<独自>高齢者のネット利用、コロナ禍前の2・5倍に 5年版高齢社会白書の概要判明
2023/5/24 17:33
政府が6月に閣議決定する令和5年版高齢社会白書概要が判明した。
高齢者の就業率は60代、70代ともに10年前と比べて大きく伸びた。
また、新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、インターネットで医療関連情報を収集する高齢者が大幅に増えたとの調査結果も盛り込んだ。
調査は4年10月28日から11月24日に65歳以上の全国の男女計4000人を対象に実施。約6割の2414人から回答を得て、分析した。
高齢者の昨年の就業率の推移をみると、10年前の平成24年と比べて60~64歳で15・3ポイント、65~69歳で13・7ポイント、70~74歳で10・5ポイント、75歳以上で2・6ポイントそれぞれ伸びた。
企業による定年年齢の引き上げや高齢者雇用が進んだことや、高齢者の就労意欲の高まりが背景にあるとみられる。
今回の白書では、新型コロナ禍での高齢者のインターネットの活用についても分析。
病気などの情報収集に関し「インターネットで調べたことがある」との回答は、4年度は50・2%で、コロナ感染拡大前の平成29年度の20・0%に比べ2・5倍に急増した。
調べた具体的な内容は、病気の症状や処置方法が39・0%(29年度13・6%)
▽病院など医療機関が30・1%(同8・2%)
▽薬の効用や副作用が25・1%(同8・6%)-だった。
白書では、22年以降
「携帯電話・スマホで家族・友人などと連絡をとる」「インターネットで情報を集めたり、ショッピングをする」と回答した割合が次第に高くなっていると指摘。
コロナ禍を契機に高齢者の意識が変化し、ネットを活用した高齢者の社会活動が広がる可能性があると分析している。
白書によると、昨年10月1日時点で65歳以上の人口は3624万人。
総人口に占める割合を示す割合(高齢化率)は29・0%で前年(28・9%)とほぼ同じだった。