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「請求権問題」を蒸し返す韓国の歪んだナショナリズム 「抗日戦争」の神話はいつまで続くのか

2018-11-02 16:46:32 | 日記
「請求権問題」を蒸し返す韓国の歪んだナショナリズム

「抗日戦争」の神話はいつまで続くのか

2018.11.2(金) 池田 信夫


戦時中に日本で働いた韓国人が「強制労働させられた」と主張して新日鉄住金に賠償を求めていた訴訟で、韓国の大法院(最高裁)は10月30日、原告の主張を認めて賠償を命じる判決を出した。

これは1965年の日韓基本条約で「完全かつ最終的に解決」したと明記されている請求権の問題を白紙に戻すものだ。

日本政府は「断じて受け入れることはできない」と韓国政府に抗議したが、同様の訴訟は80件近くある。戦後70年以上たって、条約で決着した戦時中の問題がなぜ出てくるのか。

この背景には、日本人にはわかりにくい韓国のナショナリズムがある。

韓国人は「徴用工」だったのか

 そもそも今回の訴訟の原告は「徴用工」だったのか。

彼らは「強制労働させられた」と主張しているが、戦時中に日本政府が強制的に「徴用」した労働者は、終戦時の厚生省の統計によると245人しかいなかった。

これは戦時労務動員計画で「半島人の徴用は避ける」という方針だったためだ(同じ理由で徴兵された兵士もほとんどいなかった)。

多くの朝鮮人労働者は「官斡旋」という形で募集され、日本の炭鉱や工場や建設現場で働いた。

内地の賃金は朝鮮半島の2倍ぐらいあったので、何倍もの朝鮮人が応募した。

今回の原告も政府の徴用令で強制労働させられたのではなく、募集に応じて労働したのだろう。

国会で安倍首相は「4人はいずれも募集に応じたものだ」と答弁した。

こういう問題は日韓条約と同時に締結された日韓請求権協定で決着した。

これは「賠償」ではなく、韓国に無償3億ドル、有償2億ドルを供与する「資金協力」だったが、戦時中の請求権については日本政府が韓国政府にまとめて支払うことになった。

個人請求権は残るが、それは韓国政府に対して行われることになった。

ところがこの政治決着をくつがえしたのが、1990年代に始まった慰安婦問題である。

これについて韓国政府は当初「日韓請求権協定で慰安婦は想定していなかった」と主張したが、一般の労働者は請求権協定の対象だった。

ところが慰安婦問題が泥沼化する中で、条約で決着がついた労働者の問題まで蒸し返されたのだ。

元徴用工訴訟、韓国最高裁が新日鉄住金に賠償支払い命じる


韓国は「抗日戦争に勝った戦勝国」

この背景には、韓国人の屈折したアイデンティティがある。

歴史的に、朝鮮民族は中国の圧倒的な支配下で、国内の地域分裂に悩んできた。

日本の植民地時代には「日本国民」というアイデンティティを押しつけられたが、戦後それから解放されたと思ったら南北に分断され、ナショナリズムが歪んでしまった。


韓国は1910年の日韓併合を「侵略」と考え、日本の朝鮮半島支配に抵抗する「抗日戦争」を続けて1945年に勝利したことになっている。

韓国憲法の前文には「悠久な歴史と伝統に輝く我々大韓国民は、3・1運動で建立された大韓民国臨時政府の法統を継承し・・・」と書かれている。

3・1運動というのは1919年に起こった独立運動で、「大韓民国臨時政府」というのはそれに失敗した指導者が上海に逃亡してつくった亡命政権だ。

政府としての実態はなかったが、「大韓民国」という国名はこのときできた。

韓国の歴史教科書では、この臨時政府が日本と戦って勝利し、独立を勝ち取ったことになっているのだ。


この歴史観にもとづき、韓国は1951年にサンフランシスコ条約で「戦勝国」として日本に21億ドルの賠償を求めたが、連合国に一蹴されて条約には参加できなかった。


朝鮮が日本の支配から脱却したのは抗日戦争に勝ったからではなく、日本がアメリカとの戦争に負けて植民地支配が終わったからだ。

戦後できた韓国の軍事政権は賠償を求めたが、日本政府は応じなかった。旧宗主国が旧植民地に賠償した例はなく、日本と韓国が戦争した事実もないからだ。

当時の韓国は一人当たり国民所得が100ドルにもならない最貧国で、北朝鮮に対しても劣勢だった。

国庫が底をついて政治的に追い詰められた朴正熙大統領は、日韓国交を突破口として経済を改善する妥協策として、日韓条約を結んだ。

