなく泥沼にはまり込む。

不良債権処理に足を取られる一方、国民に年金も満足に払えない時期が、すぐ目前に迫っている。

韓国は民主主義国である。

独裁国の中国へ今なお「事大主義」という依存心を引きずっているべきでない。

自らの優位性に気づくべき時期である。中国は、民主主義国になれない国なのだ。

 「86世代」に牛耳られる不幸

『朝鮮日報』(12月10日付)は、「中国の『三戦』にやられたことも分からないのか」と題するコラムを掲載した。

筆者は、同紙のアン・ヨンヒョン論説員である。

 韓国大統領府は、「86世代」に乗っ取られている。

彼らは、学生運動家上がりの元「闘士」で、専門知識があるわけでない。

学生時代の単純な理想論である「南北統一論」を振りかざしている連中だ。

「反米・親中朝」という偏った思考方式に傾斜しており、現在の複雑な国際情勢を解ける方程式の持ち合わせがあるわけでない。

文大統領は、この「86世代」の強い影響を受けている。韓国の悲劇はここから始まっている。

 (1)「トランプ米大統領のブレーンである国家通商会議(NTC)のナバロ議長は、

中国の浮上をけん制する内容の著書『米中もし戦わば』で

『中国共産党中央軍事委員会が2003年、重要な戦闘方式の一つとして『三戦戦略』を公式に承認した』と指摘した。

『三戦』とは心理戦、世論戦、法律戦を意味するの。銃を一発も撃たずに安全保障戦争で勝とうという戦略だ」

 中国の「三線」戦術は、今ではよく知られるようになった。

共産党が、革命戦争中に人民を掌握するために用いてきた宣伝方式を「心理戦、世論戦、法律戦」の三つに体系化して、海外に向けて実行したもの。

その意味で、中国共産党はスパイ作戦がよく似合う政治組織である。

 日本でも、この「三線」戦術にまんまと引っかかっている例が見られる。

中国は、先ず日本のメディアを使う戦術をとっている。

一流紙と言われるメディアの記者を手なずける。

また、「ハニートラップ」という女性を介在しての「一本釣り」も行なっている。

やり方が汚いのだ。

くれぐれも、国を売るような振る舞いをすべきでない。自分の国籍に恥じない行動をすることだ。

 (2)「『心理戦』は経済、外交圧力、流言飛語などで相手国を混乱に陥れるものだ。

2010年に中国と日本の間で起きた尖閣諸島(中国名・釣魚島)の紛争で、中国が日本へのレアアースの輸出を禁止したことが代表的だ。

 『世論戦』は国内外のメディアを操作し、人々が共産党の主張に無意識に従うことだ。

共産党は中国の全てのテレビ、新聞、雑誌だけでなく、インターネットを統制している。

14億の中国人は共産党が操るメディアによって興奮し、憤怒することが多い。

 『法律戦』はさまざまな文書や地図、国際規約などを引用し、紛争状況を中国に有利な方向へと歪曲することを指す。

中国は南シナ海の領有権などさまざまな紛争であいまいな歴史的根拠と国際法を掲げ、戦略的利益を固めようとしている」

 「心理戦」・「世論戦」は、相手国に経済や外交面で圧力をかける。

さらに、嘘情報を流して攪乱することだ。

ここで、先に挙げた記者を操作して、中国に有利になるような記事を書かせる。

今回のTHAAD問題では、韓国の進歩派メディアがしきりと中国寄りの記事を流していた。

