なぜ韓国は「うつ病」ワースト1位に落ちたのか。
国民の36.8%が苦悩、反日激化の一因に?=勝又壽良
プロフィール:勝又壽良(かつまた ひさよし)
元『週刊東洋経済』編集長。静岡県出身。横浜市立大学商学部卒。経済学博士。1961年4月、東洋経済新報社編集局入社。週刊東洋経済編集長、取締役編集局長、主幹を経て退社。東海大学教養学部教授、教養学部長を歴任して独立。
反日の材料を四六時中も探し続ける韓国
日韓関係に平穏な時期は来るのか。
徴用工問題・慰安婦問題だけが日韓対立の火種ではない。
最近は、竹島問題をめぐって東京五輪ホームページの掲示問題で、韓国は東京五輪不参加をちらつかせている。
文政権で首相を経験した2人が、東京五輪ホームページから竹島を完全に削除しなければ、韓国は不参加にすべきであると主張している。
韓国は、東京五輪の日本ゴルフ代表チームが、旭日旗を連想させるデザインのユニフォームを公開したことも問題視している。
日本ゴルフ協会のホームページには、東京五輪日本代表のユニフォームの写真が掲示された。
それによると、「右斜め45度の赤・ピンクのストライプ」が含まれていたことで、旭日旗を連想させると言うのだ。
韓国では、大袈裟に言えば四六時中、日本を監視している感じだ。
日本において何か、韓国に関わりのありそうなことが起こると、即時に反応して「反日運動」を始めるのである。
「対話」ができない
日本がいくら説明しても聞く耳を持たないで、一方的な日本批判を展開する。
これは、一種の「リテラシー欠如」の表れである。
リテラシーとは、「知識・能力」と理解されているが、相互にコミュニケーションする能力である。「対話能力」と言ってもよい。
韓国進歩派は、日本にだけ心を閉ざして、「対話拒否」をしているわけでない。
国内でも、反対派との間にリテラシー欠如に陥っている。
いわゆる、「敵・味方」論に立っているのだ。
味方陣営だけと話をして、敵側陣営との対話を絶っている。
これは、政治上だけで済まない点が深刻である。
個人レベルでも多くの悩みを抱えながら、それを受け入れる雰囲気が社会に存在しないのだ。
韓国芸能人の自殺が相次ぐ背景
韓国芸能人の自殺がよく報じられている。心ない投書が、心に大きなダメージを与えて悲劇をもたらすものである。
実は、こういうケースが特異なものでなく、個人生活全般に広がっている。
それには、次のような背景がある。先ず、ここから話をしておきたい。
韓国では、同じ苗字が多くて、日本人にはすぐに氏名を覚えきれないほどだ。
これは、韓国が宗族社会という出自をもっている結果である。
同じ姓の人と結婚しないのは、同じ宗族内の結婚を避けるという習慣を守っているもの。
同じ宗族内では、相互扶助は当たり前だ。
贈賄事件が頻発したのは、宗族社会のもたれ合いを象徴している。
反面で、他の宗族と敵対関係に立ってきた。
それだけ、生存競争が厳しかったという証拠であろう。
これは、中国の宗族制を継承した結果である。
他の宗族との間では、「械闘」(かいとう)と言われる武力闘争を起してまで争ってきた。
つい2~3年前、この械闘が起って当局が両宗族を罰したというニュースがあった。
韓国でも、底流でこうした宗族間の対立があるので、欧米流のオープンな市民社会になれず、個人の孤立が起こって現在に至っている。
宗族社会で孤立する個人
その典型的な事例をあげたい。
昨年、ソウル市長のセクハラ事件が起り、検察が捜査に動き出したことを察知した市長が自殺するという痛ましい事件が起った。
この市長は、与党「共に民主党」所属であり、文大統領とは友人関係でもあった。
自殺で、大きな社会問題になったが、与党代表と文大統領は被害者に対しての「労りの言葉」がないどころか、ソウル市長を被害者扱いする言動を見せたのである。