このとき朴政権は、国民の請求権を韓国政府が一括して受け取るということにしたが、経済援助のほとんどを政権が取り、インフラ投資などに回した。

結果的には日本の援助のおかげで、韓国経済は60年代後半から「漢江の奇跡」と呼ばれる急速な成長を遂げた。

「仮想敵」として利用された日本

このため韓国の政権は、80年代まで日本に対して友好的で、徴用工も慰安婦も問題にならなかった。

「強制連行」という言葉が広く使われるようになったのも90年代である。

その先頭に立ったのが朝日新聞だが、最初は大した話ではなかった。


ところが93年に軍事政権から民政に移行した韓国政府が、この問題を政治的に利用した。

軍事政権で国民を統合したのは暴力だったが、民政に移行すると民主主義だけでは求心力を維持できない。

そこに出てきたのが慰安婦問題である。

これを政治課題として取り上げたのは韓国初の文民大統領、金泳三だった。

彼もこの問題を「河野談話」で政治決着させようとしたが、それが国内マスコミの批判を浴びると強硬姿勢に転じ、今日に至る泥沼化の原因となった。

とはいえ日韓条約を変えることはできない。

個人請求権は日本政府ではなく、韓国政府に対する請求権である。

2008年に盧武鉉政権も「賠償請求権は日本が韓国に無償供与した3億ドルに含まれる」と明言した(慰安婦などは例外とした)。

文在寅大統領は、このとき大統領の主席秘書官だった。

政権が代わるたびに条約まで反故にする韓国の政治は、日本人には理解しがたいが、儒教圏ではよくあることだ。

中国では王朝が交替すると、皇帝の一族も高級官僚も皆殺しにされ、宮廷は徹底的に破壊され、遷都が行われることも多い。

中国の劣化コピーである韓国では、大統領が交代するたびに「王朝」が交替する。

この国家権力と精神的権威が大統領に集中した「政治的一神教」を維持するには、常にすべての国民の共通の敵を作り出す必要がある。

そこで日本を「仮想敵」に仕立てるシンボルとして使ったのが慰安婦問題だった。

今回の「徴用工」問題は、そのレトリックの行き着く先だ。

しかし日韓条約の歴史をみてもわかるように、韓国政府は最終的には世界の常識に合わせざるをえないだろう。

日韓条約を実質的に破棄したら、日本との外交関係は破壊され、韓国経済にとって大きな打撃になる。

それは文大統領もわかっているはずだ。今回の問題は、韓国が法の支配の確立した「先進国」になれるかどうかの試金石である。


「仮想敵」として利用された日本

このため韓国の政権は、80年代まで日本に対して友好的で、徴用工も慰安婦も問題にならなかった。

「強制連行」という言葉が広く使われるようになったのも90年代である。その先頭に立ったのが朝日新聞だが、最初は大した話ではなかった。

ところが93年に軍事政権から民政に移行した韓国政府が、この問題を政治的に利用した。

軍事政権で国民を統合したのは暴力だったが、民政に移行すると民主主義だけでは求心力を維持できない。

そこに出てきたのが慰安婦問題である。


 これを政治課題として取り上げたのは韓国初の文民大統領、金泳三だった。

彼もこの問題を「河野談話」で政治決着させようとしたが、それが国内マスコミの批判を浴びると強硬姿勢に転じ、今日に至る泥沼化の原因となった。

とはいえ日韓条約を変えることはできない。

個人請求権は日本政府ではなく、韓国政府に対する請求権である。

2008年に盧武鉉政権も「賠償請求権は日本が韓国に無償供与した3億ドルに含まれる」と明言した(慰安婦などは例外とした)。

文在寅大統領は、このとき大統領の主席秘書官だった。

政権が代わるたびに条約まで反故にする韓国の政治は、日本人には理解しがたいが、儒教圏ではよくあることだ。

中国では王朝が交替すると、皇帝の一族も高級官僚も皆殺しにされ、宮廷は徹底的に破壊され、遷都が行われることも多い。

中国の劣化コピーである韓国では、大統領が交代するたびに「王朝」が交替する。

この国家権力と精神的権威が大統領に集中した「政治的一神教」を維持するには、常にすべての国民の共通の敵を作り出す必要がある。

そこで日本を「仮想敵」に仕立てるシンボルとして使ったのが慰安婦問題だった。

今回の「徴用工」問題は、そのレトリックの行き着く先だ。

しかし日韓条約の歴史をみてもわかるように、韓国政府は最終的には世界の常識に合わせざるをえないだろう。

日韓条約を実質的に破棄したら、日本との外交関係は破壊され、韓国経済にとって大きな打撃になる。

