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韓国経済にウォン大幅下落の難題、文政権は「反日」で乗り越えられるか

2019-08-13 14:00:36 | 日記

韓国経済にウォン大幅下落の難題、文政権は「反日」で乗り越えられるか

8/13(火) 6:01配信    

 (法政大学大学院教授 真壁昭夫)

● アジアの通貨市場で 韓国ウォンの下落が目立つ
 

7月上旬以降、アジアの通貨市場で韓国ウォンの下落が目立つ。

この間、ドルに対する為替レートの変化率を見るとウォンは5%近くも下落した。

8月に入りドル高・人民元安が注目を集めているが、ウォンの売られ方はそれよりも大きい。

 その上、日本の対韓輸出手続きの見直しは、韓国経済にかなりの影響を与える可能性がある。
 
この懸念から8月に入りウォン安に拍車がかかった。これまで、韓国は日本などの技術などを使って半導体産業分野を強化してきた。
 
1980年代後半以降、韓国は日米半導体協定に乗じる形で、日本などから半導体の生産に必要な技術を吸収した。
 
それをもとに、韓国は、日本から高純度のフッ化水素や精度の高い半導体製造装置などを輸入し、サムスン電子を筆頭とする財閥企業などがICチップを大規模に生産できる体制を整えたともいえる。
 
特定3品目の対韓輸出手続きの見直し(リスト規制)に加え、わが国が韓国を“ホワイト国”から除外したことは、韓国経済のファンダメンタルズ悪化に直結する問題だ。
 
調達に従来以上の時間とコストがかかるようになれば、韓国企業がスムーズに生産を行うことは難しくなるだろう。
 
加えて、足元、世界的に半導体の生産能力は余剰気味だ。韓国の生産落ち込みを台湾勢などが取り込むことは可能だろう。韓国経済はかなり深刻な状況を迎えつつあるようにみえる。
● 限界を迎える 韓国の中国依存
 
ウォン安には、中国に依存した経済運営が限界を迎えるとの懸念も影響している。
 
韓国にとって中国は最大の輸出先だ。輸出の25%は中国向けであり、香港を加えると30%を超える。
 
中国経済は成長の限界に直面している。
 
当面、習近平国家主席はインフラ投資や補助金の積み増しによって景気を支えようとするだろう。
 
ただ、景気刺激策がどの程度の効果を発揮するかは不透明だ。
 
なぜなら、中国国内では耐久消費財や社会インフラの需要が飽和し、投資効率が低下しているからだ。
 
韓国が中国の経済成長を当てにして自国の経済運営を続けていくことは難しくなっている。
 
それに加え、米中摩擦には、米国と中国の“覇権国争い”という側面がある。これは、長期的な世界経済の変化だ。
 
韓国経済にとって、米中摩擦は、無視できないリスク要因だ。摩擦の激化とともに、韓国は、米国と中国の“板挟み”になる可能性がある。
 
今後、米国は自国だけでなく同盟国の企業にも、ファーウェイなどとの取引を制限するよう、再度、圧力をかける可能性がある。
 
 
それが現実のものとなれば、韓国経済にはさらなる下押し圧力がかかるだろう。
 
サムスン電子にとって、ファーウェイは最大の顧客だ。
 
取引が困難になることの影響は計り知れない。
 
加えて、中国が韓国に報復する展開も考えられる。2017年、中国は、在韓米軍へのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備に対抗し、韓国向け団体旅行の制限などの報復を行った。
 
これによって、韓国経済にかなりの下押し圧力がかかったことは記憶に新しい。
 
また、中国の科学技術分野での進歩は目覚ましい早さで進んでいる。日本に依存して半導体を生産してきた韓国に、自力でゼロから新しいモノを生み出す力があるか否かはかなり不確かだ。
 
一方、ファーウェイの半導体製造能力やIT、通信関連機器の開発力にはすさまじいスピードがある。
 
中国の科学技術力は韓国を上回っていると考えられる。
 
米中摩擦という世界経済の大きな変化の中で、韓国は動力源を失った小舟が大海を漂流するかのような状況に直面する恐れがある。
● 先行き懸念高まる 韓国経済
 
韓国ウォンの下落には、日本の輸出手続きの見直し以外にも、世界的な半導体需要の落ち込み、中国経済の減速、米中摩擦などさまざまな要因が絡み合っていることがわかる。
 
当面、韓国からは資金の流出が続く可能性がある。なぜなら、経済を支えてきた財閥企業の経営悪化に加え、労働争議、政治不安など、懸念材料が多いからだ。

年初来で韓国総合株価指数(KOSPI)は6%以上下落した。

アジア株式市場の中でも、韓国株の下げはきつい。一因として、外国人投資家による売りの増加が考えられる。

 


