記事入力 : 2020/03/13 10:25
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
【社説】韓国経済危機、もはや警告ではなく現実なのに誰が対処しているのか
新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)宣言で各国の株式市場が暴落した。
2008年の金融危機よりも深刻で広範囲の危機が訪れる懸念が高い。
米国など主要国は直ちに景気浮揚策を繰り出した。米国は政策金利の大幅な引き下げに続き、トランプ大統領が一時的な「所得税ゼロ」カードまで切った。
英国は史上最低水準への利下げに踏み切り、ドイツも大規模な景気浮揚策を打ち出した。
防疫対策と同時に迅速かつ思い切った経済的先制措置に乗り出した格好だ。
韓国経済は世界のどの国よりも新型コロナウイルスによる衝撃を大きく受けているにもかかわらず、政府による対処はほとんど見えてこない。
零細事業者が「死にそうだ」と騒ぎ立てているが、政府の政策資金執行率は10%にも満たない。
その間に零細事業者の廃業が続出している。
健全な中小企業まで一時的な資金不足で黒字倒産に危機に追い込まれている。
融資システムを非常体制に切り替えなければならないが、金融当局は後で責任を負わなくても済むようにすることばかり考えている。
航空会社の乗客が85%減少し、造船業の船舶発注は57%、自動車販売は20%以上減少した。
内需業界の大手企業まで身売りに出され、映画館、就職あっせん分野の最大手企業の売却説も流れている。
外国人は韓国企業の株式を大挙売り浴びせる「セルコリア」に乗り出した。
12日の韓国株式市場はメーンボードで9年ぶりに一時的な取引停止措置が取られるなど暴落が続き、ウォン・ドル相場は過去7カ月で最大幅のウォン安進行となった。
危機対応の司令塔となるべき企画財政部は「マスク対応部」に転落して久しい。
追加補正予算の増額問題を協議した11日の与党・政府・青瓦台(党政青)会議は経済副首相不在で開かれた。
経済副首相の代わりに出席した企画財政部次官は発言もしなかったという。
民主党と青瓦台の関心は全て選挙に集中しており、経済官庁はその顔色ばかりうかがっている。コントロールタワーは不在だ。
自営業、中小企業の資金支援は彼らの帳簿を熟知している銀行など金融機関を利用するのが基本だ。
金融委員会が銀行を稼働させるシステムさえ動かせば、資金支援にかかる期間を大幅に短縮し、「悔しい不渡り」を防ぐことができる。
過去の通貨危機、金融危機の際に大きな効果を上げた方式だ。
ところが、現政権はそれすらできていない。
権力は関心が他の場所に向いており、官僚は後日の責任追及を免れようとする思いが先に立っている。
過去に大きな代償を払って習得した危機管理ノウハウも生かされていない。
こうした形態の経済危機もいつもは企業業績が回復して収拾されてきた。
現政権の反企業政策で企業の体力はあまりに低下している。結局はこれをどう反転させるのかが鍵となる。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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【社説】韓国経済危機、もはや警告ではなく現実なのに誰が対処しているのか
新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)宣言で各国の株式市場が暴落した。
2008年の金融危機よりも深刻で広範囲の危機が訪れる懸念が高い。
米国など主要国は直ちに景気浮揚策を繰り出した。米国は政策金利の大幅な引き下げに続き、トランプ大統領が一時的な「所得税ゼロ」カードまで切った。
英国は史上最低水準への利下げに踏み切り、ドイツも大規模な景気浮揚策を打ち出した。
防疫対策と同時に迅速かつ思い切った経済的先制措置に乗り出した格好だ。
韓国経済は世界のどの国よりも新型コロナウイルスによる衝撃を大きく受けているにもかかわらず、政府による対処はほとんど見えてこない。
零細事業者が「死にそうだ」と騒ぎ立てているが、政府の政策資金執行率は10%にも満たない。
その間に零細事業者の廃業が続出している。
健全な中小企業まで一時的な資金不足で黒字倒産に危機に追い込まれている。
融資システムを非常体制に切り替えなければならないが、金融当局は後で責任を負わなくても済むようにすることばかり考えている。
航空会社の乗客が85%減少し、造船業の船舶発注は57%、自動車販売は20%以上減少した。
内需業界の大手企業まで身売りに出され、映画館、就職あっせん分野の最大手企業の売却説も流れている。
外国人は韓国企業の株式を大挙売り浴びせる「セルコリア」に乗り出した。
12日の韓国株式市場はメーンボードで9年ぶりに一時的な取引停止措置が取られるなど暴落が続き、ウォン・ドル相場は過去7カ月で最大幅のウォン安進行となった。
危機対応の司令塔となるべき企画財政部は「マスク対応部」に転落して久しい。
追加補正予算の増額問題を協議した11日の与党・政府・青瓦台(党政青)会議は経済副首相不在で開かれた。
経済副首相の代わりに出席した企画財政部次官は発言もしなかったという。
民主党と青瓦台の関心は全て選挙に集中しており、経済官庁はその顔色ばかりうかがっている。コントロールタワーは不在だ。
自営業、中小企業の資金支援は彼らの帳簿を熟知している銀行など金融機関を利用するのが基本だ。
金融委員会が銀行を稼働させるシステムさえ動かせば、資金支援にかかる期間を大幅に短縮し、「悔しい不渡り」を防ぐことができる。
過去の通貨危機、金融危機の際に大きな効果を上げた方式だ。
ところが、現政権はそれすらできていない。
権力は関心が他の場所に向いており、官僚は後日の責任追及を免れようとする思いが先に立っている。
過去に大きな代償を払って習得した危機管理ノウハウも生かされていない。
こうした形態の経済危機もいつもは企業業績が回復して収拾されてきた。
現政権の反企業政策で企業の体力はあまりに低下している。結局はこれをどう反転させるのかが鍵となる。
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版