それは文大統領もわかっているはずだ。今回の問題は、韓国が法の支配の確立した「先進国」になれるかどうかの試金石である。












韓経:さらに大きくなるOECDの経済危機警告音…「韓国、通貨危機直後と同様」

2018-11-02 16:02:54 | 日記

韓経:さらに大きくなるOECDの経済危機警告音…「韓国、通貨危機直後と同様」

2018年08月13日09時39分

[ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]


韓国の景気先行指数が15カ月連続で下落しており、通貨危機が起きた1999年以降で最長期間の下落傾向を継続している。

経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちこの期間に先行指数が一度も上昇せずに下落し続けているのは韓国が唯一だった。

景気下降傾向がそれだけ明確だというのが専門家らの診断だ。

OECDが12日に明らかにしたところによると、6月の韓国の景気先行指数(CLI)は前月より0.3ポイント下落の99.22となった。


OECD景気先行指数は6~9カ月後の景気の流れを予測する指標だ。

100を基準とし、それ以上なら景気拡張局面、未満なら景気下降局面と解釈される。

国ごとに主要経済指標から算出する。韓国は韓国銀行と統計庁の製造業在庫循環指標、長短期金利差、輸出入物価比率、製造業景気見通し指数、資本財在庫指数、KOSPI指数の6つの指数から求める。

韓国の景気先行指数はユーロ圏の財政危機などによりグローバル景気低迷が加速化していた2011年に急落傾向を続け、同年末には98.37まで落ち込んだ。

しかしその後は輸出市場の回復に力づけられ2014年10月に100を超え、その後は概ね100以上を維持した。

昨年3月に100.98をピークに下落に転じ、15カ月連続で下り坂を歩いている。

通貨危機の余波とドットコムバブルの崩壊などで1999年9月から2001年4月まで20カ月連続で下落して以来最長期間だ。

昨年から景気先行指数が下り坂を歩んでいるのは韓国だけでない。米国、日本、ドイツ、中国など主要国の景気先行指数はほとんどが100を下回っている。

だが韓国は唯一振るわない。OECDが月別で景気先行指数を公開する38カ国のうち韓国より先行指数が低いのはメキシコ、チェコ、スロベニア、エストニア、ギリシャ、アイルランド、インドネシア、トルコの8カ国にとどまった。

アイルランドを除く大部分が最近になり自国通貨の急落のために金融不安が加重されている新興国だ。

これ以外の国の景気先行指数はそれなりに良好な方だ。

15カ月間に韓国が1.76ポイント落ちる間に日本は0.27ポイント、中国は0.49ポイントの下落にとどまり、米国はむしろ0.32ポイント上昇した。

さらに韓国の景気先行指数下落速度はますます速くなっている。

今年に入ってからの下落幅だけ見るとトルコに次いで調査対象国で2番目に急だ。

昨年だけでも月別下落幅が0.1ポイント以下だったが今年1~2月には0.1ポイントを上回り、3月からは毎月0.2ポイント以上落ち込んでいる。

韓国政府が毎月発表する「最近の経済動向」を通じ9カ月連続で「韓国経済は回復中」と言及している点とは相当な違いがみられる。

専門家らは韓国の景気先行指数下落傾向が20カ月を超え過去最長記録を塗り替える可能性も小さくないとみている。

韓国の景気先行指標がほとんど振るわない上に心理指標が底をはっているためだ。

統計庁が発表した6月の景気先行指数循環変動値は2~4月の3カ月連続で下落傾向を見せた。

5月には0.0で横ばいとなったが6月は再びマイナス0.2に転じた。設備投資は3月から4カ月連続で前月比減少を続けている。

これもやはりドットコムバブルが消えた時点の2000年9月から18年来の長期間だ。

淑明女子大学経済学科のシン・セドン教授は、「景気低迷が歴然としたシグナルがあちこちから出ているが最も深刻な問題は政府がこれを認めずにいる点。

韓国政府が最近、今年の経済成長見通しを3.0%から2.9%に0.1ポイント引き下げたが、最近の経済指標を見るとこれを達成するのは容易でなさそうだ」と話している。


※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

韓経:韓国、福祉支出増加速度がOECDの4倍…国家債務の処理は誰が?

