日本と世界

世界の中の日本

第1回:おでん鍋の食べ方を知らない若者たち!?

2021-07-30 18:52:12 | 日記
第1回:おでん鍋の食べ方を知らない若者たち!?
 
社会問題を取り扱うノンフィクションを手がけ、いろんな現場に赴いて感じるのは、大半の人たちは自分が生きてきた世界しか知らず、それ以外は想像さえできないということ。
2021.7.13

未来を担う君たちに——日本社会にはさまざまな格差が地雷原のように広がっており、そこから多くの社会問題が発生している。

でも、いま君たちがしなければならないのは、そのことに右往左往したり、足を取られて絶望したりすることではない。

自分の中から幸せだと思えることを見出し、本気で取り組むことだ。

おでん鍋の食べ方を知らない若者たち!?

これまで僕は、社会問題を取り扱うノンフィクションを数多く手がけ、いろんな現場に赴いてきた。

日本で屈指の進学校の生徒、一流企業の創業者、国会議員に会う一方で、ひきこもり、外国人ギャング、暴力団員とひざを突きあわせて話を聞いてきた。

つくづく感じるのは、大半の人たちは自分が生きてきた世界、あるいはそれに近い世界しか知らず、それ以外は想像さえできないということだ。同じ年齢や同じ出身地なのに、たどってきた人生がまったく異なる。

