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韓国、「脆弱」企業も家計も債務漬け、風評信じる社会の必然結果 正常化への「道遠し」

2023-05-30 16:57:11 | 日記
韓国、「脆弱」企業も家計も債務漬け、風評信じる社会の必然結果 正常化への「道遠し」


2023年05月30日


  • 韓国経済ニュース時評アジア経済ニュース時評
   
韓国社会は今日も、「福島原発処理水」と「旭日旗」が話題を独占している。よく飽きもせずに同じことを続けていると不思議で、ここから脱する突破口はなさそうだ。社会全体が、噂や風評に惑わされ、自分の頭で判断することが少ない結果である。合理的に判断する基準が、確立していないのだろう。

このことは、経済面によく現れている。合理的に判断すればあり得ないことが、韓国では起こっているからだ。家計債務は、対GDP比で102%とOECD(経済開発協力機構)でワーストワンである。企業の営業利益が、支払金利をカバーできない「利子補償倍率1以下」が、22.1%と警戒水準を超えている。

『中央日報』(5月30日付)は、「緊縮でも防げなかった『家計負債1位の韓国』、企業負債増加速度も世界4位」と題する記事を掲載した。

韓国銀行が2年近く金融引締め基調を継続しているが、韓国の家計負債は依然として国の経済規模を考慮すると主要国のうち最も多い水準と現れた。

(1)「国際金融協会(IIF)の「世界負債報告書」によると、1~3月期基準で韓国の国内総生産(GDP)比の家計負債の比率は102.2%で、調査対象34カ国(ユーロ地域は単一統計)で1位だった。調査対象国のうち家計負債規模がGDPを超える国は韓国が唯一だ」

韓国国民の「借金好き」は、昔から変わることがない。計画性のない支出が債務を増やし続けているからだ。朝鮮李朝時代も「宵越しの金を持たない」浪費癖が指摘されていた。民族特性であろう。韓国が一番比較したがる日本は、65.2%である。

韓国は、「一攫千金」の夢を追いたがる特性を持っている。株式投資でも貯蓄を振り向けるのでなく、借金して株式を買うという常識を外れた行動をとる結果、株価下落の際に受ける痛手は強烈である。債務が丸々残る事態に見舞われるのだ。
(2)「企業負債も増えた。GDP比の非金融企業の負債比率は1~3月期基準で118.4%。香港の269.0%、中国の163.7%、シンガポールの126.0%に続き4番目に高かった。1年前と比較すると3.1ポイント増えたが、上昇幅も34カ国中4位と高い方だ。世界的な金融緊縮基調にも関わらず、この1年間で企業負債が高まった国は韓国をはじめ10カ国だけだ。政府部門負債のGDP比の割合は44.1%で22位と中位圏だった」

不動産バブル崩壊に直撃されている中国企業は、163.7%である。これに対して、韓国企業は118.4%である。輸出不振で債務が増えた結果である。これでは、設備投資は抑制されるので景気は悪化する。韓国経済は、こういう悪循環過程へ嵌まっている。

『東亜日報』(5月30日付)は、「IMF、韓国などアジア企業の負債の不良債権化を警告」と題する記事を掲載した。

国際通貨基金(IMF)は、金利高の中、アジア企業の負債負担が急増しているとして負債が不良債権化する可能性を警告した。韓国も、企業負債全体でデフォルト(債務不履行)の可能性が高い負債割合が世界平均をはるかに上回り、危機の警報が大きくなっている。

(3)「IMFは最近、独自のブログに「金利高の中、アジアは企業負債の上昇をめぐり、モニタリングをしなければならない」という指摘し、「アジア企業は、低金利の時期に負債の割合を高めてきて、2008年の金融危機時より負債のレベルが高くなっている」とし、「これは、金利引き上げと高まった市場変動性に負担を加重させている」と指摘した。韓国も、2021年7月~2022年6月まで、利子補償倍率(ICR)が1より少ない企業負債が企業負債全体の22.1%と現れた。世界平均(16.8%)やアジア平均(13.95%)より高い数値だ」

営業利益で利子を払えないのは、利子補償倍率(ICR)が1以下と定義される。韓国は、そういう企業負債が全負債の22.1%も占めている。これでは、税金を払えないから法人税も減って、財政にはマイナス要因だ。日本は15.8%で世界平均を下回っている。
(4)「IMFは、5月初めに発表したアジア太平洋地域の経済予測報告書で、金利が急激に上がる場合、韓国やシンガポール企業の不良債権を懸念した。企業負債の金利が1.5ポイント上がる小幅の下降シナリオで計算しても、利子補償倍率が1未満の限界企業が続出することが分かった。不動産分野では、韓国とベトナムが不良債権の割合が高いとIMFは警告した」

韓国では、不動産企業の不良債権増加が警戒されている。建設会社が、不動産開発プロジェクトで行き詰まっているので、IMFの警戒は現実味を帯びている。