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「半導体バブル」終焉?米IT大手の設備投資減で東芝メモリ減産

2018-11-18 18:16:57 | 日記


「半導体バブル」終焉?米IT大手の設備投資減で東芝メモリ減産


11/5(月) 6:00配信

ダイヤモンド・オンライン


「半導体バブル」終焉?米IT大手の設備投資減で東芝メモリ減産


米オレゴン洲にあるフェイスブックのデータセンター。ITの巨人たちの巨額投資が、メモリーバブルを支えてきた Photo:Bloomberg/gettyimages


 半導体バブルをけん引してきたメモリー大手が、相次いで投資を抑制した。米IT大手がデータセンター向けの投資を控え始めたからだ。

活況だった半導体市場に黄信号がともりそうだ。(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)

 半導体メモリーバブルをけん引してきたサムスン電子に続いて東芝も──。

 東芝メモリと四日市工場を共同運営する米ウエスタンデジタル(WD)が、同工場への新規製造装置導入の延期を決めた。

併せて、同工場での減産も発表した。

 メモリー業界首位の韓国サムスン電子は既に設備投資を抑制しているが、業界2位と3位の東芝メモリ・WD連合が設備導入の先送りを決めたことで、半導体バブルの恩恵を受けていた製造装置業界にも余波が及びそうだ。

 半導体業界には3~5年ごとに好不況を繰り返す「シリコンサイクル」の波があるといわれてきた。

ところが2016年以降、半導体市場が長期的に成長する「スーパーサイクル」に入ったとする見方が広がり、業界はバブルの様相を呈していた。

 実際、世界半導体市場統計(WSTS)によれば、17年の半導体市場規模は過去最高の4122億ドルに達し、前年から21.6%伸びた。

主役を演じたのはデータの保存に使われるメモリーで、市場規模は前年から61.5%増の1239億ドルとなり、半導体市場の約3割を占めるまでに急成長した。
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 これまでメモリー市場成長の原動力になっていたのは、スマートフォンの普及だ。

ただ、世界のスマホ出荷台数は年10億台を超えたころから頭打ちになり、

米調査会社IDCによれば、17年は前年比0.3%減の14.6億台と初めて減少。18年も同0.2%減の見通しで、踊り場を迎えている。


 そうした中、超大口の買い手が現れた。グーグルやアマゾン、マイクロソフト、フェイスブックなど、米国を代表するITの巨人たちである。彼らが巨費を投じて建設するデータセンターのサーバー用にメモリーを買いあさったのだ。

 従来、データセンターの記憶装置は、モーターで駆動するHDD(ハードディスクドライブ)が主流だった。

だが、ここにきてフラッシュメモリーを用いるSSD(ソリッドステートドライブ)に置き換える流れが加速している。

 SSDはHDDに比べて高価だが、低消費電力かつ処理が速いというメリットがある。運用コスト削減につながるのはもちろんなのだが、とりわけアマゾンやマイクロソフト、グーグルがしのぎを削る企業向けクラウドサービスでは、大量のデータを瞬時に処理することが要求される。

だから、“お金持ち”の米IT大手にとって、データセンターはSSD一択なのだ。

 17年後半から米IT大手の設備投資は加速した。とりわけグーグルの伸びは顕著で、18年1~3月は77億ドルと前年同期の約3倍を投じている。米IT大手のデータセンターへの巨額投資。これがメモリーバブルの正体だ。

● データ独占批判や圧縮技術向上で メモリー需要減

 メモリーバブルをもたらしたのが米IT大手ならば、終焉をもたらすのもまた、彼らの決断だ。

 「大規模なクラウドサービス事業者のデータセンター向けの設備投資が、一時的に減速している」

 WDのマイケル・コルダノ社長は10月25日の決算発表で、19年のメモリー出荷量を当初計画から記憶容量ベースで10~15%引き下げる今回の減産の背景について、こう説明した。

