経常黒字54%減、9.2兆円 22年度、8年ぶり低水準
- 共同通信
- 経済
経常収支の推移(年度)2023年05月11日
共同通信
財務省が11日発表した2022年度の国際収支速報は、海外とのモノやサービス、投資の取引状況を示す経常収支の黒字額が前年度比54.2%減の9兆2256億円だった。
14年度以来8年ぶりの低水準。
原油高と円安で輸入額が急増し、貿易赤字が過去最大に膨らんだことが影響した。
経常黒字の減少額は10兆9265億円で、同じく原油高に見舞われた08年度(13兆6490億円)以来の大きさだった。
経常収支の内訳となる貿易収支は18兆602億円の赤字。
輸出が99兆6207億円で16.3%増えた一方、輸入は35.0%増の117兆6809億円となり、輸出の伸びを上回った。輸出は自動車、輸入は原油や石炭が伸び、いずれも過去最大を更新した。
旅行や貨物輸送を含むサービス収支は、赤字額が5兆2765億円に拡大した。企業の研究開発やマーケティングの対外支払いが増えた。
海外投資で生じた利子や配当収入の動向を示す第1次所得収支は、黒字額が22.6%増の35兆5591億円だった。商社などの海外事業が好調で配当が増えた。