だが、発行部数が少なく世論に与えた影響は少ない。韓国では、朝鮮日報と中央日報が圧倒的な部数を誇っている。

 「法律戦」は、中国の得意とするところだ。

「三百代言」よろしく、「嘘も百回言えば真実になる」の喩え通りに連日、繰り返している。

尖閣諸島の例が良い見本である。国際法的に完全に日本領土である。

日本人が歴史上初めて、尖閣諸島に住み着いて事業をしていたからだ。

また、中国自身が『人民日報』で日本領と認めた記事を掲載している。

このように、中国は抗弁できない事実があるにもかかわらず、嘘八百を並べている。

 中国による南シナ海の島嶼占領では、常設仲裁裁判所の判決によって、「中国の主張する根拠は100%否定」されても居座っている。

ともかく、世界平和を攪乱する最悪国家に成り下がった。孔子や老子を生んだ国とは思えない振る舞いだ。

 (3)「中国は韓半島(朝鮮半島)のTHAAD問題でも『三戦戦略』をそのまま用いた。

HAADの配備用地を提供したロッテグループを執ように締め付けたり、韓国への観光客をストップしたりした経済制裁は『心理戦』に当たる。

中国への経済依存度が高い韓国を恐怖と混乱に陥れるという計算だ。

続いて、全ての官営メディアを動員し、反韓ムードを高める『世論戦』を展開した。

『小国(韓国)が大国(中国)の利益を大きく侵害した』という共産党の宣伝術に興奮した一部中国人は、韓国製品を燃やし、反韓デモに乗り出した。

中国は最後にTHAAD問題での合意文で『法律戦』を駆使した。

その結果、『3つのノー』(追加配備せず、米国のミサイル防衛に参加せず、韓米日同盟推進せず)を文書に盛り込むことに成功した。

韓国外交部(省に相当)は3つのノーが中国の主張する『約束』ではなく、『立場表明』にすぎないとしているが、中国の戦略的には大差ない」

 THAAD問題で言えば、中国は「心理戦」と「世論戦」で韓国を揺さぶってきた。

文政権は、これに対して抗議もしなかった。

外交部(外務省)では、WTO(世界貿易機関)への提訴を議論していたが、大統領府の「86世代」が横槍を入れて不発に終わった。

「86世代」は、「親中朝派」である。中国に弓を向けるような行動を取るはずがない。

 韓国では政権が変わると、前政権をヤリ玉に上げて司法介入させる。

現に、文政権はそれを露骨にやっている。

次期政権が保守派に移ると、今「86世代」が行なっている「親中朝」政治は、俎上に上がって不思議はない。

THAAD問題で受けた中国の報復に対してなぜ、WTOに提訴しなかったか。

格好のテーマになるはずだ。

「86世代」が、中国と裏取引をしていたのでないか。

当然、司直の手が入っていい問題である。

「86世代」は、自派に有利になることばかりをやっていると、必ずしっぺ返しを食うに違いない。

 (4)「現在、中国は3つのノーの『定着』を超え、THAAD撤収という最終目標に向かって歩みを進めている。

3つのノーに加え、『一限』(配備されたTHAADのシステム使用に制限をかけること)まで要求し始めた。

これについて、香港紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』は最近、『中国は韓国のTHAAD問題に銃を一発も撃たずに勝った』と評した。