 米IT大手の投資抑制について、調査会社IHSマークイットの南川明主席アナリストは、二つの理由があると説明する。


一つは5月のGDPR(EU一般データ保護規則)施行や、フェイスブックの大規模情報漏洩事件など、ITの巨人がデータを独占することへの風当たりが強まったことで、データセンターへの投資意欲が減退しているという。

 もう一つは、データ圧縮技術の向上だ。データセンターに保存されるデータの約7割は画像や動画で、メモリー価格の高騰もあって、米IT大手は画像圧縮技術の開発を加速させた。その結果、「従来ほど記憶容量が必要とされなくなっている」(南川氏)。

 世界半導体製造装置統計によれば、18年4~6月の製造装置の世界販売高は前四半期比1%減の167億ドルで、2年半ぶりにマイナスに転じた。

サムスン電子の投資抑制の影響もあってか、韓国での販売高が同22%減の48.6億ドルと落ち込んだことが要因だ。

 メモリーへの投資が抑制される一方、イメージセンサー世界首位のソニーは10月30日、今後3年間の半導体事業への設備投資を当初計画から20%増の6000億円へと増やす方針を明らかにした。とはいえ、17年のセンサー市場は125億ドルで、メモリー市場の約10分の1の規模にすぎない。

 WSTSは19年の半導体市場を前年比4.4%増と予測している。メモリーバブルのような半導体市場の2桁パーセント増の急成長は、当面は望めないようだ。
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週刊ダイヤモンド編集部

別記事


2018.8.6

サムスン半導体投資減額の衝撃、バブルの陰りは東芝メモリにも?


半導体バブル終焉の始まり?

背景には、今年初めから続くフラッシュメモリー価格の下落がある。

サムスンは17年に3Dメモリーの量産で先行したが、今や東芝メモリ、韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーなど業界全体が相次ぎ量産に参入。

さらに、中国で紫光集団が総額3兆円のメモリー工場を年内にも稼働させる見込みで、価格競争は激しさを増している。

ある東芝メモリ幹部は、「サムスンさんは17年に投資を激しくやり過ぎたので調整を入れているようだが、市況全体に変化はない」と冷静さを崩さないが、「モノ不足だった17年は顧客も二重発注したのでバブルが起こったが、それが修正されつつあるのは確か」と認める。

もっとも、米アップルが株主でもある東芝メモリは、今秋の新型iPhoneに向け、再びフラッシュメモリーの出荷拡大が期待できる場面だ。

だが、スマートフォンの需要はピークアウトを迎えつつあり、あらゆるものがネットにつながるIoTや、ビッグデータでばら色の未来が語られてきたデータセンター向けの需要も出荷実績が試される局面に入ってきた。

急速に意識され始めた半導体メモリーのバブルの終焉。半導体の主役を演じてきたフラッシュメモリーの投資環境は曲がり角を迎えている。

(「週刊ダイヤモンド」委嘱記者 村井令二)



東芝メモリが建設を開始した新たなフラッシュメモリー製造拠点の北上工場。サムスン電子の投資減額で新たな判断が迫られる 


フラッシュメモリーの活況はピークアウトか

半導体フラッシュメモリーの活況はピークアウトを迎えたのだろうか──。

世界規模で半導体市場がバブル化する中、業界をけん引する韓国サムスン電子が2018年のNAND型フラッシュメモリーの投資計画を減額したことが分かった。

半導体製造装置業界を中心に衝撃が走っており、英調査会社IHSマークイットは18年のサムスンのNAND型フラッシュメモリー投資額の予測を約30%も引き下げ、76億ドル(約8300億円)に下方修正した。

17年の113億ドル(約1.2兆円)に比べても大幅な減額だ。


世界半導体市場統計(WSTS)によると、17年の世界半導体市場規模は16年比22%増の4122億ドル(約45兆円)で過去最高だったが、その原動力がフラッシュメモリーだ。

