Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

決戦ゴジラ スタンダードカラーのこだわり その3

2009年09月19日 | 新作商品情報
「決戦ゴジラ」の造形について Part.1



■「モスゴジ」と「決戦ゴジラ」は違います!!

 先日も書きましたが、「決戦ゴジラ」の劇中スーツは「モスゴジ」の流用・改修したものです。が、ファンの中には丸っきり「モスゴジ」と同じと勘違いされている方がいらっしゃるようです。
 大きな違いは頭部(顔)部分、首の辺り等です。他の部分のボディに関しては、ぼぼ同じものをそのまま使用されていると思われます。どちらの映画も同年に公開されている事から、制作期間もまたいつもより近い事もあって、劣化の速度も遅く、修復・修正も比較的スムーズだったと思われます。
 予算的にも新規造形としてはキングギドラを作らなければならなかったと言う事情もあったでしょう。「モスゴジ」がそのまま改修だけで「決戦ゴジラ」として使用できる状態だったことから、このパターンになったと思われます。

 勘違いされていらっしゃる方が多い一番の原因は、単純に似ているからなのだと思いますが、他にもいくつかあると思われます。
 ポスターや、スチール写真、ロビーカード(劇場等で貼られている劇中イメージの写真を合成等で作った小さなポスターのようなやつ)等の印刷物は、当時ほとんど合成やら着色は当たり前です(他の映画のゴジラを合成したりするのは良くある事)。ちゃんと「決戦ゴジラ」のスーツの写真を使用したものでもアングル的にも「モスゴジ」に似ているものが多く使用されています。
 ここ20年ぐらいのムック本等での紹介記事では、この違いをよくご存知ないであろうライターさん(編集者さん)が、簡単に「『三大怪獣~』ではモスゴジスーツをそのまま使用」と書いたりしているものもいくつかあるぐらいです。
 いくつかの「決戦ゴジラ」のガレージキット商品でも、かなり「モスゴジ」よりの顔のゴジラになってしまっているものも多くあります。
 これらの事からも、「モスゴジ」と「決戦ゴジラ」の違いが良くわからない方、同じだと思っておられる方が多いのではないでしょうか。
 長年ずっと不思議に思っていた現象です。

 それでは、その違い、つまり改修部分の造形についていくつか。
 劇中シーンでも見られる『モスラ対ゴジラ』の中での自衛隊の攻撃でゴジラの顔面が焼けてしまっている場面。これが一番の要因だと推測しているのですが、『三大怪獣 地球最大の決戦』の撮影時には頭部の修復がどうしても必要となったと思われます。
 ちなみに他の部分(ボディ全体)においては、『モスラ対ゴジラ』でかなりモスラや自衛隊との戦いで痛めつけられています。倒れたり、地面に転がったり、土(砂)まみれになったり、自ら暴れたりとかなりやんちゃな動きで相当ダメージを受けていたと思われます。が、撮影時期が近い事等もあって手早く、比較的楽な修復で流用できたのではないでしょうか。
 そして改修のあった頭部の部分ですが、大まかには口の裂け目から後頭部までのラインの上に当たる部分だけが丸っきり変えられている事がわかります。
 つまり下顎からは基本的に「モスゴジ」のまま改修されたものとして使用されていると考えられます。

 続きはまた明日。

(2009.11.4更新)
「決戦ゴジラ スタンダードカラー」は完売しました。ありがとうございました。