この倒錯した対応は、ソウル市長が与党陣営の人物であるから擁護した結果である。
何よりも長年、セクハラで悩まされてきた被害者本人への謝罪がなく、事件の告発を恨むような言動すらする与党議員が現れたのである。
これが、「公平・公正・倫理」を訴えてきた与党の姿かという批判を浴びた。
実は、韓国が今なお宗族制社会の遺物を抱えている姿を赤裸々に表わした事件である。
集団的なうつ病患者発症
韓国は、表面的にさも道徳社会のような振りをして宣伝しているが、内面を見れば「人間に優しくない」社会であることは間違いない。
具体的には、韓国の「うつ病」患者数がOECD(経済協力開発機構)でワーストワンを記録していたことで分かった。
2020年のデータに基づく。
<新型コロナウイルス感染症のパンデミック以降、世界各国のうつ病有病率>
1位:韓国 36.8%
2位:スウェーデン 30.0%
3位:メキシコ 27.6%
3位:豪州 27.6%
5位:米国 23.5%
6位:ギリシャ 22.8%
7位:オーストリア 21.0%
8位:ベルギー 20.0%
9位:フランス 19.9%
10位:英国 19.2%
11位:スペイン 18.7%
12位:イタリア 17.3%
12位:日本 17.3%
13位:チェコ 11.8%
14位:カナダ 10.0%
出典:『朝鮮日報』(6月3日付)
上記データは、大韓神経科学会によって発表された。
韓国におけるうつ病の有病率が、世界最高にもかかわらず、治療へのアプローチは最も低いレベルだという点を指摘している。
これは、2002年3月の政府規制により、医師全体の96%に該当する非精神科医師たちが突然、うつ病の治療ができなくなった結果と説明している。
いずれにしても、韓国のうつ病発症率が世界でズバ抜けて高いのはなぜか?という疑問に突き当たる。
なぜ韓国で「うつ病」が続出?
うつ病とはどのような症状かを見ておきたい。
医師によっては「心の風邪」とも言われている。
うつ病の明確な発症メカニズムは、現時点で解明されていないという。
誰でも精神的なストレスが掛かれば、罹る病気であるのだ。
日本人の発症率は、平常では100人中3~7人とされている。
上記のデータでは、OECDワースト12位。市民社会のモデル英国よりも好成績であった。
うつ病の特徴的な症状は、強い悲しみや気分の落ち込みなど、いわゆる“抑うつ気分”や意欲や喜びの低下が現れることとされている。
しかし、症状の現れ方は人によって大きく異なり、動作が緩慢になって反応が遅くなるケースもあれば、些細なことで怒りっぽくなるといった行動の変化が目立つケースも少なくないと、専門家は指摘している。
うつ病の特色である「怒り」の裏面には「憂うつ」がある。
憂うつと怒りはコインの両面とされている。
精神的エネルギーが、自身に向かえば「憂うつ」になる。一方、外部へ向かえば「怒り」として表出される。
韓国では、
高騰を続ける住宅価格と急激な税金負担増が、
国民に心理的剥奪感・無力感・憂うつ感と同時に怒りを植えつけたと指摘する専門家もいる。
韓国はパンデミック以降、うつ病患者が急増している背景に、生活面のストレスが大きいことを示している。
だが、潜在的にうつ病を多く発症させる要因があることを否めない。
OECDでうつ病2位のスウェーデンには、明らかな潜在的な要因がある。
それは、気候要因がもたらすものだ。
スウェーデンでは、アルコールの販売は専売制である。
酒を飲むと「泣き上戸」になると聞かされていた。
日本人は、飲酒すれば愉快になって「笑い声」が大きくなるのと対照的である。
スウェーデンで、居酒屋を覗いたことがある。
確かに、陰気で黙々と酒を飲む異常な雰囲気であった。
現地を見て、なるほどと実感したが、遺伝子要因によるのであろう。
韓国DNAが生んだ反日
ここからは、私の「見立て」である。