サムスンは巨額資金を三次元(3D)構造のメモリーを中心とする設備に投入し、17年の世界シェアを38.7%に引き上げて2位の東芝メモリの16.5%を突き放した。

東芝メモリも、主力の四日市工場で3Dメモリーの設備投資を増強し、2ヵ所目の拠点となる北上新工場の建設を開始するなど、サムスンに対抗して投資額を増やしてきた。

IHSによれば、17年の投資額は、協業する米ウエスタンデジタルとの合算で50億ドル(約5500億円)。1

8年もこの水準を維持するのか、それともサムスンに続いて投資を減額するのか、半導体業界全体が注視している。

韓国内で非難炸裂!文大統領に“退陣”危機 『従北』傾斜に外交官OBら異例の緊急声明「文政権の国家安保蹂躙を弾劾する」

2018-11-18 18:02:27 | 日記
韓国内で非難炸裂!文大統領に“退陣”危機 『従北』傾斜に外交官OBら異例の緊急声明「文政権の国家安保蹂躙を弾劾する」


夕刊フジ / 2018年11月5日 16時56分

韓国国内で、文在寅(ムン・ジェイン)大統領への「反旗」の動きが起きている。

独裁国家・北朝鮮への傾斜を強める文氏に対し、外交官OBや退役軍人らが緊急声明を出し、文政権を痛烈に批判したのだ。

「北朝鮮の非核化」をめぐる文政権の暴走には、ドナルド・トランプ米政権も不信感を強めている。

元徴用工をめぐる最高裁の異常判決を受け、日本には韓国への怒りが沸騰している。

対日関係の悪化は韓国経済を直撃しかねない。識者は「文氏の退陣に発展する可能性もある」と指摘する。

日本ではほとんど報じられていないが、韓国で先月、注目すべき2つのニュースがあった。

外交官OBの有志団体と、韓国軍の退役将官で構成される「星友会」が、それぞれ緊急声明を出したのだ。

いずれも文政権の北朝鮮政策を非難する内容だが、外交官OBの声明には、タイトルに「弾劾」(=不正や罪科をあばき、責任を追及する)という苛烈な言葉が盛り込まれていた。

朝鮮半島情勢に詳しい、麗澤大学の西岡力客員教授が解説する。

「元大使クラス47人の声明は『文在寅政権の国家安保蹂躙(じゅうりん)行為を弾劾する』というタイトルだった。

南北首脳会談の『板門店(パンムンジョム)宣言』と『平壌(ピョンヤン)共同宣言』を破棄し、韓米同盟を傷つける行為の中断-などを求めていた」

9月の南北首脳会談で、文氏と金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長が署名した平壌共同宣言では、軍事分野の合意文書が採択された。

この文書に従い、韓国と北朝鮮は今月1日、南北の陸海空の境界区域で一切の敵対行為を禁止している。

退役将官の声明は、この合意文書に反対し、さまざまな問題点を指摘したうえで、改善を求める内容だった。


これまでも保守派からは文政権を批判する動きが起きていたが、外交官OBや退役将官たちが行動を起こしたのは尋常ではない。

西岡氏は「文政権が、北朝鮮に軍事問題で譲歩しているので、在野の保守勢力だけでなく、退役将官の集まりや元外交官が立ち上がった。

文氏を批判する運動の質が変わってきている」と語る。

韓国の同盟国である米国も、「北朝鮮の代理人」と化している文政権への不信感を強めている。

米国中心の国際社会が「北朝鮮の非核化」のため、対北朝鮮制裁を維持するなか、9月の平壌共同宣言では、

北朝鮮の開城(ケソン)工業団地と、金剛山(クムガンサン)観光事業の正常化や、東西の沿海地域での経済共同特区・観光共同特区の造成協議の合意など、経済的に北朝鮮を利するような内容が盛り込まれた。

トランプ政権は、文氏自らが、各国首脳に「対北朝鮮制裁解除」の必要性を説いて回っていることに、クギを刺している。

米財務省は、9月の南北首脳会談直後、韓国の金融機関に「制裁の順守」を要請してきた。

米国政治に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「トランプ政権は、北朝鮮への締め付けを強める方針で、制裁の抜け穴をふさごうとしている。