2018-11-02 15:44:55 | 日記

韓経:韓国、福祉支出増加速度がOECDの4倍…国家債務の処理は誰が?


11/2(金) 11:34配信

中央日報日本語版

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨年の大統領選挙当時の公約で65歳以上のうち所得下位70%の高齢者に支給する基礎年金(2017年月20万ウォン)を2018年に月25万ウォン(約2万5000円)に、2021年には月30万ウォンに引き上げると述べた。

この公約は国政計画として確定し、昨年8兆1000億ウォン規模だった関連予算は今年9兆1200億ウォンへと1兆ウォン以上も増えた。

政府は来年の基礎年金予算を今年より2兆3800億ウォンほど多い11兆5000億ウォン規模とした。

政府・与党が「高齢者福祉をさらに強化する」として2021年に予定されていた「月30万ウォン」(所得下位20%台上)を来年に操り上げたからだ。

福祉分野の財政支出で代表的な基礎年金は支給額を引き上げなくても予算が雪だるま式に増えるしかない。

韓国の高齢化ペースは世界最高レベルであるからだ。今年516万7000人の基礎年金受給者は2022年には628万5000人と100万人以上増えると予想される。

◆急増する福祉支出

先進国は高齢化時代に入ると、次々と福祉支出を減らしている。

しかし韓国はむしろ急激に増やしている。今年の福祉分野の予算は144兆6000億ウォンと、昨年に比べて11.7%(15兆1000億ウォン)増えた。

増加率、増加幅ともに過去最大で、支出総額(428兆8000億ウォン)の3分の1を初めて超えた。

高齢化に伴って自動的に増える予算に基礎年金の引き上げ、基礎生活保障の拡大、児童手当支給、健康保険の強化など文大統領の公約履行予算が大幅に増加した結果だ。

来年の福祉支出は今年よりさらに大幅に増える見通しだ。

政府は来年の福祉分野の予算として今年より12.1%(17兆6000億ウォン)多い162兆2000億ウォンを策定した。

来年の支出総額(470兆5000億ウォン)の35%にのぼる。基礎年金の早期追加引き上げ、失業給与支給額および支給期間の拡大などによるものだ。福祉支出は来年以降も急増し、現政権任期の最終2022年には214兆3000億ウォンになると企画財政部は推算した。

政府は経済規模に対する福祉支出水準が先進国と比較して依然として低いため支出を増やすべきだと主張する。

国別の国内総生産(GDP)に対する社会保障支出(SOCX)比率をみると、韓国は10.4%(2016年基準)と、経済協力開発機構(OECD)国家平均(21.0%)の半分ということだ。

問題は福祉支出の増加速度が世界最高レベルという点だ。

2000-13年のOECD平均増加率は年平均1.2%であるのに対し、韓国は5.7%と4倍を超える。期間を2009-2013年に狭めると韓国は9.6%と、英国(4.0%)、フランス(3.4%)、ドイツ(2.4%)など欧州福祉先進国の最大5倍水準となる。

◆財政健全性の悪化を懸念

福祉支出の急激な増加は財政健全性の悪化につながる可能性が高い。

2018-22年の政府財政運用計画によると、総収入から総支出を引いた管理財政収支は今年の-28兆5000億ウォンから2022年には-63兆ウォンに悪化する見通しだ。赤字を埋めるためには国債の発行を増やすしかない。

これは国家債務の増加につながる。国家債務は今年の708兆2000億ウォン(GDP比39.5%)から2022年には897兆8000億ウォン(GDP比41.6%)に増えると推定される。

政府はGDP比40%前後の国家債務は管理可能な水準だと説明する。

こうした楽観的な見通しは税収の好調に基づく。しかし経済活力と成長率が低下していく点を勘案すると、現政権の任期後半には税収が減る可能性を排除できないというのが専門家らの観測だ。