世界リセッション入り 高い輸出依存の韓国に衝撃 非常事態目前で「ウ

2019-08-13 10:11:25 | 日記

勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します

2019-08-13 05:00:00

世界リセッション入り 高い輸出依存の韓国に衝撃 非常事態目前で「ウ

テーマ:ブログ

世界経済は不況入りへ

韓国製造業は万年不況

企業格付けは総崩れに

対日関係冷却で崖っ縁

 世界経済は、リセッション入りしたようです。主要各国の製造業PMI(購買担当者景気指数)が、好不況の分岐点である50割れが増えているからです。

中国は、今年5月から50割れしました。米国も7月では51台を維持していますが、昨年8月の61.3をピークに下降状態に入っています。この状態で推移すれば、50割れは避けられません。

韓国は、この米中両を主要輸出先にしています。

米中経済が不況入りすれば、韓国経済は「万事休す」となります。

韓国製造業は、既に2012年から「万年不況」です。

製造業PMIは、ほぼ「水面下」(50割れ状態)にあります。

韓国政府は、この厳しい現実を認識せず、最低賃金の大幅引上げを強行したのです。

体力の落ちた人間に、マラソンを強いるようなもの。この結果が,何をもたらしたかは、このレポートの後半で取り上げます

 

世界経済は不況入りへ

世界経済の現状を見る上で、原油市況の低迷が象徴的です。

米国がイランやベネズエラからの石油輸出に厳しい制裁措置を取っているにもかかわらず、4月末以降、22%以上も下げたのです。

石油以外の商品も消費の伸びが減速したため、価格は18年半ば以降、横ばいか下落の動きとなっています。こうした国際商品市況が軟調に転じているのは、主として、中国の輸入が減っていることを反映したものです。

米中貿易戦争の終結を見ないことが、国際商品市況に大きな影響を与えています。

さらに悪いことに米国は、中国を「為替操作国」に認定しました。

この対象になると、中国はIMF(国際通貨基金)と協議しなければなりません。

IMFは先頃、中国の経済政策に関する「年次審査報告書」の中で、「中国の為替政策には柔軟性と透明性で一段の向上が必要」との認識も示しました。

同時に、為替市場介入の詳細を公表するようにも促したのです。

これは、米国が中国を「為替操作国」認定する前のIMFによる判断です。

現行の「管理変動相場制」は、為替相場が政府管理下にある故にどうしても不明朗性がつきまといます。

この際、思い切って先進国並みの「自由変動相場制」に移行すれば、このような不明朗性を払拭できるのです。

中国人民元は、IMFのSDR(特別引出権)に昇格する際、自由変動相場制移行と資本取引の自由化を約束した経緯があります。「為替操作国」問題は、人民元の国際化に動き出す契機となるでしょう。

 これが実現すれば、米中貿易戦争も沈静化するでしょう。

「市場機構」によって決まる通貨価値が、貿易取引のバロメーターになるからです。

世界経済の安定化に寄与するだけに、中国も腹を固める時期なのです。中国は、「非市場機構」によって世界覇権を握るという時代遅れの野望が、いかに世界経済で摩擦を生むか。それを認識すべきです。

 「為替操作国」問題は一見すると、米中貿易戦争がさらに拡大するリスクを持っています。

米中が泥沼の争いに落込み、米国が第4弾3000億ドルの関税を10%からさらに引き上げると、世界経済は最悪事態に突入します。

 IMFは、中国に対する「年次経済審査」の発表で、関税を25%に引き上げた場合、需要低下や金融環境の引き締まりにより、中国の経済成長はその後1年間で0.8ポイント押し下げられ、「世界全体に著しい悪影響が波及する」と分析しました。

これは,確実でしょう。そうなった場合、韓国経済の受ける影響は甚大です。

IMFは、第4弾3000億ドルの関税が10%のままなら、中国のGDPは0.3ポイントの減少と試算しています。

 一方、中国が感情的な反発をしないで、「為替操作国」問題でIMFとの協議を受入れる場合、事態は大きく変わってきます。

自由変動相場制と資本取引の自由化を行えば、中国経済は「市場化」に向けて動き出します。

中国は、今年の経常収支の赤字が予想されています。これが現実化すれば、人民元相場は大きく「元安」に振れる事態になります。当然、資本流出が起こるでしょう。

 そういう事態を想定すれば、人民元の自由変動相場制と資本取引の自由化は、中国経済の不透明性を最低限に抑えて、外国資本の中国流入を誘導できます。

中国が、迫り来る経済危機に対して、どのように対応するのか。それは、世界経済はもちろん、韓国経済の「運命」も左右するのです。