こうしたなか、韓国は抜け穴を拡大するような動きを見せている。

考えられないことだ。米国内では、文氏の『対北宥和』姿勢に対し、日米で連携して圧力をかけていこうという声が高まっている」と話す。

突出した「従北」姿勢を続ける文氏だが、人気も下落傾向にある。

世論調査会社「リアルメーター」が1日に発表した調査によると、文氏の支持率は55・5%で、5週連続のマイナスとなった。

同社は原因として、株価の急落や長期失業者の増加など、経済指標の悪化を挙げた。

その韓国経済を直撃しそうなのが、日本国民を激怒させた、韓国最高裁による、元徴用工をめぐる異常判決だ。

日韓の法的基盤である日韓請求権・経済協力協定(1965年)を一方的に反古(ほご)にしたもので、「戦犯」と名指しされた企業を中心に韓国撤退や、投資引き上げが加速しそうだ。

日韓ハイレベル経済協議や、通貨スワップ協定の再開協議中止だけでなく、識者の中には「韓国製造業を支えてきた、日本のハイテク部品や、素材、工作機械の供給制限」という強硬策を促す声もある。

前出の西岡氏は「日韓関係が悪くなれば、韓国経済にも悪影響が出てくる。

経済が破滅的事態になり、自分たちの生活が危うくなってきたら、韓国国民の怒りは文政権に向かうだろう。

文政権はデモによって前政権を倒してつくられたが、デモによって倒されるかもしれない」と語った。

葛藤と分裂の大韓民国

2018-11-18 16:32:37 | 日記
2018/11/18 05:09

【コラム】葛藤と分裂の大韓民国

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版


文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足すれば、デモくらいはなくなると思っていた。少なくとも減るのではないかと思っていた。

これまでのデモの中心のほとんどが反保守、親左派団体だっただけに、彼らが立てたと誇る左派の「キャンドル政権」に反旗を翻す者など存在しないと思っていた。


ところがデモが行われなかった日は、1日たりとも存在しない。


ソウル市光化門は、デモ隊に乗っ取られて久しい。先週末、光化門一帯には計22件のデモに3万-4万人の群衆が詰め掛けた。

昨年1年間、ソウル市鍾路区一帯で行われたデモは2563件で、2016年よりも43%増えている。

文在寅政権が発足してからは31%も増加しているという。


 現在の大韓民国は、葛藤と分裂と反目の国となっている。

デモの急激な増加は、葛藤の程度がより深刻になったことを意味している。

われわれは、戦争、産業化、民主化という過程を通過しながら、なんとか今日の生活を手に入れた。

今ではようやく生活らしい生活ができるようになったと言える。

それでも、われわれの葛藤と反目と分裂は減ることもなく、ますます拡大して過激化し、今では顔も上げられないくらいになった。


文政権が発足したことで、葛藤の対象には聖域が消えた。

所得主導の成長と最低賃金の引き上げ、勤労時間の短縮は、それが正しいか正しくないかはさておき、葛藤のレベルを超え、韓国社会の基盤を揺さぶっている。

さらには憲法、教科書、司法、軍部、企業など、手を付けない分野がない。今では外交・安保問題の浮上は、日常茶飯事と化している。南北問題、韓米関係、国防は、韓国社会の葛藤の最前線を極大化した。

