日本と「通貨スワップ」を再開したいけどできない韓国、ウォン安・国債増発で通貨危機の悪夢
常に外貨不足に苦悩する韓国
韓国の2020年の国内総生産(GDP)は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の鈍化で、アジア通貨危機に見舞われた1998年以来、22年ぶりのマイナス成長となった。
1998年の悪夢の二の舞だけは避けるべく、文在寅(ムン・ジェイン)政権はいくつもの手を打ってきたが、じりじりとウォン安が続く中、2015年2月に終了してしまった日本との通貨スワップ再開に望みを託すのだが……。
韓国では常に外貨が不足している。
しかも、最近は特に厳しく、文在寅政権は不測の事態に備えるべく苦悩してきた。
昨年にはアメリカ、中国、マレーシア、オーストラリア、インドネシアと立て続けに通貨スワップ協定の期限延長を行い、今月3月1日にはスイスとも期限延長を行った。
韓国はドル建ての債務が多く、そもそもドル資金が足りていない。
為替がウォン安になれば資金が枯渇する恐れもあるため、幅広くスワップ協定を結ぶことで返済できる状況にしておくのだ。
韓国の2020年の国内総生産(GDP)は韓国銀行(中央銀行)の報告によると、物価変動を除いた実質ベースで前年比マイナス1.0%であった。
新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の鈍化で、アジア通貨危機に見舞われた1998年以来、22年ぶりのマイナス成長となった。
元々、韓国経済は海外輸出に依存している。
新型コロナの影響により世界的に貿易が急減し、非常に苦しい状態を強いられている。
李明博の変節で温情はストップ
文在寅政権はコロナ対応の補正予算で国債も発行しており、国家債務が965兆9000億ウォン(約91兆7600億円)に増加した結果、国内総生産に対する国家債務比率は47.3%から48.2%に上昇。
外国為替相場は今年に入ってから、対ドルでじわじわとウォン安基調で推移している。
韓国は2021年9月30日に満了を迎えるアメリカとの協定、2022年4月12日に満了を迎えるUAEとの協定に関しても、恐らく期限の延長もしくは再契約を求めるだろう。
日本とは2015年2月に完全に終了したままで、他に頼める相手がいないのが現状だからだ。 日本と韓国の間では、2001年に初めて通貨スワップ協定が締結された。
その後、2011年の秋には、欧州金融危機の再燃でウォンが急落。通貨危機の再来に怯えた韓国は、日本に泣きつき700億ドルにまで拡大してもらった。
しかし、2012年8月に李明博(イ・ミョンバク)元大統領が竹島を訪問、同年12月の日韓首脳会談では突然、「慰安婦に補償しろ」と言い出したことで日韓関係が悪化。
このような韓国の身勝手な振る舞いを看過しがたいものとして、当時の安倍政権は2015年2月、韓国との通貨スワップ協定を完全に終了させたのだった。
当座の通貨危機を回避できた途端、自身の支持率回復のため、超・反日行動に打って出た卑屈なやり方である。
その後も李明博政権下では、天皇への謝罪要求や、対馬の仏像窃盗等、日本に対して礼を失した言動などが執拗に繰り返された。
「本心では日本に助けてもらいたい」
この日韓通貨スワップ協定に関しては、李明博の後継である朴槿恵政権下で議論再開の合意にまでこぎつけていたが、結局延長には至らなかった。
当時から財務相兼金融担当相だった麻生太郎氏は交渉の中で、日本側から「大丈夫か」と確認を取った際、韓国側から「日本が借りてくださいと言うなら、借りることもやぶさかではない」との回答があり、交渉から手を引いたことを後に明かしている。
文在寅大統領は、就任当初から反日運動を強行したため、日本に対し日韓通貨スワップ協定の再開を打診できないでいる。
しかし、一部政治家やメディアの間では、日本とのスワップ再開を求める声が上がってきたのは言うまでもない。
そもそも、日本にとって韓国との間で取り交わす日韓通貨スワップ協定は何のメリットもない。
日本の外貨準備高は1兆3222億ドルと、中国の3兆2223億ドルに次いで世界2位なのである。
日本は韓国と協定を締結しなければいけないほど外貨に困っていない。
ちなみに、韓国は4087億ドルの10位だ。
韓国の政府関係者がこう嘆く。
「韓国は2011年の秋に泣きついて韓国経済を日本に救ってもらった時のように、今回も本心では日本に助けてもらいたい。
しかし、文在寅大統領による反日運動のために、日本に泣きつくことも頼み込むこともできないのです」
そして、頭を下げたら下げたで、国内の大統領を支援してきた勢力がソッポを向くのも目に見えている。身から出た錆とはこのことを言うのだろうか。
羽田真代(はだ・まよ) 同志社大学卒業後、日本企業にて4年間勤務。2014年に単身韓国・ソウルに渡り、日本と韓国の情勢について研究。韓国企業で勤務する傍ら、執筆活動を行っている。 デイリー新潮取材班編集 2021年3月27日 掲載
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