僕は全国各地で行なっている講演会で、日本のリアルを質問として投げかけることがある。

たとえば先日、進学校として名高い中高一貫の私立高校で話をする機会があり、生徒たちにこんな質問をしてみた。

【質問】

十数人の子どもたちがいました。年齢は、君たちと同じくらいの10代半ばから後半。

その子たちが日常会話でつかう語彙はとても少ないです。おそらく2000語程度。

これは日本の5歳児が習得する語彙数と同じなので、絵本くらいの平易な言葉で話しているということです。

彼らに、いつも夕飯に何を食べているのかと尋ねると、返ってきた答えは「メロンパン」「チョコレート」「コーラ」。ほぼ毎日それだと言います。

家で食事をするときはたいてい素手で、使用するのはせいぜいフォークくらい。

蕎麦もウドンもフォークで食べるそうです。

おはしをちゃんと握って使用できるのは、たった2~3人でした。

ある日、子どもたちの食卓におでんの入ったお鍋を置いて「食べてください」と言ってみました。

すると、顔を見あわせて固まってしまいました。どうしたのかと尋ねたところ、子どもたちは言いました。

▼おでん鍋の食べ方を知らない若者たち イメージ:PIXTA

「おでんは知っています。でも、どうやって食べればいいのかわかりません」

鍋で出された、おでんの食べ方がわからないのです。

さて、質問です。この子どもたちは、どういう人たちでしょうか。

これを読んで、どういう状況をイメージしただろうか。

僕がこの質問をした私立高校の生徒たちの8割以上は次のような回答をした。

「外国人」

日本語のボキャブラリーが少なく、夕飯にお菓子やコーラを食して、おはしをつかいこなせず、おでんの食べ方を知らない。

そういったところから、日本の文化を知らない外国人だと考えたのだろう。

いつも素手で食事をしているというところから「日本にいるインド人」と答えた人もいた。

残念ながら、答えは違う。そこで僕はこうつけ加えた。

「外国人じゃありません。日本人です」

生徒たちはどっと笑った。日本人でこんな食生活をしている人たちがいるということを理解できなかったらしい。

僕は何も意地悪な問題を出しているわけではない。

あるところへ行けば、当たり前のようにくり広げられている光景なのだ。答えを述べよう。

「少年院」

非行を重ねた、あるいはその可能性の高い少年少女が収容される少年院だ。なぜ、こうしたことが起こるのだろうか。

▲答えは「少年院」の子どもたち  イメージ:PIXTA

少年院の子どもたちだけが特殊なわけではない

あくまで一般論だけど、彼らの親はさまざまな問題から適切な子育てをしていないことが多い。

恋人の家に入り浸って帰ってこない、酒ばかり飲んで暴力をふるう、心の病で1日中混乱状態にある……。

こうした家庭では親子の会話がほとんどなく、あっても親が一方的に怒鳴りつけて服従を求めがちだ。

子どもは言葉で物事を考え、表現する意欲を持たなくなり、十分な語彙を身につけることができなくなる。

なんでも「やばい」「えぐい」「死ね」といった極端な言葉で争おうとするので、周囲から理解してもらえない。

また、家庭で親が料理をしないので、毎日同じようなレトルトを食べさせるか、100円を渡されて「それで食い物を買ってこい」と言われる。

小さな子どもがコンビニで買うものといえば、メロンパンやチョコレートのような甘い物だ。

そんな食生活が何年もつづくことで、菓子パンやお菓子が主食になる。

ちなみに、彼らは慢性的な栄養失調になっていることもあって、少年院に入ってごく普通の食事を日に3回とるだけで、簡単に5キロ、10キロと太る。

▲少年院での食事で栄養状態が改善されるという… イメージ:PIXTA

食器についても、家になかったり、親から使い方を教わったりしていないため、幼児のときから素手で食べる習慣が改まっていない。

はしがうまくつかえず、フォークのように刺す子もザラだ。

おでんが食べられないのも家庭の影響だ。

家族で鍋を囲んだ経験があれば、他人とはしが当たらないように、好物を中心にまんべんなく適切な量を自分の皿にとって食べる習慣が身についている。

でも、それをしたことがなければ、誰から、どれを、どうやって、どのくらい取って食べればいいかわからない。

だから、おでんのような鍋料理を出されると困って固まってしまうのだ。

くり返すが、これは決して特殊な例じゃない。

有名私立校の生徒たちの大半が塾に通ったり、旅行に行ったりする経験を当たり前のように持っているのと同じように、少年院で暮らす子どもたちには同じような特徴が見られる。

こういう子どもたちは、同じようなタイプで集まり、そのまま大人になって1つの階層を形成していく。

有名私立校の生徒たちは、彼らと接点を持つ機会がないので、生活実態をまったく知らないし、逆もしかりだ。

※本記事は、石井光太:著『格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉』(日本実業出版社:刊)より一部を抜粋編集したものです。


韓国の「反日」感情の意外な正体

2021-07-30 18:26:07 | 日記

2019.05.31 07:00  NEWSポストセブン

韓国の「反日」感情の意外な正体

現代の韓国では「旭日旗」に対するアレルギーも強い(EPA=時事)

 

 韓国で再び反日ムードが高まっているが、『韓国「反日フェイク」の病理学』が話題の韓国人ノンフィクションライター・崔碩栄氏は現在の韓国の反日を「人為的」なものだと断言する

いったいどのように「作られた」ものなのか。

 

 * * *

 たまに、日本に対して強い反感を持った韓国人に会うことがある。

彼らは豊臣秀吉の朝鮮侵略から始まって、日韓併合、朝鮮総督府の朝鮮統治、慰安婦、独島(竹島の韓国名)などの話を持ち出して日本への憎しみを語るのだ。

 そんな時、私は言ってみる。

一度、1945年8月15日以降の日本だけを見てみようと。

そして、日本が韓国に与えた被害、そして日本の過ちは何かと。

すると、たいていの場合、彼らは言葉を失う。

せいぜい「日本は独島が自分の土地だと主張している」、

「過去への反省がない」といった程度だ。

 独島問題にしても過去への反省にしても、1945年以前の出来事に由来するものであるから除外するとして、実際に1945年以降の日本の行動の中で指摘してみろと再び聞いてみると、これ以上の言葉は出てこない。

個人的なやり取りは別として、終戦後、日韓の直接交流や取引などで、韓国が日本からこれといった被害を受けたことなどほとんどないのだ

逆に1945年8月15日以降、韓国は日本からの経済支援、協力などを受けているが、これらについて韓国人のほとんどが知識を持っていないことも大きな問題かもしれない)。

 私がこんなふうに言うのは、韓国社会において日本に対する態度と、北朝鮮に対する態度があまりにも違う、つまりダブルスタンダードに基づいているからだ。

 1945年の太平洋戦争終戦後、韓国が最も大きな被害を受けたのは、1950年に北朝鮮が起こした朝鮮戦争の時だ。

 韓国は朝鮮戦争で北朝鮮と中国軍により壊滅的な被害を受けた。

兵士、民間人合わせて死者のみで52万人、行方不明者43万人を合わせると100万人近くにも上る犠牲者が発生した(ちなみに北朝鮮側の犠牲者は死者70万人、行方不明者80万人で韓国よりはるかに多い)。

これは太平洋戦争に動員され死亡した朝鮮人2万2000人を大きく上回る。


韓国社会に漂う「分断」と「絶望」

2021-07-30 18:14:55 | 日記

韓国社会に漂う「分断」と「絶望」

文氏の経済運営は「対症療法」

 

田村 賢司 他5名

日経ビジネス編集委員

 