先日、最高裁判所が下した2件の判決は、同政権が葛藤の頂点に君臨していることを物語っている。

帝国主義下の日本によって徴用された人々の補償に関する判決と、いわゆる「宗教的」な理由による兵役免除の判決は、韓国社会を根こそぎひっくり返している。

「偽のニュース」規制も、新たな葛藤の火種となっている。


50年以上にわたって私は、韓国社会の多くの葛藤と分裂をこの目で見て経験し、取材してきた。

しかし、このように社会のほとんど全ての価値感がまるで瓶をひっくり返したかのように変化するのは初めてだ。

世の中がここまで急激に分裂するのを初めて目にした。

過ちを正していくのが発展への道だ。

しかし、ある団体の自称「改革者」という者たちがやって来て、何らの検証過程もなしに過去を「積弊」と規定。

国の基本フレームを揺さぶりにかかるのが発展であるわけがない。

過去暗黒の軍部独裁時代にも、批判に対する物理的な圧迫は存在していたものの、現在のように韓国社会がここまで二極化へと進んだのを感じたのは初めてのことだ。


米国のトランプ大統領は、米国を二つに割ってその一方に立ち、毎日もう一方を苦しめながら「喜んでいる」人だ。

米国の知識人は、歴史上分裂と対立でここまで米国を二極化してしまった大統領を見た試しがない、と嘆いている。

葛藤と対立が世界的に流行しているとでもいうのか。


大統領が多様性を容認せず、全ての国民を一列に並べる国は危険だ。

しかし、極限の対立、葛藤と呪いは、多様性とは異なる。今韓国が経験している葛藤は、単純な意見の食い違いや正しいか正しくないかの問題や、支持するかしないかの次元とはわけが違う。

この国の葛藤には相手を容認しない独善、経験のない無知と無能、過去に対する復讐(ふくしゅう)、そして権力への執着が複合的に絡み合っているようだ。


大統領の役目は、葛藤と対立を衝突に導くのではなく、互いに歩み寄らせて調整することにある。

ところが現在の対立構造の一方に、大統領がまるで座長のようにあぐらをかいて座っている。


大統領は「キャンドル」について話し、積弊清算を強調し、過去の「過ち」を修正するよう命令している。


文大統領は、自分の国政の優先順位が「平和」にあって、その平和のために北朝鮮を支援しようと言う。

そのためには、何よりも韓国国民の賛同が必須で、韓国社会を団結と疎通へと導かなければならない。

にもかかわらず、文大統領は北朝鮮に向けて全てを投入しながら、全ての場面で大韓民国の社会が二つに分裂しようとしているのをただただ傍観しているだけだ。

北朝鮮を支援しようとすれば、韓国の経済力が豊かでなければならないが、韓国経済は国民の葛藤の中で支離滅裂と化している。自分の国政目標を自ら崩壊させているのだ。


ドゴールは「愛国者は自分の国民に対する愛を優先するのに対して、民族主義者は外国人に対する憎しみを先立たせる」と言った。

文大統領とその支援者たちは愛国者なのか、それとも民族主義者なのか。

大韓民国の国民に対する愛が重要なのか、それとも米国や日本に対する憎しみが先なのか。

文大統領が民族主義者かどうかは分からないが、愛国者であることを願ってやまない。


金大中(キム・デジュン)顧問




朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

【ボストンから一言(22)】徴用工判決に韓国人から異論「請求する相手違う」

2018-11-18 16:08:37 | 日記

【ボストンから一言(22)】徴用工判決に韓国人から異論「請求する相手違う」


2018.11.14 07:00|国際|朝鮮半島


日本企業に対し元徴用工への賠償を命じる判決を下した韓国大法院(最高裁)=10月30日(ロイター)


 韓国大法院(最高裁)が、新日鉄住金(旧新日本製鉄)に対し、元徴用工の韓国人4人に賠償を命じる判決を下した翌日の10月31日に韓国人男性の友人からメールが届いた。

 90歳近い友人のL氏は、日本統治の朝鮮半島で1944年から適用された国民徴用令に関し「国民徴用令の以前は、(家族同伴の場合も含め)朝鮮人労働者が日本に渡ったのは、日本人労働者の不足問題のためで、日本企業が朝鮮人や台湾人を募集し給料が支払われています」と述べている。

 L氏は日韓国交正常化について「1965年の国交正常化条約で、国家予算が3・5億ドル規模の韓国に、日本政府は無償3億ドル、公私有償として5億ドルを朴正煕(パク・チョンヒ)政権に支払い、朝鮮半島にあった日本の公・私資産も全て放棄しています」と説明。

