月と金星と木星と。
まるで、宙に放り出された「音」のよう。
あとは神様が、夜空いっぱい五線譜を広げてくれるだけ。
月と金星と木曜と。
Gちゃんが日記に書いてくれたんで
思わず見上げた帰りがけの夜空。
西の空には、寄り添うように3つの星が輝いていた。
ああ。月と金星と木星と。
これがGちゃんの言っていた奴だね。
しばし、西の空を仰いだ。
月と金星と木星と。
星は瞬く 星が瞬く
月が輝く 月は輝く
で、光を浴びている俺は?
俺は…瞬きもせず、輝きもせず、
ひたすら、地上から空を見上げて
空に焦がれているようで
夜に憧れているようで
こんな夜は、軽く酔いたい。
冷蔵庫から、ビールを持ち出し、栓を抜き、グラスも使わずに、
大瓶をそのままぐいっと。
やたら苦く感じたのは、大人になりきれない俺の…俺の??
待て待て。
俺が何か持ってただろうか。
自分の心さえ、なくなりそうだと言うのに。
いつか、さ。
そう、いつか。
あなたと酒が呑めたらな。
いろんな思いを、語り合いたいなぁ。


