8月10日付け岐阜新聞のコラム「分水嶺」
甲子園に響く「ハッピー」。ピンチになると関商工ナインがマウンドに集まり、人さし指を立て応援席に向かい叫ぶ。アルプススタンドを埋めた観客も声を合わせ「ハッピー」と応える。
▼叫んだ言葉が現実のものになるようにと、今夏の岐阜大会から始めた合言葉。延長13回を戦った如水館戦、再三のピンチでは選手とスタンドが一体となって、何度も響かせた。中にはテレビの前で叫んだ市民もいたのでは。
▼初戦を突破できなかったとはいえ、全力プレーは県民をハッピーな気持ちにさせてくれた。関商工ナインだけでなく、多くの球児も大観衆の前で思い切り野球ができる幸せを感じただろう。
▼晴れやかな舞台でなくていい、ささやかな日常の暮らしができる幸福を求める高校生もいる。福島第1原発事故で避難生活を送る福島県の高校2年生。来日した潘基文国連事務総長と交流し、英語でスピーチした。
▼「被災して分かったことがあります。普通に生活したり、普通に学校に行って友達と一緒に授業を受けたりすること、人は普通に生きていくことが一番の幸せだということです」。
▼普通の生活を送れること、今年ほど幸せをかみしめられる夏はない。そして逆境に負けない福島の高校生とさわやかな感動をくれた関商工ナインに拍手を送ろう。
この中での福島県の高校2年生のコメントに胸が高鳴った。
「人は普通に生きていくことが一番の幸せ」
普通に生活できていると、そんなことを感じる機会は少ない。
でも、こうやって当たり前のように普通に生きていることが幸せなんだなと
つくづく感じた瞬間でした
生きていることにありがとうだね