「徴用工たちは、賠償金を請求する相手を間違っています。大韓民国政府と借款を受けた韓国企業に対してするべきです」と主張している。

■「相手は韓国政府だ」

 韓国人の中にも、この判決に異論を唱え「請求する相手は韓国政府だ」とする声など、さまざまな意見を掲載した朝鮮日報の記事は興味深かった。

 L氏は、「騒げば、日本政府はお金を出してきたのですから、もし検事だった私の父の恩給と、少年兵だった兄の軍人手当をよこせと僕がマスコミで悶着(もんちゃく)をおこし、日本政府に請求をしたならば、ヘッピリ腰の日本政府は出すかもしれませんね」と辛辣(しんらつ)な意見もいう。

 そして「会津侍のように『ならぬことはならぬものです!』という度胸がなくては、だめですよ! 悪例をつくれば、次から次へと訴えられますよ」と警鐘を鳴らした。


 現代の日本人でも知る人が少ないであろう、会津藩の「什(じゅう)の掟(おきて)」を持ち出して韓国人から叱咤(しった)されるとは思いもしなかった。

勝又壽良 評論 「二重苦」に苛まされる中国経済、個人消費がネックで立ち往生

2018-11-18 15:49:03 | 日記
勝又壽良 評論

「二重苦」に苛まされる中国経済、個人消費がネックで立ち往生

2018 1:36 PM


中国経済の仕組みは
企業利益は下り坂へ
アリババの利益変調
家賃が一転下落局面
8月末に危機を認識

中国経済は、不動産バブルの崩壊と米中貿易戦争が、大きな圧力となっています。企業利益の伸び率が鈍化し、賃金の伸び率を抑え、個人消費に警戒信号が出てきました。

中国経済の仕組みは
ここで、一般的な景気の動きを少し説明します。

景気は、先行指数・一致指数・遅行指数という三つの経済指標がタイムラグを置いて、山や谷を形成しながら循環していきます。

現在の中国経済は、先行指数に当る金融や株価、商品市況などはすでに下降に向かっています。

一致指数は、小売販売額や企業の営業利益も下降局面に入っています。遅行指数は、家計消費支出が減少のシグナルが出ています。

すべての景気指標が「下向き」で、総崩れの状態となりました。

以上のような、中国経済の仕組みを見ると、中国はもはや景気が上向くことはありません。

下落の一途という状況に置かれています。間違っても楽観論など出てくる余地はないのです。

先ず、この事実を冷静に受け止めて下さい。「まだ、なんとかなるだろう」という期待感を抱くのは、中国の最高指導部だけと思われがちですが、10月末の会議は悲観論で一致しました。