専門家は財政健全性が1997年の通貨危機、2008年の金融危機を乗り越えるうえで最も大きな力を発揮したと分析している。

今後の危機に備えて財政健全性を維持するのは必須という指摘だ。

尹暢賢(ユン・チャンヒョン)ソウル市立大経営学部教授は「福祉支出は一度増やせば減らしにくい。政治的な誘惑から抜け出して福祉支出構造を完全に改革する必要がある」と述べた。

※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

別記事


韓経:さらに大きくなるOECDの経済危機警告音…「韓国、通貨危機直後と同様」

2018年08月13日09時39分
[
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版]
韓国の景気先行指数が15カ月連続で下落しており、通貨危機が起きた1999年以降で最長期間の下落傾向を継続している。

経済協力開発機構(OECD)加盟国のうちこの期間に先行指数が一度も上昇せずに下落し続けているのは韓国が唯一だった。

景気下降傾向がそれだけ明確だというのが専門家らの診断だ。

OECDが12日に明らかにしたところによると、6月の韓国の景気先行指数(CLI)は前月より0.3ポイント下落の99.22となった。

OECD景気先行指数は6~9カ月後の景気の流れを予測する指標だ。100を基準とし、それ以上なら景気拡張局面、未満なら景気下降局面と解釈される。

国ごとに主要経済指標から算出する。韓国は韓国銀行と統計庁の製造業在庫循環指標、長短期金利差、輸出入物価比率、製造業景気見通し指数、資本財在庫指数、KOSPI指数の6つの指数から求める。

韓国の景気先行指数はユーロ圏の財政危機などによりグローバル景気低迷が加速化していた2011年に急落傾向を続け、同年末には98.37まで落ち込んだ。

しかしその後は輸出市場の回復に力づけられ2014年10月に100を超え、その後は概ね100以上を維持した。

昨年3月に100.98をピークに下落に転じ、15カ月連続で下り坂を歩いている。通貨危機の余波とドットコムバブルの崩壊などで1999年9月から2001年4月まで20カ月連続で下落して以来最長期間だ。

昨年から景気先行指数が下り坂を歩んでいるのは韓国だけでない。米国、日本、ドイツ、中国など主要国の景気先行指数はほとんどが100を下回っている。

だが韓国は唯一振るわない。

OECDが月別で景気先行指数を公開する38カ国のうち韓国より先行指数が低いのはメキシコ、チェコ、スロベニア、エストニア、ギリシャ、アイルランド、インドネシア、トルコの8カ国にとどまった。

アイルランドを除く大部分が最近になり自国通貨の急落のために金融不安が加重されている新興国だ。

これ以外の国の景気先行指数はそれなりに良好な方だ。15カ月間に韓国が1.76ポイント落ちる間に日本は0.27ポイント、中国は0.49ポイントの下落にとどまり、米国はむしろ0.32ポイント上昇した。