韓国人のうつ病罹病率が高いのは、スウェーデンのような遺伝子要因も見逃せない。
うつ病の特色である「怒り」の裏面に「憂うつ」があるとすれば、この「怒り」が恒常的に日本へ向けられてきたと言える。
現在、韓国の20~30代は文政権の「不誠実性」を猛批判して、保守派支持へと鞍替えしている。
だが、この怒りは、国外へ向けられれば「反日」へ転嫁される。
韓国進歩派は、一貫した「反日行動」である。
これを政権維持のテコに使ってきた。国民は、これに乗せられてきたと言える。
冒頭で指摘したように、徴用工問題・慰安婦問題だけが日韓対立の火種ではない。
最近は、竹島問題をめぐって東京五輪不参加を言い出している。
また、旭日旗を想像させるとして五輪ゴルフ選手のウェア・デザインへの非難と続いている。
こうした際限ない「反日活動」は、日本へ「いちゃもん」を付けているとしか言いようがない。
その根底にはうつ病的な要因があり常時、その「怒り」が日本へ向けられ、精神バランスを取っているのであろう。
こういう視点で「反日言動」を見ると、日本の説明を一切聞こうとしない「リテラシー欠如」が根底にある。
これは、明らかに病的な症状である。
日本側としては、どうにも対応できない事態と見るべきだろう。
日本側が無視すると、「日本は朝鮮時代から侮辱していた」というコラムが登場する。
もはや、日本は対応不可能である。
これから、「リテラシー欠如」の実例をいくつか上げたい。
国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は1月、韓国代表団と面会した。この席で韓国側が、東京五輪で日本軍国主義を象徴する旭日旗が競技会場に持ち込まれること。
選手村で提供される食事に原発事故が起きた福島の食材が使われる可能性があること。
これらについてIOC側に懸念を示すとともに、問題の解決に向け努力するよう要請したという。
バッハ会長は、「IOCを信頼して欲しい」と答えた。
旭日旗と福島原発が武器
韓国が、旭日旗問題と福島原発による放射能問題をわざわざ持ち出したのは、日本への嫌がらせである。
韓国へ、何らの損害も与えている訳でない。
こうやって、バッハ氏の対日イメージを悪くさせて、韓国の方がその点で優れていると売り込んでいるのだ。
つまり、2032年夏季五輪の北朝鮮との南北共同招致実現を狙っているに違いない。
相手にケチを付けて、自分だけが利益を得ようとする。
こういう最悪のスポーツ外交を行なっているが、狭量であることは明白である。
このように旭日旗と福島原発は、韓国にとって日本非難の得がたい材料になっているが、果たしてそれは有効だろうか。
韓国のストレス発散に使われる日本
韓国が、日本を本当に非難したいならば、堂々と日章旗を非難すべきである。
旧日本軍の戦場には必ず日章旗がはためいていたからだ。
旭日旗は、旧日本海軍の象徴である。
現在も自衛隊旗として法律で定められた存在である。
朝鮮半島で旧日本海軍が大きな被害を与えたことはない。
要するに外交上、日章旗非難をできないので、代わりに韓国と無縁の旭日旗を持ち出しているに過ぎない。
その魂胆が、極めてさもしいのである。
福島原発における陸上での放射能汚染の土壌は、全て取り除かれている。
後は、トリチウム問題である。
これは、IAEA(国際原子力機関)による4回もの査察をへて、安全性を確認した上で、海洋放出計画をまとめた。
こういう経緯は、100回にわたり全て外交団に詳細な説明をしている。
韓国外交部も知っているはずである。
日本が、突然の海洋放出を決めたわけでない。
それにも関わらず、韓国は、日本が無断で一方的に決めたとして世界中で騒ぎまくっている。
こういう現実を見ると、つくづく悪意による「リテラシー欠如」を実感させられるのである。