韓国との3つのノーの合意は中国の三戦戦略に完全にやられた結果だとの評価だ。

THAAD問題の収拾という韓国大統領府(青瓦台)の発表とは異なり、

中国最高指導部が相次いでTHAADを『適切に処理』するよう圧力をかけてきても、韓国政府は『THAAD交渉はうまくやった』と主張している。

やられておいて、やられたことも分からないのだろうか」

 中国は獲物を定めると、それを手にするまで徹底的に戦ってくる。

これは、革命戦争の際に採用した戦法である。

「三線」は、目的にした獲物をつり上げるまでのマニュアルだ。

韓国の文政権は、THAADをめぐる中国の戦法に度肝を抜かれている。

私に言わせれば、米国という世界最強軍事力保有国と同盟を結んでいるのだから、なにも慌てふためいて中国の策略にはまり込む必要はなかった。

それにも関わらず、中国の術中にはまり込んだのは、「86世代」の「反米・親中朝」という邪な考えによるものだ。

 中国は、考えてみれば昨日や今日、GDP2位になった「成り上がり者」国家である。

先進国の資本と技術で、ここまでのし上がってきたに過ぎない。

経済の先行きは、「泥舟」同然の空中分解が予想される脆弱そのものである。

その中国が、さも天下の覇権を握ったかのような大袈裟な態度を取る。

韓国は、この中国にすっかり怯えている。端から見ていて、それがおかしいのだ。

 韓国は、日本の対中外交を見倣うがよい。

日本は、中国の本質が脆弱であり、見栄とメンツだけで振る舞っていることを知り抜いている。

中国人に言わせれば、「日本は中国を尊敬しない」というが当たり前である。

日本のODA(政府開発援助)によってインフラ投資を行い、日本企業の提供した資本と技術によって経済が軌道に乗って現在があるからだ。

いわば、「お里が知れた」中国である。

日本が中国を畏怖する理由は一つもない。

それどころか、欠点ばかり目につく。だから、日本の対中外交は毅然としているのだ。

 対中外交に原則論で対抗すべし

『朝鮮日報』(12月10日付)は、「中国にお願いするのはやめよう」と題するコラムを掲載した。筆者は、同紙顧問の金大中氏である。

 韓国は、今こそ中国の本質を知るべきであろう。

習近平氏の中国は、胡錦濤時代の慎ましさがあった中国ではない。

傲慢そのものに変わった。

この現実を知れば、韓国の国益は米韓同盟を忠実に守ることによって実現できるはずだ。

中国は、韓国と対等な関係を結ぶ意志はない。

上からの目線で、韓国へ命令を発する旧「宗主国」意識に戻っている。

「中華帝国」を夢見る中国に、近代的な国家間関係など期待すべきでない。

 (5)「中国は既に韓国と対等な立場における協力ではなく、韓国の上に君臨しようとする動きを見せている。

終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備とそれに対する報復措置などは、韓国を矮小(わいしょう)化させ、時には屈辱へと追い込んだ。

『THAADの追加配備をしない』

『米国のミサイル防衛(MD)システムに参加しない』

『韓米日3か国の軍事同盟を推進しない』という『三不の約束』を掲げ、

その上に『THAAD使用に制限を設ける』という『一限』を付け加え、韓国を縛り付けようとしている」

 韓国の不幸は、「86世代」という「反米・親中朝」派が大統領府に潜り込んでいることだ。

むろん、文在寅大統領の意識がそこにあるから致し方ない。

それにしても、朝鮮戦争の侵略者の中朝に親近感を持って、韓国を侵略から守った米国に反感を覚えるとは不思議な振る舞いである。

恩を仇で返すとは「86世代」を指すのであろう。

 この「86世代」の感覚からすれば、かつての侵略国に安全保障の基本である「3不」を提示することは不思議でないのだろう。

だが、これは米韓同盟に反する行動である。米国は韓国へ抗議すべきことだ。

 (6)「文在寅大統領は就任してまだ短いものの、中国の隠れた圧力や不意打ちのような策略を十分に感じている。

その参謀たちの中には『金尚憲』もいるし『崔鳴吉』もいるだろう。

中国の習近平国家主席は既に『始皇帝』として君臨しており、その下には如才ない王毅外相もいる。

そうした状況だからこそ、文在寅大統領が中国の『力による圧力外交』にどのように対処し、韓国国内の意見の違いをどのように解消するかが今回の訪中のカギだ。

文在寅大統領の選択と言動は対中関係だけでなく、対北朝鮮関係でも重要な意味を持つため、なおのこと重要だ」

 文氏は、12月13日から3泊4日間の日程で訪中した。

習氏との首脳会談で何を語ったのか。卑屈な態度を取れば、習氏からさらに軽んじられるのは避けられない。

民主主義国の大統領として堂々と振る舞うことだ。

米韓の間に隙間があるような言動をすると、習氏はすかさずそこを利用する老獪な姿勢を取ってくるに違いない。

米韓が一体であることを強調して、「独自外交」のような言動を封印することである。

それが、「3不」を乗り切る鍵である。

 (7)「このような観点から、文在寅大統領に進言したいことがある。

今回の訪中では徹頭徹尾、中国との双務的事項にだけ重点を置いてほしい。

言い換えれば、両国間の経済貿易や協力問題だけに力点を置き、米朝や両国に関する軍事・安保問題などに言及しないということだ。

その理由は、中国は既に韓中関係に関する自分たちの見解をしっかりと決めており、それは韓国が何と言おうと決して変わらないからだ。

それなのに、『○○を緩和してほしい』とか『△△を修正してほしい』などとお願いするのは、無駄骨にしかならない。

中国は自分たちが思い描く『大国』の道を歩むと決めた国である」

 文氏は、中国外交の老獪さを知るべきである。

手練手管は、彼らの十八番だ。

そこには、誠意の一片もない。

全て自国の利益になることしか行なわない国である。

こういう身勝手な国との外交交渉は、原則論で押すことである。

妥協は、傷を深くするだけであろう。

約束しても守らない。これが中国外交の本質である。

 

(2017年12月16日)