10月31日の共産党政治局会議で中国経済への深刻な懸念が示されたのです。

「当面の経済状況は穏やかな中にも変化がある。

下押し圧力がある程度強まり、一部企業が経営困難となる例が多く、長期間、蓄積されたリスク、隠れていた問題が暴露され始めた」という厳しいものでした。

「長期間、蓄積されたリスク、隠れていた問題が暴露され始めた」とは、具体的に何を指しているのでしょうか。

不動産バブルが、GDPを押上げたものの過剰債務を累増させた。その処理も事実上、未着手です。

これから、過剰債務の重圧で企業が倒産するケースも多発する。

中国最高指導部は、今回初めてそれを認めたのです。この事実が重要です。

再び、不動産バブルに火を付けて、景気回復のエンジンを吹かすことがないと見られます。

これ以上の債務依存経済は、自殺行為であるとの認識に達したと思われます。

もし、苦境に耐えきれず、バブルに点火するようなことがあれば、中国経済の未来は消えたといえるでしょう。そこまで、中国経済は追い込まれているのです

企業利益は下り坂へ

景気の一致指数の一つである企業利益は、はっきりと低落状態へ入っています。

中国上場約3500社の2018年7~9月期純利益は、前年同期比7%増でした。4~6月期の23%増から大きく鈍化したのです。

これは、日本経済新聞が10月末までに決算発表した数字を集計した結果です。

業績の悪い企業は、決算発表を遅らせる習性があります。全体の決算発表が終われば、純利益の伸び率はさらに鈍化している可能性もあります。

もう一度繰り返します。4~6月期の純利益が前年同期比23%増。これが、7~9月期で7%増と大幅鈍化です。

米中貿易戦争の第3弾が発動されたのは9月です。

まだ、本格的な貿易戦争の影響は現れていないのです。

その影響が、10~12月期の純利益に100%出ると見るべきでしょう。

となると、10~12月期の純利益の伸び率はマイナスの公算が大きくなる。中国経済に与える影響は甚大なものになるはずです。

中国では、情報管理が厳重で公表されて当然のデータが隠されています。純利益の伸び率に激変が起れば、賃金にも影響が出るはずです。

この「筋道論」から類推すると、すでにアリババの業績に影響が認められます。また、高騰し続けた家賃が一転、値下がり状況に入りました。

「市場経済」とは、こういう形で瞬時に企業活動の停滞が小売や家賃へと波及してゆきます。

習近平氏は、この市場経済システムに背を向けています。自分の意向通りに経済をコントロール出来ない忌ま忌ましさが、「市場経済」軽視へと追いやっています。これは、政策運営責任者として失格です。アリババの利益変調

電子商取引大手のアリババ集団は、中国のハイテク大手として知られています。だが、中国の消費者を相手に製品を販売する中小企業向けのプラットフォームです。

その意味でアリババは、注目のハイテク株というよりも、中国経済の先行きを占う目安となる存在と見なされています。もうすぐ迎える「11月11日」は、中国で「独身の日」とされ、アリババは「ビッグセールス」を行なうことで有名です。その時の販売額で、中国の消費景気が占われているほどです。今年はどうなるか。

アリババの営業利益増加率は、昨年がピークでした。昨年第2四半期からの営業利益の前年同期比を次に示します。データは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』(11月5日付)に基づきます。

2017年4~6月期 98.7%増
     7~9月期 83.4%増
   10~12月期 25.8%増
2018年1~3月期  3.6%減
     4~6月期  9.0%増
     7~9月期 18.6%減

今年に入って、アリババの営業利益に変調が起っています。

アリババは前述の通り、中国の消費者を相手に製品を販売する中小企業向けプラットフォームです。

中国経済の末端である中小企業は、景気不振の影響を最初に受けます。アリババは、収益の大半を中国国内で稼いでいるものの、米中の通商対立激化はリスクとなります。

経済減速による痛みが、中小企業とアリババに集中すると見るベきでしょう。アリババの業績は、中国末端景気のシグナルなのです。

アリババの10月以降の営業利益は、減益幅を拡大すると見られます。

上場企業の純利益が減益に転じると予想されるからです。政府は、減税と財政支出拡大で対応する計画ですが、どこまで効果を上げられるか疑問です。企業利益が悪化している中で雇用不安も起こり、賃金引き下げなどが重なれば、消費者の不安心理を高めるはずです。所詮、景況が大きく傾いている中で、財政効果は減殺されるでしょう。