文在寅政権の経済運営が行き詰まっている。

最低賃金を引き上げた余波で雇用が安定せず、輸出も陰りが見える。

若者の生活は厳しく、1を切った出生率は将来不安を増幅している。

若者はロウソク集会と呼ばれる大規模デモをたびたび開いて政権への不満を訴えた(朴槿恵前大統領の退陣を求める集会、2016年11月)(写真=Lee Jae-Won/アフロ)

 文在寅(ムン・ジェイン)政権発足から1年10カ月。

アジア経済の専門家に文氏の経済運営を聞いてみると、政策効果を疑問視する声が相次いだ。

 「資産や所得の格差が広がって、経済成長では過去15年で見ても最も低い」(裵埈皓=ペ・ジュンホ=韓神大名誉教授)

 「低所得層の利益を重視しているが、関連政策の効果は期待外れのようだ」(戴二彪アジア成長研究所教授)

 潜在成長率が3%程度といわれるなか、実質GDP(国内総生産) 成長率は2018年に2.7%。19年も2.6%が予想されている。

頼みの輸出も傾き、2月の輸出額は11.1%減と3カ月連続で前年同月を下回った。

主要な輸出品である半導体の価格が低調なためだ。内需が小さいうえに輸出依存度(GDPに対する輸出額の比率)は38%(16年)と日本(13%)よりはるかに高く、輸出の不振は経済の循環を滞らせる。

「18年末に韓国の景気は後退に転じた可能性がある」(大東文化大学の高安雄一教授)という見方が広がってきた。

正規と非正規の分断

 文政権は最低賃金を2年連続で10%以上引き上げた。

これが逆に中小零細の雇用マインドを減退させている。

雇用、若者重視という旗が色あせ、経済政策が対症療法だとの批判が強まる。今年2月、ソウルの街を歩くと不満の声が次々に耳に入ってきた。

 「大学院までいったのに就職口がないと泣きつく学生が近年、また増えてきた」。

ソウル市の私立大学で昨年末まで語学講師をしていた朴愛京(パク・エギョン=仮名)さんは顔を曇らせる。

この大学が特別なわけではなく、若年層の支持を得て当選したはずの文政権の下でも、若者の雇用は改善していない。

韓国統計庁の調べでは15~29歳の若年失業率は18年で9.5%。統計区分は異なるが日本は同年、15~24歳が3.6%、25~34歳が3.4%と低く、大きな差が付いている。

 韓国は1997年の通貨危機を機に若者の失業率が12%程度に上昇。

それ以後は7~8%程度が続いたが、2013年ごろから再び上がり始めた(次ページのグラフ参照)。

職に就いても、その33~35%は非正規職という現実も03年以来続く。就職できる人とできない人、正規と非正規──。こうした分断が若者の間の深い溝になる。

 若者の高失業率の要因の一つは約7割もある大学進学率だ。

「大半が卒業時に大企業を目指すため、雇用のミスマッチが生まれる」(安倍誠・JETRO・アジア経済研究所東アジア研究グループ長)ことになる。


世界最悪の左右対立…データで見る「分断社会」韓国との付き合い方

2021-07-30 18:00:41 | 日記

隣国は何をする人ぞ

世界最悪の左右対立…データで見る「分断社会」韓国との付き合い方

ワールド

2021年7月3日 土曜 午前11:40

韓国は分断国家だ。

もちろん、同じ民族である北朝鮮と分断されているという意味である。

だがソウルに住んでいると、韓国国内にはもう一つの「分断」が存在している事がよく分かる。

「南南葛藤」と呼ばれるもので、国民は保守派と進歩派に分断されているのだ。

この分断は苛烈な物であり、個々人のレベルだけでなく地域的な分断も伴っている。大邱(テグ)市は保守、光州(クァンジュ)市は進歩という具合だ。

この韓国内の分断が世界最悪レベルであることが、ある調査で判明した。

日韓関係の悪化が日常化している今、我々日本人も、韓国が一枚岩では無いということを知っておくべきであろう。

「文化戦争」

「Culture wars around the world:how countries perceive divisions(世界の文化戦争:国々は分断をどう認識しているのか)」

フランスに本社がある多国籍調査会社イプソスは6月25日、イギリスのキングスカレッジロンドン政策研究所と共同で行われた興味深い調査結果を発表した。

タイトルは「Culture wars around the world:how countries perceive divisions(世界の文化戦争:国々は分断をどう認識しているのか)」。

「文化戦争」というのは聞き慣れない言葉だが、「伝統主義者・保守主義者」と「進歩主義者・自由主義者」の間における、価値観の衝突を指す概念だ。

今回の調査では先進国を中心とした28カ国およそ2万3000人にアンケートが実施され、イデオロギー・貧富・年齢・性・宗教・人種など様々な要素について「自国は分断されている」と感じている人がどの位いるのかが明らかになった。

