昭和40年代当時の子供達へ(1)
昭和40年代、当時の子供達(今の40代以上の人達?)……特に男の子達にとって怪獣は、生活の中の一部だったと言えるほど、頭の中で占める比率はかなり高かったのではないでしょうか。
ゴジラやガメラが映画館で春、夏、冬に見られ(時にはテレビでも放送)、ウルトラマンをはじめ多くの特撮テレビ番組もスタートしています。日本国内の地域によって放映、上映時期に差はあるとは思いますが、ビデオやインターネットもない時代ですから、これらを映画とテレビでしか見られずとも充分幸せに時期だったようにも感じます。
そんな中、子供達にとって怪獣(ヒーロー)フィギュアの中心はソフビ人形とプラモデルだったように記憶しています。
今でこそ「レトロタイプソフビ」と称されているマルサンブルマアクタイプのディフォルメソフビですが、当時はレトロも何もあれがリアルタイムでのソフビ人形なわけです。
みんな集めていたかといえばそうではありません。当時の子供達のお小遣いでは、数百円のそれを買い集めるのは大変な事です。
それでも欲しくていくつかは買ったり、買ってもらったりしていたのですが、たくさん持っている裕福な子(?)が時としてうらやましく思ったりもしました。
そして小学校の高学年になってくるとだんだん気持ちも変わってきます。幼少の頃たくさん遊んだはずの怪獣ソフビ人形を見て疑問も涌いてきます。
「よく見ると○○はこんな形してないよなぁ」「映画(テレビ)の色と全然違う」等。これらの人形達が色も形も子供向けのディフォルメである事に気がつき、あくまでも「子供向け玩具」である事を知るわけです。
ここから怪獣への気持ちが離れていってしまう人と、もっと映画やテレビで見られたあの怪獣達に近い「玩具」ではなく「フィギュア」としての存在を欲する気持ちを強めていく人に分かれたのではないでしょうか。
当時のマルブルタイプのソフビの形状や色は、今でこそ味わいがあって私も好きでいくつか持っていますし、近年多くのメーカーさんから作られている、いわゆる「レトロタイプソフビ」もたくさん購入しています(ゴジラ中心ですが)。
しかし子供の頃には、バリバリのリアルタイプではなくとも、せめてもっとちょっと作品中の形や色に近いソフビで遊びたいのにと強く思っていました。
このような気持ちを持っていたのは私だけではないように思います。
今回の「大戦争ゴジラ ブルーバージョン」は、あの時の気持ちを思い出して、当時もしこんなソフビがあったらきっともっと楽しかったに違いない……そんな思いで企画したものです。
続きはまた明日。