さらに韓国の景気先行指数下落速度はますます速くなっている。

今年に入ってからの下落幅だけ見るとトルコに次いで調査対象国で2番目に急だ。

昨年だけでも月別下落幅が0.1ポイント以下だったが今年1~2月には0.1ポイントを上回り、3月からは毎月0.2ポイント以上落ち込んでいる。

韓国政府が毎月発表する「最近の経済動向」を通じ9カ月連続で「韓国経済は回復中」と言及している点とは相当な違いがみられる。

専門家らは韓国の景気先行指数下落傾向が20カ月を超え過去最長記録を塗り替える可能性も小さくないとみている。

韓国の景気先行指標がほとんど振るわない上に心理指標が底をはっているためだ。

統計庁が発表した6月の景気先行指数循環変動値は2~4月の3カ月連続で下落傾向を見せた。

5月には0.0で横ばいとなったが6月は再びマイナス0.2に転じた。設備投資は3月から4カ月連続で前月比減少を続けている。

これもやはりドットコムバブルが消えた時点の2000年9月から18年来の長期間だ。

淑明女子大学経済学科のシン・セドン教授は、「景気低迷が歴然としたシグナルがあちこちから出ているが最も深刻な問題は政府がこれを認めずにいる点。

韓国政府が最近、今年の経済成長見通しを3.0%から2.9%に0.1ポイント引き下げたが、最近の経済指標を見るとこれを達成するのは容易でなさそうだ」と話している。


※本記事の原文著作権は「韓国経済新聞社」にあり、中央日報日本語版で翻訳しサービスします。

「文在寅に失望」「記者に警告」…二つのデモに見る韓国社会の一断面

2018-11-02 13:44:01 | 日記
「文在寅に失望」「記者に警告」…二つのデモに見る韓国社会の一断面


徐台教 | ソウル在住ジャーナリスト。「コリアン・ポリティクス」編集長


10/28(日) 15:18

27日、ソウル都心で行われた「ろうそくデモ2周年」大会。筆者撮影。


「二つのデモ」とは

韓国の市民社会にはここ2年ほど、「キャンドルデモ」と「太極旗デモ」という二つの大きな潮流がある。

参加者が手にろうそくを掲げる「ろうそくデモ」が脚光を浴びたのは、2008年5月のことだ。

当時の李明博(イ・ミョンバク)政権が、米国からずさんな基準で狂牛病の疑いがある牛肉を輸入しようとしている事に怒った市民が、路上に繰り出した。

6月には50万人以上が集まったこのデモは、次第に李政権の退陣を求めるものへと発展していったが、政府の強い取締りもあり沈静化した。

そして最近では2016年10月、朴槿恵(パク・クネ)大統領が親友の崔順実(チェ・スンシル)氏と共に国政をろう断している証拠が明らかになる中、同大統領の退陣を求め、最大で230万人以上(主催者発表※)が参加するデモが起きた。

2016年11月26日、ソウルで行われたろうそくデモには主催者発表で150万人が参加した。

午後8時頃の光化門の様子。足の踏み場もない人出だった。こ

のデモが20週にあいだ続いた結果、同年12月に国会で朴大統領の弾劾が可決され、翌17年3月には憲法裁判所の弾劾認容判決により、朴大統領が罷免されたことは記憶に新しい。同年5月の繰り上げ選挙で現在の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が当選した。

一方の「太極旗デモ」は朴大統領の無罪と弾劾無効を主張するものだ。

「ろうそくデモ」に対抗する形ではじまり、こちらも17年初頭には最大で250万人(主催者発表※)もの市民が参加するなど大きな勢力となった。

文大統領の就任後も毎週土曜日ごとにソウル駅や光化門広場に集まり、数千人規模のデモを続けている。

※当時、韓国の警察は数字をめぐるデモ側との葛藤を避けるため、参加者の人数を発表するのを止めていた。

両デモの参加者はあくまで主催者によるが、当時欠かさず取材していた筆者の目には「ろうそくデモ」の参加者が遥かに多く写った。

とはいえ、「太極旗デモ」の参加者も最盛期には軽く30万人を越えていた。

「ろうそく2周年」大会

27日午後5時半から、光化門広場で「ろうそく2周年大会」が行われた。これは前述したように2年前の10月26日に、朴大統領退陣を求めるデモが始まったことにちなんだものだ。

韓国進歩連帯など主催側の団体が事前の記者会見で明かしたところによると、この日のデモはろうそくデモの成果を祝うと共に、「ろうそくにより誕生したと自任する政府の下で、ろうそくの民意が貫徹されない現実を直視」するためのもの。

中でも「THAAD(高高度防衛ミサイル)配備の撤回」や「日韓慰安婦合意の破棄」が行われず、サムスンのイ・ジェヨン副会長が釈放されるなど「積弊(積み重なった社会の悪弊)が清算されていない」と「文在寅政権への失望」を明らかにするものだった。


だが、この日の参加者は、2~300人ほど。主催者側は壇上で「セウォル号沈没事故の再調査」や「最低賃金法の改悪や一般企業と銀行業の分離規制の解除など改革が逆行している」と主張した。