家賃が一転下落局面

アリババの営業利益は、7~9月期に急ブレーキがかかった。実は、高騰していた貸家の家賃が9月以降、下降に向かうという事態を迎えていました。

中国房地産業協会(中国の不動産業協会)のデータによると、北京では8月、平均家賃が前年同月比21.16%上昇しました。

昨年同月は、同3.12%に過ぎなかったのです。中国の他の主要都市でも、同様の傾向が見られました。

前記協会によると、今夏は少なくとも19の省都で家賃が急上昇したのです。中でも四川省成都では、8月の家賃が前年同月比32.95%と最も高い上昇率でした。

家賃急騰の裏には、投機資金が貸家市場へ殺到し、強引に家賃を引き上げたのが理由です。



都市部での生活費の上昇は、多くの人の賃金上昇ペースを上回っており、家賃の急騰で市民の不満が大きく広がりました。

「家賃の支払いは月給の3割程度を占めるほどになった」という北京市民の声もあるように、実需を無視した家賃の引上げでした。

それが9月に入ると突然の下落です。実需はなくて強引な家賃引上げが空き家を生み、大慌てで家賃を引下げたのでしょう。

中国房地産業協会は11月1日、今年10月の「中国都市賃貸価格指数」を発表しました。

それによると、1040.4ポイント(2016年1月を100ポイント)。前月から4.8ポイント(0.45%)低下しました。

これは、9月に続いて2カ月連続の下落です。9月は前月よりも0.7ポイント低下したので、10月の下落率が大きいのです。貸家需要が減っている証拠でしょう。

上がり過ぎた家賃が、その反動で下落に転じた。経済現象としてみれば、ごく自然なことに見られるのですが、中国経済を襲っている米中貿易戦争の影響が、所得の伸びを押え、家賃急騰の歯止め役になった。

こう見ますと、中国経済は大きな曲がり角に立っていると言えましょう。

8月末に危機を認識

実は、中国政府は8月末の時点で、中国経済の変調に警戒していました。ここで、それを見ておきましょう。

『ロイター』(8月28日付)は、「中国、安定的で健全な経済発展の達成で困難に直面」と題する記事を掲載していました。

(1)

「中国国家発展改革委員会(NDRC)の何立峰主任は28日、安定的で健全な経済発展の達成で外的困難さが増しているとの認識を示した。

主任は全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の常務委員会で、『経済成長、雇用、インフレ、輸出入の目標は努力によって達成が可能』としつつ、『ただ消費、社会融資総量、可処分所得の伸びの目標達成に向けて一段の努力が必要だ』と述べた。

困難さが増している原因については、経済の長期的な構造上の課題と外的環境によるリスクを指摘した」

NDRCが、「消費、社会融資総量、可処分所得の伸びの目標達成に向けて一段の努力が必要」と強調している点が重要です。社会融資総量とは、中国独特の概念でマネーサプライ(M2)のほかに、影の銀行の融資まで含みます。

これら項目は、政策当局が直接指示して動かせないのです。インフラ投資であれば、政府の指示でいかようにも増減できます。

だが、前記3項目は国民や企業の意思に従うもので政府のコントロールを外れます。

まさに、ミクロ経済の分野です。経済活動の基底は、このミクロ経済の活動に待つほかないのです。

ここは、中国のような統制経済の泣き所です。市場機能を軽視してきた経済運営の国家では、手に負えない事態になっています。

中国経済は、GDPの項目を見ても分るように、総資本形成へ極端に依存した経済です。

例えば、このメルマガ(11月1日号)で明らかにしましたが、2016年の対名目GDP総資本形成比は44.1%、対名目GDP民間最終消費支出比は39.3%に過ぎません。

この歪な経済構造において、緊急事態だから民間最終消費支出比率を一挙に押上げることは不可能です。「消費、社会融資総量、可処分所得」はワンセットになって、家計支出と関わっています。

(2)

「ここ数カ月間の経済指標によると、中国では投資の伸びが鈍化。小売売上高や可処分所得の伸びも引き続き低調で、経済全体が冷え込み始めている。

一方では、相次ぐ景気刺激策や金融の緩和により、債務リスクの削減に向けた中国政府の取り組みが後退しているのではないか。

何主任は、中国が経済のデレバレッジを続けていくが、その取り組みのペースと度合いはコントロールしていくとし、『中国は不動産市場の問題を解決し、不動産価格の上昇を断固抑制しようと決意している』と強調した」

中国では、投資(高すぎる総資本形成比率)の落ち込み分を、消費(低すぎる民間最終消費支出比率)でカバーすることは不可能です。

こういうアンバランスな経済構造をつくり出した目的は、経済成長率を比較的短期間に引き上げるという戦略に基づいていました。

今になって、その弊害に足をすくわれ、「消費、社会融資総量、可処分所得」がネックになってもどうにもなりません。過去の経済政策の失敗を嘆くほかないでしょう。中国経済が危機であるのは真実です。