あらゆる面で分断されている韓国社会

韓国は12の調査項目のうち実に7項目で1位、つまり「分断されている」と考える人が多かった。

韓国が1位だったのは、

「富裕層と貧窮層(91%)」

「男性と女性(80%)」

「大卒と非大卒(70%)」

「若者と年長者(80%)」

「宗教間の分断(78%)」、

そして「保守と進歩(87%)」

「異なる政党支持者間の分断(91%)」

の6項目だ。

他にも3つの項目(「大都市エリートと労働者」「社会階層間の分断」「都市と地方」)でトップ3に入っていた。

 

「富裕層と貧窮層の分断」では韓国とチリが91%とトップ(「世界の文化戦争」より)

「男性と女性の分断」も80%で韓国がトップ(「世界の文化戦争」より)

政治的な保守・進歩の対立だけでなく、あらゆる面で韓国社会が分断されている事がよく分かる。その分断の深さは世界一だ。

「富裕層と貧窮層」「男性と女性」「大卒と非大卒」「若者と年長者」「宗教間の分断」「保守と進歩」「異なる政党支持者間の分断」の7項目で韓国社会は世界一分断されている事が分かった

一方、この韓国と最も対照的な国がある。日本だ。

日本は「人種間の分断(26%」「宗教間の分断(23%)」「保守と進歩(34%)」「異なる政党支持者間の分断(31%)」が28カ国中最下位。

「大都市エリートと労働者の分断(39%)」「元から住んでいた人と移住者の分断(35%)「富裕層と貧窮層の分断(54%)」で27位など、

全ての調査項目で世界平均を大きく下回っている。

「人種間の分断」では日本は26%と最下位(「世界の文化戦争」より)

この調査を見る限り、世界で最も分断されていない社会が日本だった。

まさに、韓国とは真逆である。

韓国は隣国であり人や物の行き来が多く、黄色人種が多いことなど一見して共通点があるため「似ている国」と思いがちだが、

こと社会の分断に関しては、日韓は世界で最も対極にあることが分かる。

この点は、韓国という国を見る上で必ず頭に入れておくべき事だろう。

「分断社会」韓国を見る日本の誤解

先日も、この韓国の「分断」を強く感じる機会があった。

韓国国会で保守系野党のベテラン議員として活動する人物に会って話を聞いたのだが、この議員は米中の対立について「韓国は同盟国としてアメリカと共に歩まなければならない」と断言した。

その上で、「韓国、アメリカ、日本、台湾は自由民主主義国家として手を取り合って中国と対峙しなければならない。

日韓がいがみ合う事は対中国を考えれば両国共に全く利益がない。これはクアッドについても同様で、韓国もクアッドに参加すべきだ。日韓は安全保障上の利害が一致している。日韓関係を何とかしないと共倒れになってしまう」と熱っぽく話した。

この議員が語る中国観、日米とのあるべき姿というのは、文在寅政権と全く異なっている。

文政権は「安保はアメリカ、経済は中国」にそれぞれ依存している現状を変える意志を見せず、どっちつかずの曖昧な「バランス外交」を目指している。

アメリカは唯一の同盟国だが、むしろ悲願である北朝鮮との融和の後押しを得るために、中国に強く配慮している側面もある。

一歩間違えれば米中双方の不信を買いかねない危険な綱渡りだが、

野党である保守系議員は「もはやバランス外交など不可能」と判断した上で、日韓関係改善の必要性を現政権よりもはるかに強く認識している。

日本の世論、特にネット上では「韓国は中国や北朝鮮、ロシアなどのレッドチームに入った」という言葉がよく聞かれる。

だが韓国は一枚岩ではない。

韓国では「中国との関係を見直し、アメリカと共に歩み、日本とも関係改善しなければならない」と強く考える政治家や市民も少なくない。

しかも現在、保守系野党の支持率は進歩系与党の支持率を上回っているのだ。

2022年3月には韓国で大統領選挙が行われる。

社会の分断が深いからこそ、現在とは全く異なる政策に変更される事もありうる。

この変化の振れ幅は、世界で最も分断がなく、政権交代も稀な日本で暮らしていると、皮膚感覚としてなかなか理解しにくいかもしれない。

そういう意味で、韓国社会の分断をデータで示す今回の調査結果は、日本人が韓国人を知る上で重要なデータと言えるだろう。

 

【執筆:FNNソウル支局長 渡邊康弘】