新たな動きとして目立ったのは、metoo運動との関連付けだった。

「Metoo運動と共にする市民運動」のチョン・ミレ代表は「社会にはびこる性差別の構造も積弊だ」とし、「過去に戻ることは望まない。性暴力を根絶しよう」と訴えた。

この日の参加者が少なかった理由は、その「矛先」への疑問があった。

2年前、ろうそくデモに参加したとする市民がネット上で「積弊清算が進まないのは、国会で(旧与党の)自由韓国党などが改革法案に反対しているため」と指摘していたのだ。

「文在寅に対してではなく、国会前でデモをするべきだ」とデモに批判的な視線が多かった点にも触れておきたい。

「太極旗デモ」では記者へのテロ予告も

一方、わずか300メートル離れた同じ光化門で行われていた「太極旗デモ」は2~3000人ほどの多くの参加者で賑わっていた。

デモでは過激な主張が続いた。特に、大韓韓国党の党員を名乗るチェ・ジェミン氏の演説に筆者は驚きを隠せなかった。

チェ氏はまず「近くにいる、みじめなロウソクが今後どうなるか楽しみだ」と切り出した。

そしてKBS、MBC、SBSなど韓国マスコミの名を挙げながら、「ろうそくデモの取材に来た記者がどんな論調で、どんな内容の記事を書くのか、リストを作ってすべてチェックし、記者個々人に対し、それ相応の代価を払わせる」と強調した。


さらに、「『ろうそくデモの傍ら、一部の保守団体が太極旗デモを行った』というくだらない記事を書く場合、KBSもテレビ朝鮮といった会社も、その記者個々人を保護することができないということを、記者たちは骨身に染みて理解することになるだろう」と続けた。

また、「記者は言論労組やデスクが身を守ってくれると思うな。

大韓韓国党を侮辱した代価を、身を持って知ることになる」とし、「今日ここに来た記者の顔を撮影しておいた。記事を書く時に注意しろ」と警告した。

チェ氏はなおも「メディアのフェイクニュースにより朴槿恵大統領は弾劾された」とし、具体的な記者の名前を挙げてその記事内容を批判しながら、「来週の太極旗デモに姿を現さない場合には『卑怯者』とみなす」と脅迫した。

続いて壇上に立った大韓愛国党代表の趙源震(チョ・ウォンジン)議員は、文大統領は「大韓民国万歳、自由民主主義万歳、自由統一万歳」を叫び、「金正恩の主席代弁者と呼ばれる文在寅氏のせいで恥ずかしい」とし「文在寅氏のせいで韓国がバカにされている。文在寅は辞めろ」と主張した。

次いで、「メディアのフェイクニュースにより朴槿恵大統領は追われた。しかし今、朴大統領は570日の間ひと言も話さず獄中で闘っている。これに震えている従北勢力やアカどもを許せない。左派独裁政権を追い出し自由民主主義を守ろう」と強調した。

どう見るか

文在寅政権が発足して1年半になる。ろうそくデモによる早期政権交代だったこともあり、李明博・朴槿恵政権下の厳しい環境の中でデモを行ってきた人々は積極的な改革を期待したが、物足りない思いを抱いているようだ。

一方で、2018年になって南北関係の改善が進む中、急激な変化を受け入れられない人々もいる。金正恩氏は核保有と赤化統一の野望を捨てていないと、譲歩する文大統領を非難する。

このように、本来ならば27日に行われた二つのデモは同列に並べることができる。韓国には言論の自由があるからだ。政権への批判は当然あるべきで、人権侵害を改めない金正恩氏への嫌悪感も理解できる。

だが、筆者にはこの日の「太極旗デモ」で言及された記者へのテロ予告とも取れる内容は完全に一線を越えたものに思えた。最前列で取材していたが、鳥肌が立つと共に思わず周囲を見回した点を記録しておきたい。

両デモを結ぶ動線には警察が簡易検問を設けていた。特に「太極旗デモ」参加者と思われる人物が「ろうそくデモ」側に行けないようにしていた。今年3月には暴力行為に発展したこともある。


徐台教
ソウル在住ジャーナリスト。「コリアン・ポリティクス」編集長


群馬県生まれの元在日コリアン3世。韓国・高麗大学東洋史学科卒。1999年から延べ15年以上ソウルに住みながら、人権NGO代表や日本メディアの記者として朝鮮半島問題に関わる。2015年、韓国に「永住帰国」すると同時に独立。2016年10月から半年以上「ろうそくデモ」と朴槿恵大統領弾劾に伴う大統領選挙を密着取材。その過程をまとめた「韓国大統領選2017」が多くのアクセスを集める。2017年5月からは韓国政治、南北関係を扱う日本語オンラインニュース「The Korean Politics(コリアン・ポリティクス)」を創刊し、現在は編集長。ソウル外国人特派員協会(SFCC)正会員。